2021年箱根駅伝 コロナ禍で選手に影響するポイントは

コロナに翻弄された2020年も残すところあと2週間。各種スポーツの大会が自粛中止や縮小開催になりました。駅伝大会もコロナの影響で三大駅伝のひとつである出雲駅伝は中止になりましたが、その後全日本大学駅伝は開催され、2021年年始の箱根駅伝は沿道応援自粛の形で予定通り開催される予定です。

◆自粛による試合と練習の不足

例年との一番の違いは、各種大会が少なかった事でしょう。春の選考会や大会が幾つも中止され、試合勘が掴めていない選手も多いはず。そして、夏合宿はどの大学も自粛中止、合宿所での練習も一時自粛し各自の自主練習に任せるしかなかった大学もありました。
こんな時に精神的に不安感が出やすいのは『リスク優先タイプ』の選手です。普段から「〇〇にならないためにこれを練習しておこう!」「〇〇が起こった時に使えるようにこれを準備しておこう!」など、もしものマイナス事象を予測できるタイプです。事前の準備がしっかりできているというメリットもあるのですが、その反面、コロナのような「予測できないマイナス事象」が起こった時は必要以上に不安感が募り、精神的にネガティブになりがちです。
「練習で追い込み切れていない中、いきなり箱根で走ったら体力が持たないのでは?」
「試合勘がなさ過ぎて、大会当日に必要以上に緊張してしまうのでは?
など様々な不安が頭をよぎり出すと、緊張感が倍増します。それにより、呼吸は浅くなり、身体には無駄な力が入って筋肉が硬直しやすくなります。これが「試合本番ではメンタルが大きく影響する」と言われる所以なのです。

 

 ◆今年の冬は例年以上に寒い

また、今年の冬はラニーニャ現象の影響で、久々に気温が低くなり寒さが厳しい冬になると予報されています。
そして、箱根駅伝で何年かごとに見られるのが『箱根の山で低体温症を起こした選手がフラフラになり走れなくなるシーン』です。時には雪が降る中を選手達が走っている年もあります。東京も12月中旬から急に気温が下がり始めました。このまま厳寒の冬を迎えると、年始の箱根も気温がかなり下がるでしょう。練習が十分にできなかった選手達が寒さに耐えながら、強い精神力でどこまで力を出し切れるのかも、今大会のポイントのひとつと言えるでしょう。

 ◆沿道の応援の少なさ

さらに今年はコロナ禍での大会開催のため、集団での応援や駅伝観戦を目的にした外出はしないように注意喚起されています。どこまで国民全体がこの注意を聞くかは当日になってみないとわかりませんが、例年より歓声が少ないことは明らかでしょう。毎回箱根駅伝の後のインタビューで聞かれるのは

「足が痛くなり立ち止まりそうでしたが、沿道からの大きな声援を聞いて自然と足が前に動き出しました」

「多くの人達からの声援に応えながら、気持ち良く走れました」

という選手の声です。声援は給水以上に選手達にパワーを注入してくれるにもかかわらず、今回はそれがほとんどなくなるのです。これも選手の走りに何らかの影響を与えそうです。

 ◆監督の采配が決め手

各大学の走行メンバーは当日朝6時50分まで変更可能なため、各大学の監督はギリギリまで選手の体調や表情などをチェックしながら走者を決定するのでしょう。沿道からの歓声が聞こえない、今までとは違う雰囲気の中での往路復路で、自分のペースを保って心を乱すことなく走り切れる選手は誰なのか、またTVを通して応援してくれている人達を想像して自分の気持ちを盛り上げながら走れる選手はいるのか、当日極寒の気温になった時に寒さに強い選手は誰なのか、ここが監督の手腕の見せどころと言えるでしょう。

本番前の12月29日に各大学の区間エントリーが発表されます。上位候補大学の選手の中に「リスク優先タイプ」の選手が何人くらいいるのか?また、大学ごとにメンタル的タイプ傾向があるのか?それについてはエントリー発表後にあらためてアップしたいと思っています。

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