【平昌五輪5】フィギュア海外選手で大舞台に強いのは?

  • 平昌五輪に向けて、出場選手をi-color(統計心理分析データに基づいた志向タイプ)で考察する第5弾は『フィギュアスケートの海外主力選手』です。
前々回の『フィギュア日本代表選手のi-color分析』はこちら
http://makokouno.main.jp/wp/2708/

◆若手選手の台頭

下記 i-color図(男女別)に掲載した選手は、今シーズンの成績上位選手です。名前の背景が黄色い選手はシーズンベストトップ3の選手。世代交代の国もあり、伸び盛りの若手選手の選出が目立ちます。

i-colorでは、生まれ持った志向傾向(本質カラー)と、他人に見せる志向傾向(外面カラー)の2つの面をメインに考えています。
この図のi-color表記方法は、まず選手が生まれ持った本質タイプを3分類(共感・独立・直感)しています。(3つの丸内の点線は後半で説明します)

個々の選手のi-colorは、本質タイプは〇の色、外面タイプは〇の中の形(♡=共感・↗=独立・★=直感)と色で表示しました。
◆個人競技向きの独立タイプ
まず図の通り、男女共に独立タイプの選手が最も多いのがわかります。特に日本代表選手は5名全員が独立タイプです。
独立タイプの特徴は
何事も1人で成し遂げたい
自分ならではの工夫やオリジナリティを生かしたい
練習を継続して一歩一歩成長していく努力家
明確な目標に対する達成意欲が強い
などが挙げられます。つまり、個人競技で五輪のメダル獲得を目指すのは、独立タイプのモチベーションにピッタリはまるため、独立タイプの選手が多くなるのも当然でしょう。
そして、コツコツ努力を続けて技術力を高め、好成績を残した選手が代表を勝ち取ったとも言えます。
N.チェン選手(アメリカ)金博洋選手(中国)が、精度の高い4回転ジャンプを何種類も成功させているのも、まさに日々繰り返し練習を続けてきた中で会得した努力の賜物なのでしょう。もちろん、人一倍練習を積んできた日本代表選手5名にも同じことが言えます。
独立タイプの男子選手の中で、N.チェン選手だけは、慎重で緊張しやすい共感タイプのイエロー面を持っているため、本番に緊張感を払拭して実力を出し切れるか気になるところです。

◆大舞台に強い直感タイプ
しかし、海外選手だけを見てみると直感タイプが多いのも興味深い点です。直感タイプの特徴は
センスと直感力に優れている
気分の乗った時に集中して練習したい
多くの人達から称賛されるのが好き
大舞台で最大限の力を発揮する集中力の持ち主
などです。つまり、独立タイプの選手ほど日々これでもかという程の追い込んだ練習法は取らないものの、代表決定戦のような大事な試合で本気スイッチがキッチリ入れば、ベストな演技を見せて代表を掴み取るタイプなのです。特に、直感タイプで今シーズンの成績もトップクラスの、E.メドべネワ選手(ロシア)K.オズモンド選手(カナダ)は、技術面・メンタル面共に安定した、メダルに最も近い選手と言えるでしょう。
一方、男子の直感タイプの選手は、独立タイプの選手にジャンプの技術面でやや差をつけられている感があります。
しかし、大舞台向きなのが直感タイプです。五輪経験者であり、平昌五輪直前の大会で今シーズン自己ベストを更新したH.フェルナンデス選手(スペイン)。4回転先駆者の彼が4回転を完璧に決め、得意の演技力で会場の空気を掴めば、メダル獲得の可能性もあり得るでしょう。

◆団体戦に強い共感タイプ
図の中で最も選手数が少ないのは共感タイプです。共感タイプの特徴は
感受性豊かで 繊細な心の持ち主
1人より仲間と協力した方が力を発揮しやすい
モチベーションの源は自分のためより周りへの感謝
ですから、スポーツでは団体戦のある個人競技やチーム競技の選手に多い傾向があります。フィギュアスケートの場合、広いスケートリンクの中央に1人で立ち、会場中の注目を浴びて演技を披露するため、共感タイプ選手にはかなりのストレスがかかるでしょう。
もちろん、技術的に能力が優れているからこそ代表選手に選ばれている訳ですが、世界中が注目する五輪のリンクは特別な空気感を持った舞台です。共感タイプ選手が冷静に実力を発揮するには、コーチやメンタルトレ―ナーの多大なサポートが必要でしょう。
今シーズン急成長中の A.ザキトワ選手(ロシア)は、最年少の15才でありながら、現在トップの好成績を収めています。若さの勢いでどこまで緊張感を払拭し、実力通り得意の正確なジャンプを披露できるかどうかが注目ポイントです。

また、フィギュアスケートでは、ソチ五輪から団体戦(国別対抗戦)が行われるようになりました。共感タイプは個人戦より団体戦で実力を発揮しやすいので、五輪初日から始まる団体戦での共感タイプ選手の演技にも注目です。

◆楽観派と慎重派

さらにi-colorでは、未来に対する考え方の傾向性を2つのタイプに分けています。3つの志向タイプの丸枠内を点線で上下に区切っていますが、上が「なんとかなるさの楽観派」、下が「リスク管理しながら進む慎重派」です。五輪のような大舞台では、上半分の選手の方が、守りに入らず思い切りの良い演技を披露してくれそうです。

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フィギュアスケート(フリー)では、1回ジャンプミスがあれば、その後のジャンプ構成を自分で調整しながら滑らなければいけません。メンタルの強さや臨機応変さが試されるフィギュアスケート。技術力にi-colorのメンタル傾向もプラスして、この図を見ながら団体・ショート・フリーのそれぞれの試合観戦を楽しんでいただければ嬉しいです!

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