福岡ソフトバンクホークスのパ・リーグ優勝に続き、東京ヤクルトスワローズがセ・リーグ優勝を決めました。ソフトバンクの工藤公康監督に比べてしまうとやや注目度の低かった真中満監督。チームを14年ぶりのリーグ優勝に導いた彼の指導法とi-colorについて調べてみたところ、同じi-colorの名監督もみつかりましたのでそれも合わせてまとめてみました。
真中監督は2つの志向を合わせ持ったタイプ
真中満監督は、i-colorターコイズとi-colorピンクの2カラーを持っています。2つのカラーの共通点は、明るい未来が想像できれば多少のリスクは気にせずチャレンジしていける『希望優先思考』である事。また、状況に合わせて新しい手法を編み出すアイデア出しが得意な事です。
自由と自主性を重んじたi-colorターコイズ指導法
高校野球の監督を調べたところ、U-18日本代表監督にも任命された大阪桐蔭高校の西谷浩一監督、花巻東高校の佐々木洋監督、どちらもi-colorrターコイズだったのです。i-colorターコイズは、勘とセンスに優れた展開志向の中でも特に束縛や規律を嫌い、状況に合わせてその場その場で最善の方法を考えながら自由に行動する事を望むタイプです。
西谷浩一監督は大阪桐蔭高校の球児に対し個別練習前にまず実践試合をさせています。各自が実践試合の中でみつけた自分の課題を意識して、その後の個別バッティング練習に入らせているのです。監督のやり方を教え込むのではなく自分で気づかせる指導法です。
また、佐々木洋監督はビジネス手法である『9マス×9マスの目標設定用紙』を指導に活用し、球児1人ひとりにこの目標設定用紙を書かせ、具体的な目標を常に意識させています。現在日本ハムファイターズで活躍中の大谷翔平選手も高校時代この用紙に具体的目標を明記し、プロ野球選手になってからもこの時書いた目標を達成していっています。西谷監督同様、球児に自由に目標と達成するための対策法を考えさせています。
(画像元:http://www.asahi.com/koshien/articles/photo/AS20150812001383.html)
そして同じくi-colorターコイズのヤクルト真中監督も、練習方法や目標設定法など基本的には個々人に自由に決めさせていたと言います。また、真夏の屋外球場で試合の日は打撃練習を希望制にしたり、移動後の試合では練習時間を短くしたりと、選手の身体を考慮した新しいやり方も導入したのです。
「昔だったら「休日は必ず練習しろ!」と言われていた。でも彼らも人間。休んで体調を整えた方が絶対にいい。若手はとりあえず毎日練習しろという古い考えは変えたかった」とコメントしていました。またこうも話しています。
「監督の顔色をうかがいながらやるようなチームにだけはしたくなかった。だから『自主性』をテーマに掲げた。そしてミーティングでも皆ガンガン意見を言うようになり、若い選手も自分達で考えられるようになっていった。彼らが今後指導者になった時には「自分達にはこういう成功例があるんだよ」と伝えていってほしい」
若手選手が指導者になる未来まで見通しているところに、まさにターコイズ(=展開志向)らしい展望の壮大さを感じます。
人を育てる能力に長けたi-colorピンク
一方、i-colorピンクには、なでしこの佐々木監督やテニスの松岡修造さんがいます。自分の評価は二の次で選手のために全力を尽くせる人志向タイプです。
真中監督は現役引退後に2軍打撃コーチに就任。その後2軍監督を任され3割を超えるバッターを何人も育て上げ、イースタンリーグで優勝にまで導いています。
今シーズントリプル3(打率3割・30本塁打・30盗塁)の大活躍を見せた山田哲人選手も真中監督が2軍時代から育て上げた若手選手の1人です。
(画像元:http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/baseball/2014/10/17/22193/)
自分が誠心誠意尽くし育成した選手が脚光を浴びる姿は、i-colorピンクにとって自分事のように嬉しい瞬間でしょう。優勝後のコメントでも
「監督として優勝したい思いもあったが、若い頃から見てきた選手達にいい思いをさせてあげたかった。こんなに優勝は面白いんだ、いいものなんだと伝えたかった」と語っています。どこまでも選手思いの監督です。
まとめ
若手選手ストレスや縛りを取り去り、1人ひとりの自主性を重んじた『のびのび野球』を実践した真中監督。その成果が今シーズンのセ・リーグ優勝をもたらしたと言っても過言ではないでしょう。
西谷浩一監督や佐々木洋監督にも共通する、やり方を選手自身に考えさせる、そして束縛や威圧感の少ない指導法は、根性論が通用しなくなっている現代の若者に適した指導法なのではと感じずにはいられません。