i-color統計心理分析に基づき、選手1人ひとりのモチベーションの上げ方や目標達成プランのアドバイスを行っています、アスリート分析アドバイザーの河野真杞です。
先週、日本女子ソフトボール界を牽引されてこられた、元日本代表監督である宇津木妙子さんのセミナーに参加させていただく機会を得ました。
オリンピックや世界大会で日本代表を応援するのが大好きな私にとって、オリンピックでの女子ソフトボールの感動的な試合は今でも心に深く刻まれています。
セミナーに参加する前から、あの宇津木さんにお会いできる事にワクワクしていました♪
セミナーでは時効(?)という事もあり、かなりオフレコの実話も含め、苦労されたお話を数々お聞かせいただけました。
オフレコ話はさすがに文章にはできませんが、監督の熱い想いや信念を中心にまとめてみます。
◆母親に褒めてほしかった
宇津木さんは5人兄弟の末っ子。末っ子というと甘えん坊のイメージが強いですが、それに反して宇津木さんのお母さんは「あんたは恥ずかしい」と言って妙子さんに厳しかったようです。
☆母親に褒めてほしい!
☆スポーツで勝って母親に認めてほしい!
という強い想いが、宇津木さんのパワーの根源にあるそうです。
親子関係のご相談に乗る事が多い私ですが、やはり
『幼少期の母親の対応』は良くも悪くも子どもの心に深く刺さり、大人になるまで大きく影響する
ことを、今回のセミナーでも強く思い知らされました。
◆常に持ち続けた反骨精神
足が速かった長所を生かそうと中学からソフトボールを始めた宇津木さん。
それでもグンを抜く選手ではなかったため、ベンチで悔しい思いをしていたといいます。
そして「おまえはピッチャーの付録だ」とまで言われて付属品扱いされたり、学生時代にいじめも経験し、常にコンプレックスの塊だったそうです。
それでも
「2番手、3番手の選手だったからこそ「レギュラーになりたい!」という強い思いを持って頑張ってこられた」
と言います。
そしてソフトボールで初めての女性監督になった時も、女性というだけで鼻から認めてもらえず、見下したような周りの男性陣の対応は本当に耐えがたいものだったそうですが、今思えば
「この辛い経験があったからこそ、ここまで頑張ってこられた」
と話しておられました。
宇津木さんのi-colorは【独立タイプ】のゴールド。辛い時も1人で頑張ろうとするタイプです。
先日引退を発表した浅田真央さんも同じくゴールドです。
「努力は裏切らない=結果が出ていないなら努力が足りていない証拠」
「誰にも負けないほどきつい練習を積み上げることで、試合本番での不安を消せる」
と言う宇津木さん。
「真央ちゃんを見て、あれほど練習しないといけないんだと学んだ」
と、真央ちゃんの練習量の多さを語る後輩のフィギュア選手たち。そして
「常に高い目標を設定してそれを成し遂げてきました」
という浅田真央さん。
必ず結果に繋げてみせる!!と自身を追い込む強い精神力を持ったお2人に、近しいものを感じました。
◆選手の話をとことん聞く
チームの監督に就任してからは、シンクロナイズドスイミング日本代表の井村雅代監督と比べられる程厳しい練習を課してきた宇津木さん。
「グラウンドの中では真剣勝負。常に緊張感を持たせ、立てなくなるまで練習させましたが、練習が終わった後は選手の声を聴くことを重視してきた」
そうです。
選手にはノートに今思っている事をすべて書くように指示。選手達は仕事での悩みから、先輩のこと、プライベートの話まで何でも書いていたそうです。
また、鬼のように厳しい練習の後は、宇津木監督が一番にお風呂に入って選手が来るのを待ち、お風呂場トークのコミュニケーションを通して選手と心を通わせていたのです。
選手が悩んでいる時は胸の内をとことん聴き、時には監督の想いも伝え、2時間半近く入っていたこともあると言いますから、本当に密なコミュニケーションを取っていたのでしょう。
特に団体競技の女子チームは、チーム内でも気の合うグループがいくつかできると言いますから、グループ同士のぶつかりや気持ちのすれ違いを起こさないためにも、監督が選手同士の関係性まで知っておく必要があるのでしょう。
下記の写真は五輪授賞式での一コマ。背の高い選手達が、小柄な宇津木監督が届かないくらい高い位置でハイタッチを求め、監督がジャンプしているシーンです(笑)。厳しいながらも心通わせた監督と選手の関係性が垣間見えるステキな写真です。
◆覚悟・責任・決断
宇津木さんが監督時代に常に腹にくくっていた事が
「覚悟」「責任」「決断」
この3つだと言います。
五輪行きの選手を決める時、大事な場面での選手起用、自分の采配ミスによる敗戦。全てこの3つを持っていなければ務め上げられない仕事なのです。
また
☆選手1人ひとりの長所を徹底的に伸ばすこと
☆ベンチの選手をいかに引き上げるか
も常に意識されていたそうです。
これもご本人の経験を生かされた指針のようですね。
そして、未だモチベーション高くアグレッシブでいられる理由を聞かれると
「私は監督としては2位までしか出来ていない。だからまだ頑張れるんです!!」
と目を輝かせていらっしゃいました。
最後に一緒に記念撮影にも快く応じてくださった宇津木さん。
ソフトボールがより多くの国々に広がり五輪競技として根づくまで、是非とも宇津木さんのパワーを全力でぶつけてくださいね!!