コロナ感染予防のための自粛休校期間を終え、中高生は学校や部活動が再開しています。このタイミングで先生方からは
「自粛中の取り組み方で、勉強も運動も生徒によって大きく差が出てしまった」
という、ため息交じりの嘆きが数多く聞かれました。
そこで今日は、自粛期間に上手くトレーニングを継続できた選手達の事例にもとづき、3つのタイプ別に『トレーニングをサボらずに継続するポイント』をまとめてみました。
自分にピッタリくるのはどのやり方か? を考えながら読んでみてください。
◆合理的&こっそり努力派タイプの場合
普段から毎日コツコツと努力を積み重ねるのは苦手で、何事も合理的にパパッと片づけたいのが、このタイプ(統計心理学的には『直感タイプ』)。また、人にサプライズしたり、大勢の人から称賛されるのが好きな彼らにとって、この自粛期間は実は格好のサプライズ準備期間だったはずなのです。休校中仲間に会えない期間=こっそり自宅でトレーニングし、後日皆を驚かせる準備期間 でもあったのです。
今回の自粛期間にうまくやる気スイッチを入れたこのタイプの選手は、監督や先生が驚くほど持久力や筋力をつけて練習に戻ってきたようです。「いつもはいい加減に練習しているだけに驚きました」という指導者の驚きの感想も聞こえてきています。
プロでもこのタイプの選手は、ケガで戦線離脱した後、取材を全て拒否しあらゆる手段を駆使して追い込んだリハビリを行い、予定よりもずっと早く試合に復帰していきなりの活躍を見せた、というニュースを時々耳にします。彼らは、回復後ファンが驚きと喜びで歓喜し、会場が湧き上がる場面をイメージする事で自らのモチベーションを上げて、苦手な過酷なトレーニングにも向き合ってきたのでしょう。このタイプは「追い込まれた時の反発力」が大きいのです。言い換えれば、崖っぷちの状況こそやる気を起こすチャンスなのです!
普段、選手全員で行う一律のトレーニングには全く面白みを感じないこのタイプ。自分ならではの合理的な方法で、短期間に集中的にトレーニングし、試合本番で大活躍したいと日々目論んでいるはず。
・合理的なやり方が好き
・人をあっと驚かせたい
・大勢の人から称賛されたい
・努力は短期集中で他人に知られずにやりたい
これらの傾向がある人が自宅でトレーニングをする際は、気分が盛り上がるBGMやプロの好プレー特集動画などを流しながら、自分が試合で大活躍する場面をリアルにイメージすると、モチベーションを高めた状態でトレーニングに集中できるのでオススメです。そして、皆が自分の活躍を見て「いつのまにあんなプレーができるようになったの!すごい!」と驚いている姿を想像しながらトレーニングをすれば、気分も上がりトレーニングの辛さも半減するのでしょう。
◆元を取りたい節約タイプの場合
常に「お金も時間もムダにしたくない!」と感じて行動するタイプ(統計心理学的には『独立タイプ』)の人は、普段から行動する前に目標(ゴール)を決め、日々のトレーニングスケジュールを立ててから着々と進める傾向があります。そんな人が更に自分を追い込んでやる気を上げるには、まず結果が出そうな用具を買うのが、おすすめ行動のひとつです。
トレーニングする場合、ダンベルや筋トレローラー等、実施回数を数えられるトレーニング用具が最適です。ムダが嫌いな性分を刺激して
「先に投資したんだから、しっかり結果を出さなきゃ元が取れない!」「成果を出さなきゃもったいない!」
と日々自分に言い聞かせる事で、サボりたい気持ちを払拭し行動を継続しやすくなります。買った事を忘れてはいけないので、家で最も目につきやすい場所に用具を置いておく事もポイントです。
そして、日々のトレーニング回数をカレンダーに記入したり、スマホアプリに記録してグラフ化する事で、努力してきた結果を視覚的に確認しながら行うと、「こんなに頑張ってきたんだ!」と頑張りを実感でき、モチベーションアップに繋がるので実践してみてください。
またこのタイプには、短めの実施目標に対してご褒美を設定するのも適しています。予定通り実施目標を達成できた時は
・大好物を買って食べてOK
・ゲーム時間を増やせる
など自分にニンジンをぶら下げると、ゲーム性が出て更なるやる気アップに直結します。
◆仲間と一緒に行動したいタイプの場合
今回の自粛期間にZoomなどを活用してチーム全員で同時刻にトレーニングを実施したチームも多く見受けられました。
いつもチームメイトと一緒に行動したいタイプ(統計心理学的には『共感タイプ』)の人は、1人で黙々と練習するよりこのやり方の方が、仲間の顔が見れて楽しくできたでしょう。(一方、冒頭のこっそり努力派タイプの人にとっては最も苦手なやり方です、、。)
さらにこのタイプがトレーニングを積むには、いつも一緒にいる仲の良い友達限定のグループを組んで、一緒にトレーニングするのが最も効果的です。
チーム全体で実施する形だと、苦手な友達や先輩もいるためテンションが上がり切りません。気心のしれた仲間と時間を決めてLINEやZoomで繋がり、冗談を言い合いながらトレーニングすると、辛さも半減してできるでしょう。限定グループ内では、自分がトレーニングしている時に励ましの声かけや回数のカウンティングをしてもらったり、トレーニング動画を見ながらアドバイスをしてもらう等、お互いを優しくサポートし合う事で、精神的に安心感が増してやる気も継続できるのです。
◆自分にピッタリの方法をみつけるのが先決!
自粛期間に怠けてしまい仲間に差をつけらてしまった人は、今からその差を挽回すべく、まず『自分のやる気を刺激する方法』をしっかり選択してやる事が重要です!自分の性格ややる気スイッチの傾向をじっくり見極めて、継続しやすいやり方を選んでいきましょう。
先生方も、自粛中自分に甘さが出て怠けてしまった選手達には、できなかった事を叱ったり、再度同じ方法のトレーニングを強要するのではなく、選手1人ひとりに適したベストなやり方を自分で考えさせてから実行させる方が、何倍も効果的で継続可能ですので、是非試してみてください。