橋本大輝選手(体操 東京五輪代表)の心理タイプは

東京五輪が開催されるのか未だ決まらないまま、開会式まで約2ヶ月に迫りました。「日本代表選手のブログを書くのは五輪開催が決定してから」と思っていましたが、各競技で代表選手が徐々に決まり始める中「もう待てない!!」ので書くことにしました(^^)まずは大好きな体操男子から!

◆リオ五輪日本代表の選手タイプ傾向

まずは復習として、4年前にまとめたリオ五輪出場選手の心理分析タイプは下記の通りでした。

内村航平選手:本質グリーン(独立)& 外面ブルー(直感)

白井健三選手:本質ゴールド(独立)& 外面ロイヤルブルー(直感)

加藤凌平選手:本質ゴールド(独立)外面オレンジ(独立)

田中佑典選手:本質ゴールド(独立)外面グリーン(独立)

山室光史選手:本質バイオレット(共感)& 外面バイオレット(共感)

と、5人中4人の本質が『独立タイプ』です。独立タイプは、1人で独自に計画を立てながら物事を進めるのが好きで、淡々と目標に向かって努力するマイペース派です。他の競技ではフィギュアスケートや相撲界にひじょうに多い志向タイプ。自分の得意技を磨いて一人黙々と練習する競技に向いているのでしょう。
リオ五輪メンバーでは山室選手だけが共感タイプで、個人よりチーム内の一体感を重要視するタイプですが、チームのムードメーカーとしてこのチームには必要な存在だったと思われます。

では、今回の東京五輪の代表選手はどうでしょうか?今日現在で代表内定者は2名、橋本大輝選手(19歳)と萱和磨選手(24歳)です。今日は、新星で現在最も勢いのある橋本大輝選手について統計分析してみました。

 

◆橋本大輝選手の志向タイプはまさに個人競技向き

5月16日のNHK杯で優勝し東京五輪代表を決めた橋本大輝選手。NHK杯前の全日本選手権では、予選のあん馬で落下ミスがありまさかの7位発進でした。しかし、短期間で気持ちを切り替え、あん馬の調整に集中して挑んだ決勝戦では、全種目で大きなミスなく更に難易度の高い技にも果敢にチャレンジした結果、世界大会のメダル獲得レベルの高得点で見事逆転優勝を果たしています!

橋本大輝選手の心理分析タイプは、本質オレンジ&外面コーラルどちらも独立タイプです。更にどちらも競争意欲が人一倍強い負けず嫌いな特徴を持ち合わせていますから、まさに個人競技にピッタリな価値観を持った選手でした。
また、独立タイプは「具体的なゴールを明確に定めてから動き出す」という行動特徴があります。私は、橋本選手は『東京五輪の日本代表になること』を明確な大目標に設定して努力してきたのだろうと予想していました。ところが先日インタビューを聞いていたところ

「日本チームを引っ張るエースになりたい!」

「『個人と団体で五輪3回連続出場』を初めて達成する選手になりたい!」

という壮大な目標を掲げ堂々と名言していたのを見て驚きました。

人が目標を決める際は、『大きな目標を設定する派』と『現実的な目標を設定する派』に分かれます。前者は「無難な目標より更に上を目指して大きな目標を設定した方が、力が一層発揮できて達成しやすい」と考えます。一方、後者は「大きすぎる目標は現実離れしていて、途中から達成できる感覚が薄れてしまう」と考えるのでしょう。

統計分析タイプで見てみると、橋本選手は「大きな目標設定」をする方が適していると考えられます。なぜなら彼の本質タイプはオレンジ。10年先20年先の大目標を決めるだけに留まらず、そこから逆算して年間計画・月間計画・日毎の計画に落とし込み一歩一歩努力していけるタイプだからです。独立タイプの中でも特に長期戦で努力を継続できる素質を持っています。実際に彼は、種目毎に難易度の高い技を増やす計画を自分で立て、合計得点を今より何点プラスできるかを緻密に計算して加点目標を掲げています。そして練習では、毎回自分の演技をiPadで確認しながら微調整をして完璧な演技に近づけていく日々。高校時代の監督も
「今まで見た選手の中で一番の練習の虫。できるまで何度でもやり続ける、いい意味での諦めの悪さがある」
と言っています。その練習の賜物が先日の試合で垣間見えました。


◆空中で技を変更する瞬時の判断力

先日のNHK杯の跳馬でのこと。元々「ヨネクラ」という2回半ひねりの技を演技する予定で走り出したものの、手をついた瞬間に「無理だと感じたのと、着地を決めたい思いがあったのでロペス(2回ひねり)に切り替えました」と言うのです。日本代表強化本部長の水鳥氏曰く「コンマ何秒の世界でこれができる選手はほとんどいない。個人的にはあり得ないし理解を超えた感覚を習得している」そう。しかし本人に言わせれば
「練習で何度もこの切替えパターンを練習していたので不安はなかったです」
とサラっと語っていました。ひとつひとつの演技の精度を極めるだけでなく、うまく行かなかった場合のシミュレーションも幾つもイメージして練習を重ねているのでしょう。橋本選手の場合、この瞬時の切替え判断力は元々備わったセンスではなく、まさに日々誰にも負けないほど時間をかけて継続してきた練習で培った力なのでしょう。

19歳の橋本選手が東京五輪でどんな演技を見せてくれるか、またどんな経験をして更に進化していくのか楽しみでなりません!彼なら例え失敗をしてもそれを1ミリも無駄にせず次に活かして、内村航平選手に替わる日本のエースに成長してくれそうです!

<東京五輪関連ブログ> 
内村選手の鉄棒演技をもう1度五輪で見たい|http://makokouno.main.jp/wp/3869/

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