あなたのコミュニケーション方法は大丈夫?

今年に入り、スポーツ界では指導者やトップの問題が後を絶たない状態です。
それぞれの問題での人対人の関係性を見ていると、(一部根本的に考え方が間違っている方も見受けられますが)全てに共通するのは『コミュニケーションロス』だと感じます。『コミュニケーションロス』とは、意思疎通がしっかり図れていないために起きる損失のこと。

同じ言葉を投げかけても、その言葉がしっくり腹落ちして受け止められる人、グサッと胸にささり不信感を持つ人、言葉の真意が理解できない人など、その受け止め方は三者三様です。こんなケースが起こり得ることを認識しておかないと、相手に本当に伝えたい気持ちは届きにくく、様々な問題が勃発してしまうのでしょう。

私が分析アドバイスする際に基にしている統計心理分析のタイプ分類でみても、それぞれのタイプごとにコミュニケーション上気をつけるべきポイントは大きく違います。自分自身がコミュニケーションロスを起こさないためにも、他人のフリ見て我がフリ直せ精神で、「私のコミュニケーション方法に問題はないかな?」と振り返ってみましょう。

◆タイプ1:思った事をストレートに発言しがちな人

このタイプの人は、良く言えば『裏表のない正直な人』『芯の通ったぶれない人』ですが、ひとつ間違えると『相手への気遣いのできない人』『自分勝手でワンマンな人』と捉えられる傾向があります。このタイプは、地位が高くなっていき『自分の考えが最も正しい』と思い込み始めると、徐々に他人の助言に耳を貸さなくなる傾向が出てきます。スポーツ界で問題になっている方々はこのパターンのように見受けられます。
このタイプが最も注意すべき点は

『思いの全てをそのまま言葉にして伝えるのが最善策ではない』こと、
そして『全ての人があなたのように打たれ強くない』と自覚しておくことでしょう。

このタイプは、厳しい環境を強いられてもきつい言動をされても「結果で見返してやる!」とど根性精神で前進していく芯の強さを持っています。そのため、人に対しても「厳しい声かけをした方がより成長できる」と考えているケースもあるでしょう。子を谷に落とす獅子のような対応とも言えるでしょう(^^;)

このタイプの人は、まず、全ての人があなたのような強い精神力の持ち主ではない事を受け止めて、思ったことを言葉で発する前に一呼吸入れること。そしてソフトな言い回しができるように普段から意識しておく必要があるでしょう。

さらにもうひとつ大切なのは笑顔で話をするように心がけることです(^^) 何事にも一生懸命になりがちなこのタイプの人は、眉間にしわが寄った表情になりがちです。職場で鏡を見た際に、自分の表情が強面になっていないかチェックしてみてください。(実は私もこのタイプ。真面目にパソコン入力している最中に「今日なんかご機嫌悪い?」と聞かれた事は一度ではありません(^-^;))

◆タイプ2:相手の言葉に敏感な人

タイプ2はタイプ1と真逆に近い価値観を持った人です。チームの輪を第一に考え、自分のことより信頼した仲間のためを思って尽力してくれる傾向があります。個性的な人が集まったグループでも、さほど大きな衝突なくチームワークが保たれているのは、このタイプの人達のおかげもあるでしょう。

彼らは相手の表情をひじょうによく観察していますし、その表情や言葉にとても敏感です。このタイプの人がコミュニケーション上意識すべき点は、話し方よりも相手の言葉をかわしながら聞く力をつけることでしょう。

例えば、あなたが仕事でミスをしてしまったケース。上司が前述タイプの人の場合、厳しい言葉で現状を突きつけつつ、今後の対応策を具体的にアドバイスしてくれるでしょう。上司としては、二度と同じミスを繰り返さないために、嫌われるのを覚悟で厳しい指摘をしてくれているのです。
しかしあなたは、真正面からスタンガンで撃たれたかのようなダメージを受けてしまうでしょう。相手はあなたがより良くなることを期待して発言したのに、伝え方の乱暴さだけが心に引っかかり、これを機に上司と距離を置いてしまうかもしれません。

そして、アドバイスを聞き入れず仕事を改善しないままでいると、上司は真意が伝わっていないのかと思い、更に言葉を変えて指摘して来るかもしれません。しかし、上司はあなたを毛嫌いし傷つけようと思って発言している訳ではありません。本当に嫌いであれば指摘もアドバイスもしないものです。
相手の表情や言葉に敏感な人は、人と話をする前に「あの人はいつもストレートな物言いをするから、軽くかわす位のつもりで聞いていよう」と心の準備をしてから聞いてみてください。事前にこう認識しておくと、同じ言葉かけをされても以前ほどの衝撃は受けずに済むでしょう。そしてサッと言葉をかわしながら「ご指摘ありがとうございます!」と感謝の言葉が返せる位になれたらステキですね!

◆タイプ3:言葉で細かく説明するのが苦手な人

このタイプの人は、言葉よりその場の空気感や相手の雰囲気から状況を読み取って判断する感覚的な人です。そのため、相手の説明(言葉数)が少なくても伝えようとしている主旨をほぼ理解してくれます。
また、常に頭の中で考えを巡らせているため、何か閃くとアイデアがどんどん展開していく傾向もあります。
こんな特性を持っている彼らですが、いざ説明する側になると、順序立ててわかりやすい言葉に落として説明するのは得意でないようです。話す相手が、タイプ1(普段から相手の表情や空気感をあまり読まない人)の場合、タイプ3の人の言葉少なめの説明と、様々な方向に展開し拡がっていく内容にはついていけず、理解できないという残念な結果に陥ってしまいがちなのです。

面倒だとは思いますが、タイプ3の人は相手に合わせてできるだけかみ砕いた言葉に落として説明することを意識して話すと、どんな相手にも伝わりやすくなるでしょう。

◆「なんでそう取るの?」と言わないために

言葉の受け取り方の違いによりコミュニケーションロスが起こった際、よく聞かれるのが

「なんでそう取るの?」「そんなつもりで言ってないよ~!」

というセリフです。たとえ本人がそんなつもりで言っていなくても、相手が理解できていない時点で、残念ながらそのコミュニケーションは成立していません。やはり言葉を発した側に責任があるのです。

皆さんは人とのコミュニケーションでどんな失敗談がありますか?その経験から学んだ点を日々意識しておくことが、コミュニケーションロスを起こさないために最も重要だと感じます。

私も眉間にしわを寄せず、よりソフトな言い回しでコミュニケーションが取れるように、日々精進してまいります!(と自戒の念を込めて宣言してみました)

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