ノーベル賞受賞会見で見える各教授の『こだわりポイント』

2018年のノーベル生理学・医学賞は、ガン治療薬「オプジーボ」を開発された京都大学の本庶 佑(ほんじょ たすく)教授が受賞されました。(画像出典:www.kyoto-np.co.jp)

日本人がノーベル賞を受賞すると、授賞者会見をすぐに聞きたくなる私です。優れた研究開発を成し遂げた教授陣が会見でまず何を話されるのか、そこには個々人が心に秘めている情熱や強い想いが表れやすいからです。

過去にノーベル賞を受賞された教授の会見と、その教授のi-colorについて、いくつか抜粋して比較してみました。あなたは、どの教授の考え方に共感しますか?

 

◆「化学は人の役に立たなければダメ」(2015年ノーベル生理学・医学賞受賞 大村智教授)

寄生虫が原因のオンコセルカ症による失明を防ぐ特効薬を開発し、多くの人々を失明の危機から救った大村智教授。教授のモットーは『化学は人の役に立たなければダメ』。これは、幼少期からお祖母様に『人の役に立つことをしなさい』と言われ続けて育った影響も大きいと言います。
大村教授のi-colorは人のためにパワーを発揮する共感タイプのバイオレット。バイオレットは、人類の平和を願い地球上全ての人々のために力を尽くしたい奉仕的精神を持っている傾向があります。ワクチンを届けた海外で、子ども達に囲まれて満面の笑みを浮かべている下記の写真が、教授の精神を物語っているのではないでしょうか。


お祖母様の言葉が心に響き、それが自らの志になったのも、大村教授が共感タイプの精神を持っていたからこそだと感じます。
更に、地元愛もひじょうに強く、日々の感謝の気持ちから、地元の方々向けの美術館や温泉施設を自費で設立して寄付されています。まさに、多くの人々のために尽くしたい思いを貫かれた行動をされているようです。

 

◆「私の原動力は怒りです」(2014年ノーベル物理学賞受賞 中村修二教授)


青色LEDの発明でノーベル物理学賞を受賞された中村教授のi-colorは、独立タイプのコーラルです。人一倍負けず嫌い、思った事はストレートに発言することが多く、何才になっても少年のような勝気さを持ったタイプです。

「私の原動力はアンガー(怒り)です」という会見コメントは、元勤務先で発明特許を独占した企業に対して、製造法特許権の帰属確認と対価支払いを求める裁判を起こした事を思い起こしての発言だったようです。裁判前に日本の友人から「そんな事をしたらノーベル賞はもらえないよ」と忠告されたにもかかわらず「怒り心頭していたから裁判をやりました」と、その時の想いを包み隠さずに発言。正義感も強く、自分が正しいと思えばすぐに行動に移すパワフルなタイプです。ノーベル賞を受賞した直後の喜び会見にもかかわらず、怒りの発言をしてしまうところに、まさにコーラルらしさを感じました。

また、i-colorコーラルは効率重視派でもあります。青色LEDの製品化実現に向けて法や制度の壁が幾つもある日本より、アメリカの方が最短で目標達成できると考え、迷わずに渡米されたのでしょう。周りは気にせず1人で突き進んで行く独立タイプの代表のような研究者のお一人です。

 

◆「沈黙は金」(2014年ノーベル物理学賞受賞 赤崎勇教授)

中村教授と共に、青色LEDの発明で受賞された赤崎勇教授のi-colorは、直感タイプのロイヤルブルー。ピンときたテーマに強い信念を持って立ち向かい、昼夜を問わず情熱を傾けるタイプです。

「昔から試験でも一番難しい問題から取り組む性分。実用化の見通しがない青色LEDこそ自分のやるべき仕事だと思った」

とコメントされていました。また、

「1981年窒素ガリウムの成果を国際学会で発表した時は全く反応がなく “我1人荒野を行く”心境でした。しかし私は例え1人になってもこの研究をやめようとは思いませんでした。」
と、研究に対する想いの強さも語られていました。i-colorロイヤルブルーのモチベーションは『パワー』。あえて困難な課題にも粛々と立ち向かう、その内に秘めた強さは、中村教授の表に出す強さとは大きく違うものを感じます。赤崎教授の出身地の鹿児島県では「沈黙は金、雄弁は銀」という考えを持つ人が多く、赤崎教授もそれが自然に身についたとのこと。ノーベル賞受賞時の会見でも、強く主張する様子は全く見られず穏やかに語る姿が、中村教授とは対照的でした。

 

◆『「元気になった。あなたのおかげだ」と言われる時が何より嬉しい』(2018年ノーベル生理学・医学賞受賞 本庶 佑教授)

そして、今年のノーベル生理学・医学賞を受賞された本庶 佑教授のi-colorを調べたところ、共感タイプのピンクでした。
学生時代、将来の進路を外交官か弁護士か医師のいずれかに絞った後「より多くの人を助けられるのは医師だろう」と考えその道を選んだとのこと。まさにお名前通り「人をたすける」道を選んだ本庶教授のi-colorは、大村智教授と同じく、人のために尽くしたい共感タイプです。会見の冒頭では、「共同研究者、学生、応援してくれた方々、家族、その他言い尽くせない多くの人へ感謝致しております」と関わった方々への感謝を述べた後に話されたのが上記コメントです。「ありがとう」の言葉がエネルギーの源になる共感タイプですから、オプジーボで助かり回復された方から直接感謝の言葉をかけられた時が、ノーベル賞受賞にも勝り、何にも替えがたい幸せな瞬間なのでしょう。そして、

「大切なのは、知りたいという好奇心と簡単に信じないこと」

とも話されていました。本質を重視し、何事にも「なぜ?」という疑問を持ってかかる深い探究心を持った共感タイプらしいコメントでした。

 

◆自分のドンズバポイントを知る

同じ研究をしていても、個々に持っている価値観やこだわりはこんなに大きく違います。まずは、自分の心が震えるほどの『喜びポイント』や『幸せポイント』は何なのかを自己分析することが大切でしょう。そして、自分の『ドンズバポイント』にはまった道を選択すれば、どんな困難にぶつかろうと諦めることなく継続していけるです。なぜなら、それは自分にしか味わえない喜びや幸せを含んだ道なのですから。

      あなたのドンズバポイントは何ですか?

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