【W杯サッカー】日本代表から学ぶ個性の活かし方

4年に1度のサッカーワールドカップ。日本代表選手の戦いぶりは、当初の予想を覆し世界中の人々を驚かせる数々の好プレーを見せてくれました。日本代表選手がここまで実力を発揮できた要因を、i-colorタイプ(統計心理分析による3分類)で考えてみました。

◆日本代表選手のメンタルタイプ構成

W杯最終戦となったベルギー戦に出場した選手を3タイプに分類すると下図のように分かれます。

ではひとつずつ見ていきましょう。

 

◆独立タイプ選手の活かし方

個々の力を出し切って結果を残したいと考える独立タイプ。前回のブログでもまとめた通り、彼らの発言からは「自分」「個の力」「結果」というワードが多く聞かれます。

前回のブログ:http://makokouno.main.jp/wp/3114/ |【サッカー日本代表】コメントに垣間見える選手のメンタルタイプ

サッカーでこの志向を活かすならば、やはり自ら得点を取りに行く前線部隊が適任でしょう。今大会では、まさにそのポジションに4人の独立タイプ選手が出場していました。そして、なんと4人全員がW杯で得点をあげる快挙を成し遂げてくれたのです。

独立タイプは

★自分の考えで動くことを任された時

★彼ら独自の考え方に賛同してくれるメンバーと共に動けた時

にその特性が最も活かされます。

今大会では、本田圭佑選手香川真司選手というベテラン勢に、香川選手と大阪で長年共にプレーしてきた乾貴士選手が加わりました。この強固なメンタルを持った「独立タイプライン」が揃った事で、彼らも最大限の力を出しやすかったのではないでしょうか。

ベルギー敗戦後、本田選手はこう語っています。

「誰になんと言われようと『優勝』と言い続けるヤツが次の代表を引っ張っていくんだろうなって思いますし、僕はそれにふさわしいヤツを今回のワールドカップで何人か見つけているんで、頑張ってほしいですね」

これはきっと、前線で共に戦った独立タイプ選手(乾選手・原口選手)に向けたメッセージだと感じました。

 

◆共感タイプの活かし方

共感タイプは独立タイプと違い、チームワークや仲間意識を最も大切にし、影の功労者として活躍することを望むタイプです。発言を聞いていても「スタッフやサポーターと共に戦う」「チームを助けたい」「気持ちをひとつに」というワードが繰り返し聞かれました。

柴崎岳選手が以前インタビューで

「速い走り出しをするのは自分がシュートを決めるためではない。ゴールやアシストを決めなくても、何かひとつでもチームが勝つためのプレーをしたい」

と話していたのが印象的でした。そして今回のW杯でも、何度となく最高のラインにボールを出してゴールに繋げ、海外からもそのプレーに称賛の声が上がっていました。

他にも、酒井宏樹選手が自分のポジションで献身的にボールを奪い相手選手に仕事をさせない好プレーや、前半戦のキャッチミスでメディアから叩かれていたGK川島永嗣選手に対し、ポーランド戦・ベルギー戦でのファインプレー後にこまめに声をかける長友佑都選手の姿にも、仲間想いの共感タイプらしさが垣間見えました。

このように見ていてもわかる通り、共感タイプのメンタル志向をサッカーで活かすには、目立ったプレーの多いFDやCBをサポートするMFSB、そしてチームの守護神GKが適任と言えるでしょう。

 

◆直感タイプの活かし方

3つめの直感タイプは、まさにその名の通り、直感力を活かして瞬発的動きに反応できる感覚派です。他のスポーツで見てみると、バドミントンや卓球で世界的プレイヤーになった選手の大半は直感タイプでした。コーチ曰く「相手がボール(シャトル)を打つ前に、どこに来るかを予測して動ける選手」だと言います。

また、多くの人に注目され称賛されるのがやる気に直結するタイプでもあるため、大事な場面で起用される交代要員にも適しています。「ここでファインプレーをしてMVPを獲ってやる!」というスイッチが入れば、驚くほどの集中力を発揮できる可能性を高く持っているのです。

もうひとつの特徴は、物事を俯瞰して見るのが得意な点です。日本の名MFとして長年日本代表を務めていた遠藤保仁選手が

「サッカーをしている時は、常に試合を上から見ている状態で全選手の動きを把握していますよ」

と言い切っていたのには驚きました。

長年キャプテンを務めてきた長谷部誠選手は、直感タイプと共感タイプの両面を持ち合わせた選手です。交代の多かった日本代表監督と選手の間に立ってチームをまとめ上げたのは、リーダーシップを取れる直感タイプと、個々の気持ちを汲み取りながら調整できる共感タイプの能力を全面に発揮した結果ではないでしょうか。

上記をふまえると、直感タイプが適しているのは、俯瞰能力を活かすならばMF、目立ったプレーで注目を集めるならばFD・CBが適していると言えます。

今回の日本代表でFDとして試合出場した直感タイプ選手はいませんでしたが、今後の活躍が期待されている若手の直感タイプ選手に、遠藤航選手・中島翔哉選手・浅野拓磨選手がいます。感覚の鋭さと俯瞰能力を活かし、スペースを見つけてゴールまで走り切るプレーを見せ、日本を代表するストライカー(または名MF)のポジションを確立してほしいものです。

*****************************

以上、今回のW杯日本代表選手を統計心理タイプで分析した結論は、

過去最高に適材適所で選手の能力が活かされたメンバー構成だった

と言うことです。

最後に、短期間でこのメンバー構成で戦うことを決断した西野監督は『共感タイプ』の中でも分析力と調整力に最も秀でたi-colorバイオレットです。日本選手の力を集結して個々の実力を可能な限り発揮させるべく
★様々なデータと周りのスタッフ陣の意見も取り入れながらチーム構築した分析力
★控えめながら個性の強い選手陣が気持ちよくプレーできるようにまとめ上げた調整力
★相手チームの過去データから最高の戦略を編み出し、有力選手の実力を封じ込めたデータ分析対応力
全てに心から敬意を表します。

西野監督と各選手がどんな話し合いを重ね、どんなコミュニケーションを取りながら戦っていたのか、今後のインタビューから情報を集めて、またブログにアップしたいと思います♪

 

『チームワークの向上』『本番に強い選手育成』にご興味のある方へ

指導者や親御さんに向けて
★子どもの根本的な志向タイプについて
★子どもの特性を伸ばす関わり方
★モチベーション・自己肯定感の上げ方をテーマにしたセミナー

スポーツチームの「チームアドバイザー」として
★個々の選手に適したアプローチ法の具体的アドバイス
★選手向け研修の企画・実施
等を行っています。

ご興味のある方は、下記よりお気軽にご相談くださいませ。

ご質問・お問い合わせ