中学高校は中間試験の時期になりました。電車の中でもテキストを開いて暗記している学生をよく見かけます。
あなたは学生時代、試験勉強は計画的に日々コツコツ進めたタイプでしたか、直前に一気に勉強したタイプでしたか?
これは、先日統計心理学仲間の間で盛り上がったテーマです。
◆計画的に全範囲をコツコツ勉強するタイプ
私はこちらのタイプでした。先生が試験範囲を発表すると同時に、大体何ページずつ勉強すれば試験日までに間に合うかを計算して目安を決め、日にちごとにto do項目を書き出した『勉強計画表』を作成して毎日チェックしながら進めていました。その計画表を作ること自体も楽しみのひとつだった記憶があります。
統計心理タイプでみてみると、コツコツ勉強するのは『独立タイプ』が多い傾向があります。独立タイプは結果重視派ですので、自分の頑張りが点数や順位として表れるのは好きなほうです。
さらに独立タイプは、目標というゴールがあるとより加速しやすいので、
「試験で〇位以内に入る!」
「〇〇点以上を取る!」
「ライバルより良い点数を取る!」
など、具体的に目標を立てるとより勉強に身が入ります。
しかし、いざ試験が終わってみると、あまり勉強していなかった友人が自分より良い点数を取っていることが時折あります。さらにその友人が
「ほとんど勉強してなかったんだけどね。勘が当たったみたい」
なんて言っている姿を見ると、その理不尽さに1人納得がいかない思いをしたものです。彼らはどのタイプでしょうか。
◆試験直前の一夜漬けタイプ
私の友人のように、ポイントのみに絞った一夜漬け勉強で乗り切ってきたタイプは意外と多いようです。彼らは、統計心理タイプでいうと『直感タイプ』に多く見られます。
このタイプの人の真意は
★基本的にスマートに見られたいので、たとえこっそり真面目に勉強していても「全然勉強していない」と言っていた(勉強していない割には良い点数を取ったように思われ、皆に「すごいね!」と言われたいから)。
★勘が効くので、授業中の先生の様子を見ていると「試験でここ出すな」っていうのがわかったし、その勘は大抵当たっていた。
★一夜漬けでポイントを抑えた勉強しかしていないので、試験でポイント以外が出題されても「まぁできなくて当たり前」とあっさり諦めた。だから、テスト中はできてもできなくても解き終わりが速く後半は寝ていた(笑)
と、私には理解できないようなコメントばかりが聞かれました。
そして、直感タイプの一番の特徴は「本番強さ」ですから、たとえ一夜漬けでも本番ではもの凄い集中力と勘を生かして乗り切ってしまうのです。だからこそ、勉強法をコツコツ型に変えようとはしないのでしょう。
◆親子で勉強タイプが違った時の悲劇
これだけ違う勉強法ですが、どちらのタイプも「この勉強法がよい!」と思ってやっています。
ここで親と子の勉強タイプが違い、親がコツコツタイプ・子が一夜漬けタイプだと、試験前に親子バトルが勃発しがちです。
コツコツタイプの親は
「試験前に全範囲の勉強が終わってないなんてあり得ない!」
と思うでしょう。しかし、一夜漬けタイプの子どもとしては
「全部復習しなくても、毎回合格点は取れているんだからいいじゃん!」と反発したくなるのです。
◆経験して改善していくのが一番
親の権力が強い場合、子どもの勉強法を多少は改善させる事もできますが、根本的な価値観や素質の違いは変えられません。親は「これも生まれ持った違いなんだ」と腹をくくり、子ども自身が考えるやり方でやらせてあげてほしいのです。
もちろん、時には一夜漬けが失敗して落第点を取る事もあるでしょう。しかし、それは自業自得だと本人も自覚しているはず。そして、基本的にカッコつけな直感タイプは、落第点を取ったというカッコ悪い姿は二度と見せたくないと思っています。この経験から、次回は少しは時間に余裕を持って勉強するでしょう。
お互いの価値観の違いを理解し、ひとまず『試験前の親子バトル』という不毛な争いだけはなくして、勉強に時間を割かせてあげたいものですね。