子どもが身近な人の死を経験すること

私事のご報告になりますが、先日母が他界致しました。晩年は自分で話すことも口から食べることもできなかったため、見舞いの際はこちらから話しかける事しかできず無力さを感じるせつない時間でした。
特に私の次女は祖母のことが大好きでしたので、たとえ話ができなくても、足繁く祖母に会いに行き話しかけてくれていました。


◆祖母と次女の関係

他界した祖母(私の母)は根っからの優しい女性でしたので、次女の話は何でも聴いてくれ、いつも笑顔で接してくれていました。
統計心理分析でみてみると、祖母と次女は同じ共感タイプ心許せる家族といつも寄り添っていたい気持ちが強い2人ですので、再会するたびに必ず両手を握り合ったまま話をしていました。そのあとは、祖母が次女の肩に手を添えたり、頭や背中をさすったり・・と常にどこか触れ合っていたのです。
この2人を見て、私は自分の幼少期を思い出しました、母はいつでも私の隣にくっついて必ずどこかを触れ合わせていましたが、私はそれをスルッとかわして離れていた、あの頃の記憶が蘇ってきたのです。
寄り添う嬉しさより1人で行動できる自分を褒めてほしい気持ちが強かった私は独立タイプです。優しい共感タイプの母親に育てられても、素質的に持っていた強い独立心が消えることはありませんでした。
甘えてこない一人娘の私の態度は、母にとっては物足りず寂しかったことでしょう。その思いを埋めてくれたのが母と似たタイプの次女だったのです。私の代わりに母親孝行してくれた次女には感謝しなければなりません。

◆子どもが死と向き合って学んだこと
仲良しだった祖母の死を目の当たりにした次女。駆けつけた時は、長い間そばを離れずに泣き続けていました。その後も私以上に落ち込み元気のない様子を見せていましたが、ある事をきっかけに元気が戻ってきました。それは、納骨までの間、祖母の遺骨を自分の家で預かれると決まった時です。彼女はすぐに私のところに来て
「おばあちゃんを私の部屋に連れて行っていいでしょ?お願い!!」
と懇願してきたのです。OKを出すと喜んで自分の部屋を片付け、祖母の遺骨を置く場所を綺麗に整えてくれました。それ以来、次女は毎日お線香をあげて、祖母の遺骨に話しかけているようです。
「何だかおばあちゃんと一緒に暮らしている気持ちになれて嬉しい」
と言ってくれています。死の辛さ・悲しさを経験しつつも、心の中で共に生きようと自ら考えてくれた次女に大きな成長を感じました。
◆子どもが身近な人の死を経験する大切さ

昨年105歳で人生を終えられた聖路加国際病院の名誉院長 日野原重明先生が書かれた子ども向けの絵本があります。

だいすきなおばあちゃん(日野原重明 文)

だいすきなおばあちゃん

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日野原重明
朝日新聞出版 (2014-03-20)
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「人間はいつか死にます。子ども達がその世話に参加しその瞬間に立ち会うことで、人が死んでいくなりゆきをよく理解してほしい。そして教えてもらったたくさんのことに感謝し、心からありがとうと伝えてほしい」

という先生の思いがつまっています。

自宅で祖父母を見看る経験が少なくなった子ども達が「身近な人の死」について考えさせられる良書です。お子さんと一緒に読み、お互いの思いを語り合う機会を作ってみてはいかがでしょうか。

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