いじめる相手の懐に入る勇気-いじめを自力で食い止めた小5女子の視点

秋は修学旅行のシーズンですね。我が家も近々次女の自然教室と長女の修学旅行の予定が続いているので、すかさず興味のあるセミナー申込みやら友達との会食やらを計画している効率重視&自分志向の私です(笑)

さて今日は、私の友人のお子さんが小学校5年の転校時にいじめを受けそれを自力で克服したお話をご紹介します。

小5女子がクラスメイトに取った行動

まずは友人のブログからの抜粋をお読み下さい。

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お父さんの中国赴任が終わり日本に帰国して公立小学校に転入した小学校5年生の女の子がいました。転入2日目。顔も性格もまだお互いわからない。
隣のクラスの男の子が訊いてきました。
「お前、どこから来たの?」
「中国だよ。」
すると・・・・

「げえーーーー!汚ねえ!寄るな!」
鳥インフルエンザ菌が感染る!」
「PM2.5で汚されるーーーー!」
女の子は怒りました。
「中国のことを知らないくせに、適当なことを言うな!
実際に経験のない人たちがそんなことばっか言うんだよ!」
主張ができるだけに言葉も過ぎたようです。

結果、転入早々から友達が出来ず一人ぼっちの日々が始まりました。

登校しても口を聞いてくれる友達がいません。
それどころか、男子からは攻撃、女子からは陰口で学校では味方のいない針のムシロの毎日。同じ学校に転入した弟にまで、その余波は及びました。

両親は、先生に相談することと合わせて
「行きたくなければ行かなくていいよ。
あなたの目標に向かって日々の時間を全部使っていいからね。」
と女の子に伝えました。けれど、女の子は絶対に登校をやめませんでした。

女の子「負けたくないの。勝ちたいの。
両親「誰に?
女の子「自分に。

担任の先生もクラス全体に対し
「このクラスにはイジメがあります!!!」と本気の指導が始まりました。

合わせて、女の子はある行動に出ました。

クラスメイトの良いところを、毎日帰りの会で名指しで発表し続けたのです。

ひとりぼっちの運動会も、遊ぶ友達のいない放課後も、誰も誘ってくれない班活動も、
男子が絡んで攻撃してくる掃除の時間も、どんな時もどんな場面も引き受けて、毎日個人の良いところを相手を選ばず発表し続けたのです。

すると、理解してくれる友達が1人現れました。
女の子のために心を痛めて涙して担任やクラスに、「おかしい!」と訴えてくれる友達が。

彼女の発表は6年生に進級するまで欠かさず続きました。

変化は大きく表れないかのように見えました。

が、最高学年となった年。
彼女の立ち位置はガラリと変わりました。リーダーと呼べる役割を積極的に引き受け、クラスメイトがそれを認めるようになりました。

放課後は友達と出かけ、コイバナにも花を咲かせ、将来の夢を描きなおしたり、夢へのチャレンジに仲間を誘って挑んだり。

そんな今年、女の子は運動会で紅組の応援団長を務めます。

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逆転の発想

まずは彼女の心の強さに敬意を表すと共に「1人でこの行動を取り続けて本当に偉かったね!」と今すぐ声をかけてあげたくなりました。

そして「学校に行かなくてもいい」という選択肢も与えてくれたお母さん、それに対し「自分に負けたくないから行く!」と頑張った彼女。2人の関係性もステキです!!

彼女がこの行動を取り続けられたのも、家で待つお母さんが自分の味方としていつでも見守っていてくれるという安心感があったからこそ頑張って来られたのだと思われます。

子どもの頃誰しも経験した事のある仲間外れやいじめ。私も小学生時代仲間外れにされ1人悩んだ事もありました。その時の私は「同じように別の仲間を作ったら意地悪な子達と同類になっちゃうから1人で耐えよう」と思い、平気なフリをして誰にも相談しなかったため、結構長い間続いた覚えがあります。

あの時この女の子が取った『相手の良いところを褒める』なんて逆転の発想は頭の堅い私には思いつきもしませんでした。

褒められると『脳が喜ぶ』

脳神経科学誌「ニューロン」の掲載記事によると、人は褒められるとお金をもらった時に反応するのと同じ脳内箇所(線条体)が反応するそうです。つまり、脳内では褒められる事で金銭報酬と同じ位の喜びを感じ取っていると言うのです。(下記はこの実験のMRI画像です)

 f:id:makomako12i-color:20151020190541j:plain

http://www.nips.ac.jp/contents/release/entry/2008/04/post-36.html

そんな喜びの感情を与えてくれた友達を、人はいじめ続ける事なんて出来ないのでしょう。とは言え、1対多のアウェイな環境で、クラスメイトの皆が本当の彼女を理解しようとするまで『友達の良いところの発表』をし続けた彼女。その底力には感動します。

まとめ

自分の子どもがいじめにあったら、親は相手がその行動をしないように対処しがちです。すると「親に言いつけたでしょ?」と言われて更にいじめが悪化するケースも多々見られます。また、人は自分の行動を一方的に責められると、それに対抗しようと言い訳を並べ始めます。これでは一向にいじめの改善には至らないのです。

いじめっ子にもそれをする理由が何かあるはず」と考えて相手の気持ちを感じ取る努力をする事、またいじめっ子を真っ向から嫌うのではなく「いじめっ子にも良い所はあるはず」と考え、相手の良いところを見つけてこちらから相手の懐に入る事。

そんな視点が必要なのだと小5の女の子の行動から教えられました。我が子にもこの話を伝えて親子で話し合ってみようと思います。

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