【リオ五輪特集3】柔道男子60㎏級高藤直寿がメダルラッシュの火付け役!


リオ五輪に向け、注目すべき競技のひとつは男子柔道でしょう。前回のロンドン五輪では史上初めて「男子柔道金メダルゼロ」という屈辱的な記録を残しています。その後、井上康生氏が新監督に就任し、旧体制とは違う流れを取り入れ、男子柔道は大きく変わりつつあるようです。

康生ジャパンがリオ五輪で結果を残せるか否かは、初戦の高藤直寿選手の勝負にかかっているように感じます。今日はi-colorで見ても全く違うタイプの井上康生監督と高藤直寿選手に注目してみました。

◆井上康生監督の「質」の高い指導法 

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(画像元:http://images.huffingtonpost.com/2015-11-25-1448424692-2928394-inoue3-thumb)

以前までは、強化合宿を何度も行いひたすら練習を積み重ね「練習量」を求める形になっていた結果、ピークの持って行き方を見誤ったり、過度な練習によりケガ人が多く出たという失敗がありました。

その反省を踏まえ、今まで試合感覚で判断していたものを、映像や分析データを用いて対策を取ったり、個々の選手の分析データを数値で見せて説明する等「質」にこだわった練習に変えてきています。また、柔道のみに偏らず『総合力』を培うために、ボディビル専門家に協力を仰いだり、各国の格闘技の良い面を取り入れようと井上監督自らが視察・研究し、他国の選手に対抗できる方法を練習にも取り入れてきたのです。その他、食事メニューや休養も含め、全ての見直しを図ったと言います。

更に、全日本で分析した個々の選手データを所属チームのコーチにも開示し、横の繋がりを密にした事も選手達の能力強化に繋がった大きな要因と言えるでしょう。 井上康生監督のi-colorはバイオレット。自分1人だけが目立つ事を嫌い、調整役として人と人を繋げたり、全ての人達の良い面を引き出すのが得意な志向タイプです。心配が先に立つリスク思考ですが、その不安を払拭すべく数々のデータを分析し対策を練っている事でしょう。

◆抜群のセンスを持った高藤直寿選手

7歳で柔道を始め、小学校5年で全国小学生学年別柔道大会40kg級の初代チャンピオンになっている高藤選手。翌年は45kg級で優勝し2連覇を達成しています。中3で全国中学校柔道大会優勝。高1では16歳以下の世界一を決める「世界カデ柔道選手権大会」に出場し優勝。小中高それぞれの全国大会を制覇し、世界大会のジュニア、シニアの世界選手権でも優勝したのは初の快挙だと言います。国際大会での8連続優勝記録や対外国人選手の36連勝記録などこれらの成績を見ただけでも、ジュニアの頃からケタ違いの技とセンスを持っていた事がわかります。

また、高藤選手は相手に合わせて今までかけた事のない技をいきなりかけられると言うのですから、まさに天才肌タイプの選手と言えるでしょう。自分の名前を付けたオリジナルの技を持っているほど柔軟な発想力で、瞬時に必要とされる技を編み出せるのです。

◆高藤直寿選手は無邪気な直感タイプ   


高藤選手のi-colorはレッド。1度スイッチが入れば短期集中で爆発的なパワーを発揮し、大舞台で大活躍し多くの人から注目、称賛されるのが大好きな直感志向(展開志向)タイプです。

彼の瞬発的パワー・センスの良さ・自己肯定感の高さ・やんちゃ具合と、どこを取ってみても柔道金メダリストの野村忠宏さんによく似ています。野村忠宏さんのi-colorターコイズも高藤選手と同じく直感志向(展開志向)タイプです。大きな大会になればなる程「さぁ自分の出番だ!」と感じ気持ちが高まっていくオレ様気質なのです。

高藤選手は以前、世界選手権の前にこんな発言をしています。

「浅見さん(女子柔道48㎏級代表)と同じ日の試合はマジやめてほしい。絶対あの人優勝するじゃないですか。(自分も)せっかく優勝できるチャンスだし優勝するなら目立ちたい。何か面白いことしないと」

これは
「五輪で自分が金メダルを取っても、いつも谷亮子選手に新聞の一面を奪われた」
と、自分が注目されず悔しかった思いを笑いを交えて語っている野村忠宏さんとそっくりです。

ただし、やんちゃ度合は野村選手の上を行っています。海外での試合前、「面倒くさい」と現地に食料を持って行かず「近くにピザ屋があったから、とりあえず食えればいいや」と3日間ピザを食べて調整ミスをしたり、試合で負けた翌日に気分が乗らず練習を無断欠席したり、寝坊での遅刻を繰り返したり・・とかなりのやんちゃぶりを見せていました。

そんな中、試合で負けて翌日の練習を無断欠席した次の日、井上康生監督は責任を取って丸刈りにしてきたのです。これにはさすがの高藤選手も自分の軽はずみな行動を振り返り、その後自身も丸刈りになって反省の弁を述べていました。この井上監督の行動は、一時的に説教をしたり罰則で厳しい練習を課せるよりも彼の心に深く響いた事でしょう。柔の道を黙って態度で示した井上康生監督はさすがです。

◆まとめ

リオ五輪男子柔道のトップバッターは60㎏級の高藤選手です。野村忠宏選手のように軽々と外国の選手達を一本で決め続けて金メダルを取り、日本柔道にメダルラッシュを起こすきっかけを作ってほしいものです。井上康生監督に恩返しする意味でも「日本柔道ここにあり!」を世界中に示す意味でも、是非とも金メダルを取ってもらいましょう!!

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