参観日の子どもの様子とチェックするポイント

英語レッスンでは半年に1回、保護者の方々にレッスン参観していただいています。レッスン中わが子がどんな風に英語を話しているのか、その成長ぶりを見ていただきたいと思っていますが、これが意外に難しいのです。

今回の参観中に、いつもと様子が大きく違った生徒が3人いましたので、彼らについて考察してみました。

 

◆シャイな態度に変わった子

1人目は、いつものレッスンでは英語の発音も綺麗でハキハキと答えてくれる女の子です。いつもの様子を保護者さんに見ていただきたかったのですが、レッスン冒頭、毎回皆で歌っている歌が始まると、なぜか歌わずに恥ずかしそうにモジモジしています。「大きな声で歌って」というアクションをすると、やっと聞こえる位の小声で歌い始めました。

その後1人ずつQ&A形式に会話をしても、彼女は人が変わったような大人しさでした。そして答え終わる度に、後ろにいるママ達の顔を見ては頬を赤らめて恥ずかしそうに微笑むのです。その姿は『可愛い控えめな女の子』を演じているかのようでした。しかし、徐々に参観レッスンの雰囲気に慣れてくるといつもの様子に戻り始め、終わり頃にはいつも通りの大きな声で発語する姿が見られ、一安心しました。

レッスン冒頭の姿は、彼女なりに『可愛い自分の姿を見せたい』という思いがあったのでしょう。普段から洋服や持ち物にもこだわってオシャレして来てくれる生徒さんです。「人からどう見られているか」「皆から「かわいい」と言われたい!」という意識が人一倍強いために、冒頭では豹変(?)していたようです。

 

◆急にやる気スイッチがONになった子

2人目は、通常レッスンではその日の気分次第で毎回様子が違う女の子です。やる気スイッチがONの日は楽しそうにレッスンを受けているのですが、スイッチOFFの日は何を聞いても「?」と首を傾げて答えない(というより、いつも言える英語が本気で思いつかない)のです。「心ここにあらず」とはまさにこの事でしょう。こんな日は私も無理強いはせず
「今日は身体だけここに来たけど、気持ちはどっかに置いてきちゃったんだなぁ」
と受け止めて、本人が興味を持った内容だけ参加すればOKにしています。

普段はこんなタイプの子ですが、いざ参観レッスンを始めてみると、人が変わったように元気いっぱいで今まで聞いた事がないほどハキハキした声でどんどん英語を話しているではないですか!!
「え?こんなにできるんだ・・」
と私も驚きのあまり軽くひいてしまう程でした。

このタイプは、統計心理分析で言えば【直感タイプ】にあたり、本当に本番に強いのです。直感タイプの親御さんは「いつもスイッチONならいいのに」と本音をこぼされますが、彼らがスイッチONの日は100%以上の力(火事場の馬鹿力)を発揮しますので、さすがに毎日そこまでパワフルには行動できないようです。
一方で、教える側の私として嬉しかったのは、普段のレッスンを見ている限り「まだ覚えていないなぁ」と思っていたワードが彼女の口からポンポンと発せられたこと。「気分が乗らない時は言わないものの、ちゃんと定着していたんだ!」という嬉しい発見がありました。練習中に話さなくても、大事なところで話せるならそれでOKなのです。今後もやる気がなさそうな日は、発語までは求めないものの、ヒアリング力は伸ばせるように、アウトプットだけは続けていこうと心しました。

 

◆ノーミスで答えたい子

3人目は、いつもは恥ずかしがらずにどんどん発言し、時にはわざと変な発音で言って皆を笑わせているムードメーカーの男の子です。
参観レッスン中に1対1で質問してみると、いつもなら思いついたワードをすぐに答えてくれるのですが、この日は貝のように口を閉じて何も言わないのです。「間違えても大丈夫だよ」と小声で伝えても、口は真一文字に閉じたまま。
彼は、保護者が見ている場では『完璧に答えられる姿』を見せたかったのでしょう。
統計心理分析では『リスク思考』の子にこの傾向があります。
「もしも間違えたらカッコ悪い」「もしも変な発音をしたら笑われる」
とマイナスの予測が先に立ってしまうのです。気の許せる友達の前では何でも言えるのに、知らない大人がいる前では急にマイナス予測が発信してしまったのだと考えられました。

 

◆参観でチェックするポイント

このように、保護者向けの参観では、急に人が変わったようにいつもと態度が豹変してしまう生徒もいるのが通例です。親御さん達は、参観でのわが子の姿がいつもの姿だとは限らない事を理解しながら見守り、参観後に普段の授業での様子を先生に直接聞くのが最適でしょう。

また、習い事の参観の場合は
・その教室に溶け込めているか
・楽しそうに参加しているか
・内容についていけているか
等をチェックし、今後も継続すべきか判断する機会にしてほしいと思います。
子ども達は、親が思っている以上に親に気を遣っています。親が「習い続けてほしい」と願っていると、子どもはその思いを感じ取って、本当は辞めたい習い事なのに「続ける」と言ってしまうケースを何度も見聞きしています。習い事は『好きこそものの上手なれの姿勢が最も伸びるものです。やりたくないのに、親に喜んでもらうためだけに嫌々続ける事のないよう、親御さんは参観ではフラットな目でお子さんの様子をしっかり観察してほしいと願っています。

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