世界柔道で日本勢のメダルラッシュが続いていますね!
柔道日本代表選手を始め、活躍するアスリートに顕著に表れている傾向がひとつあります。それは『兄弟構成(生まれ順)』です。兄弟姉妹が同じスポーツを行っている家庭も多い中、大会で優勝し日本代表にまで上り詰めるのは第二子以降が大半なのです。
リオ五輪の柔道日本代表選手(男女共)を見てみると、100kg超級の原沢久喜選手が一人っ子であるのを除き、それ以外の選手は全員第2子以降でした。今年の世界選手権でも大半の選手には兄か姉がいます。
阿部一二三選手と阿部詩選手の兄妹金メダル獲得が注目されていますが、実は2人にはもう1人お兄さんがいるそうです。つまり、阿部一二三選手も第1子ではないのです。
では、なぜ第2子以降の方が第1子より選手として活躍しやすいのでしょうか。その理由を考えてみました。
◆理由1: 競争意識の違い
弟や妹にとって兄や姉は、生まれた時から目の前にいるライバル的存在とも言えるでしょう。
そして、幼い頃から「お兄ちゃんお姉ちゃんのようになりたい!」と強く思い、その背中を日々追いかけています。公園でも、兄姉の後ろを必死で走っている弟妹の姿はよくみかける光景です。
家庭の中に自分より一歩秀でたライバルがいるのですから、精神面でも自然と強い負けん気と向上心が育まれていくのでしょう。
◆理由2: 兄姉を観察して学ぶ
よく「下の子は親に怒られる回数が少ない」と言われます。下の子は小さくて愛らしいため親がつい甘やかしがち、という理由もあるでしょう。
しかしそれ以上に、下の子は兄姉を日々観察していることの方が大きいように感じます。
下の子は
・兄姉が失敗して親から怒られる様子を見て、同じ事はするまいと日々学習しています
・兄姉の習い事に付き添わされ、自分が習う前の幼い時期から自然に見て学んでいます
・兄姉が試合で負けた後、先生や親からアドバイスを受けている様子も見ています
これらは、第1子には経験できないことばかりです。こうして下の子は、自然と要領良く効率的に新しいことを吸収して、能力をグングン伸ばしていくのでしょう。
◆理由3: 親の子育ても2度目
次に、親の立場を比べてみましょう。親同士の会話でよく聞かれるのは
「1人目の子育ては一生懸命だったけれど、初めてだったからやり直したい事も多々あるわ・・」
というセリフ。親も1人目の子育ては誰もが初心者なのです。
そして、2人目の子育ては親も2回目。1人目でやり過ぎたことを控えたり、1人目でやってあげられなかったことをしてあげたり・・。第1子には申し訳ないですが、2人目3人目の子育てでは、親自身も過去の失敗点や反省点を改善して子育てしているのです。
こうして下の子は、親に必要以上に手を出されることもなく、第1子以上に子どもの意見も聞き入れてもらいながら、自由度高く育てられ成長していくのです。これも大きな理由のひとつと言えるでしょう。
◆兄弟構成を活かして得意を伸ばす
こうして比較すると第1子は損をしているように感じるかもしれませんが、もちろん第1子ならではの良さもあります。
★責任感が強い
★仲間の面倒見がよい
★真面目で正義感が強い
★弱音を吐かずに頑張る
★親への感謝の思いが強い
など、第2子以降よりも秀でた特性も多々あります。
私は統計心理分析アドバイザーとして、個々が生まれ持った素質を活かすことを重視していますが、ここに『兄弟構成ごとに持っている特性』もプラスして考えていくと、スポーツでも仕事でも、個々人が適材適所で一層活躍できるのでは?と感じました。