油井宇宙飛行士とさかなクン 見習いたい2人の親の子育て姿勢

7月から国際宇宙ステーションに長期滞在していた日本人宇宙飛行士の油井亀美也さんが12月に帰還されました。

油井さんのご実家は長野県のレタス農家。航空自衛隊のパイロットからの転身という個性的な経歴の持ち主です。

そして分野は全く違いますが、最近はテレビだけでなく全国各地の公演に奔走し、東京海洋大学客員准教授として教壇にも立っているさかなクンの活躍も注目されています。

実はこのお2人の親御さんは子育てで最も大切な信念を共通してお持ちでした。今日はこの2人の親御さんにスポットを当ててみました。

◆油井亀美也さんの興味関心に応え続けた父誧司さん

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父誧司(すけじ)さんは前述の通り長野県でレタス農家を営んでいます。亀美也さんは3番目に生まれた唯一の男の子。「生まれた時は跡取り息子が出来たと大喜びだった」と語っています。

しかし亀美也さんは大の野菜嫌い。摂れたてのレタスも一口も食べません。

更に彼の興味は星や宇宙の世界に広がっていきます。「星をたくさん見たい!」という亀美也さんの要望を聞き、誧司さんは望遠鏡をプレゼントしています。更に「もっと近くで星を見たい!」という息子に応え、仕事が終わった後車で山まで連れて行き、なんと6時間もの長時間亀美也さんの星の観察に付き合う日々だったと言います。ちなみにお父さんは星への興味は全くありません。その後も仕事場であるレタス畑の一部に天体観測所を設置する等、息子が夢中になる天体観測への想いを潰す事なく常に寄り添い続けたのです

そして小学校の卒業文集で亀美也さんは

「すごく勉強して学者になり、地球が滅亡する前に1万人の人を連れて火星に行きたい」という大きな夢を語っています。油井亀美也さんのi-colorはイエロー(人志向タイプ)。自分だけが火星に到達するのではなく多くの人達を連れて行き救いたいというのが、人のために動けるi-colorイエローらしい発想です。

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そしてとうとう夢を実現して宇宙飛行士になった息子に対しお父さんは

「幼い頃から火星に行くとは言っていたが本当に宇宙に行ってしまった。俺の子どもなのにあんな立派になって、自分より何百倍も大きい存在。えらい息子が生まれたもんさ。」と心から感心し誇りに思い、その嬉しい気持ちを隠す事なく言葉にしています。亀美也さんが宇宙ステーション滞在中は、夜空を見上げ「おーい」と声をかける誧司さん。息子を想うその行動に何だか胸が熱くなります。

i-colorで言えば、誧司さんも亀美也さんと同じく大切な人のために尽くすのが自分の幸せと考える人志向タイプなのでしょう。奥様を亡くされた後、亀美也さんはお父さんに小型犬をプレゼントしています。1人になっても寂しくないようにという心遣い。ここまでお互いを尊重し合い思いやれる父子関係も珍しいのではないでしょうか。

◆さかなクンの興味を徹底的にサポートした母
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さかなクンが最初に興味を持った生き物は「タコ」。小学生の頃さかなクンのノートに同級生がタコの絵をいたずら描きしたのがきっかけです。タコを知らなかったさかなクンはそのユニークな姿に興味を持ち、母に「タコの実物が見たいから買ってきて!」と何度も頼んだと言います。お母さんが大人の手のひらに収まる位の小さなタコを買ってあげると、さかなクンは「可愛いなぁ」とうっとりしながら虫メガネでタコを観察し吸盤の数を数えながら一生懸命に絵を描いたのです。その様子にお母さんは「息子の好奇心を大切にしたい」と思い、一緒に鮮魚店に出かけて頻繁にマダコを買うことに。この日から夕食のおかずは1か月間ほぼ毎日タコが並んだそうです。
やがてお母さんは「泳いでいる本物のタコを息子に見せてあげたい」と思い、一緒に水族館へ行きます。そこでさかなクンの目に飛び込んできたのは色とりどりの無数の魚たち。特に気に入ったのは、大きな魚にぶつかっても小さなヒレで必死に泳いでいたハコフグ。今さかなクンのトレードマークである帽子のモデルになった小さなフグです。

この日から頭の中が魚一色になった息子のために、お母さんは珍しい魚を見つけては丸ごと1匹買い、「魚が好きなら徹底的に調べなさい」と彼の前に差し出したのです。魚の事を猛勉強する息子に図鑑だけでなく本物を見せてあげたいと思うお母さんの徹底したサポートは中学生になっても続き、カブトガニを飼育するために海水を汲みに遠くまで一緒に出かけた事もあったと言います。

「私にできる事で少しでも手助けになるならば喜んで協力しようと思った」
「一番大切なのは、好きなことを自由にやらせてあげること」

とお母さんは話しています。

一方、さかなクンのお父さんは実はプロの将棋士です。さかなクンも小さい頃から将棋を教えられてはいたものの、あまり興味を示さない息子にお父さんは「見込みがない」と諦めたそうです。ここで無理矢理将棋の道を押しつけなかったのはお父さんの賢明な判断だったと思われます。

さかなクンのi-colorはターコイズ。束縛を嫌い自分のペースで自由に行動したい彼にとって、この両親の対応はのびのび自分らしくいられ心地良いものだった事でしょう。
そして「TVチャンピオン・全国魚通選手権」に出場したのをきっかけに今の大ブレイクに繋がったのです。

◆まとめ

全く違う世界で活躍する油井亀美也さんとさかなクン。しかし親の対応は全く同じ『子どもの「好き!」を徹底的にサポートし伸ばし続けた』事です。そこには親の指図も批判もありません。

子どもを一人前の人間に育てたい・・これはほぼ全ての親が願う事です。ところが親は子どもの興味を見つける前に、親自身が興味あるものや親が叶えられなかった夢をわが子に託しがちです。そして素直な子ども達は、親の喜ぶ顔が見たいあまり、親の要求を拒否できずにやらされ感100%で続けている事も多々あるのです。
失敗しても諦めずに追求し続けるには、前述の2人が持つ『とにかく好き!』という強い思いがあってこそです。今の子ども達は日々沢山の習い事をこなしていますが、果たしてそれらに子どもの心からの「好き!」という気持ちは伴っているでしょうか?

今お子さんがやっている事は本当に本人が好きで楽しんでやっている事なのか、是非ともこの冬休みに、お子さんとゆっくり語り合いながら確認してほしい大切なポイントです。

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