中島翔哉選手のビッグマウスが本田選手とは違う理由

昨夜のリオ五輪アジア最終予選の準々決勝は延長戦で日本が3ゴールを決めて見事勝利し、準決勝にコマを進めました。その中でも連続2ゴールを鮮やかに決めた中島翔哉選手について注目してみました。身長164cmという小柄な彼はどんな夢や思いを持ってここまで強くなってきたのでしょうか。

◆幼少期の憧れはロナウジ―ニョ選手

小1の時自ら「サッカーがやりたい」と母に伝え地元のサッカークラブに入った中島選手。とにかく負けず嫌いでボールを持ったら他の選手にパスは出さなかったとか。暇さえあれば1人でドリブルしていた程とにかくサッカーが大好き。授業中もボールを足元に置き先生に怒られてもまたボールを取りに行き常にボールに触っていたと言います。
海外のサッカーの試合ばかり見ていた彼の憧れの選手はロナウジーニョ。ロナウジーニョが家でもボールを蹴っていると聞いてからはボールと一緒に寝る毎日。また練習の後は愛犬と公園でone to oneの練習をしていたと言いその様子を再現してくれていました。
NakajimaSyoya&dog1

実はロナウジーニョも自宅の庭で犬と練習していたという話があるので、憧れの選手をマネていたのかもしれません。この時期から「いつか海外で活躍したい!」という思いを持っていたようです。

◆本田圭佑選手と中島翔哉選手の志向タイプの違い

小さい頃から大きな夢を持っていたと言えば本田圭佑選手が浮かびますが、本田選手と中島選手には大きな違いを感じます。

本田圭佑選手のi-colorはゴールド&グリーン。どちらのカラーも自分軸を持って行動する志向で、目標を明確にしてからそれに向けて淡々と努力していくタイプです。

Honda1

自分と格闘して弱い自分に打ち勝ち、自分らしく生き続ける事が僕の使命」と語る本田選手。彼のビッグマウスと言われる数々の発言は自分の成長のために、また自分の最大限の力を引き出すべく自らを追い込むために発しているのだと感じます。

それに対して中島選手のi-colorはロイヤルブルー&グリーン。大きなステージで活躍する未来の自分を常にイメージしている展開志向のロイヤルブルーと、自分軸のあるグリーンを合わせ持っています。
彼のビッグマウス発言も既に数多く聞かれています。

「メッシを超えるのもバロンドール獲得も通過点。その先に自分の理想とするパーフェクトな選手像がある」

「チームにとっての目標もあるけれど僕にとっては欧州に行くためのもの。世界の誰が見ているかわからないから得点王やベストプレーヤーを目指している」

「僕にボールをくれれば勝てる。もっと自分にボールを入れてほしい」

となかなかの発言ぶりです。
NakajimaSyoya

中島選手と同じ展開志向の男性が共通してよく発するのは

「自分がその気になったら不可能なんてない。オレは皆とは違うから。」

というセリフです。他の人とは違うズバ抜けたセンスや能力に対し確固たる自信があるのでしょう。

そして本田選手と一番の違いを感じたのは中島選手の次の発言です。

「僕ら日本人はすごく恵まれているからブラジルの選手みたいにハングリーさを求めるのは難しい。だからこそ楽しさを追求してどんな高いレベルの相手とやっても楽しめるようになれたらと。心から楽しむためには技術や経験や運動能力が必要だし守備も大切。だから努力しないとダメなんです。

本田選手のような自分を追い込むハングリーさとは違う『楽しみながらも貪欲に世界のトップを目指す姿勢』が中島選手独特の考え方なのでしょう。

◆中島選手のビッグマウスは練習と実績が伴ったもの

楽しむ事を忘れない中島選手ですが、一方で誰よりも早く練習に来て最後まで帰らない練習の虫だと言われています。そのきっかけは全日本少年サッカー大会でベスト4で負けた事。

「この負けが本当に悔しくて、その後ジュニアユースに上がってからは一番早くグラウンドに行って最後に帰るようになりました。練習前も1人でリフティングをしたり練習後はシュート練習をしたり」

また、オランダのアヤックスの練習に参加した経験も活かされていると言います。

「向こうの選手は技術は上手くないのにシュートだけは凄かった。それに気づいてから自分もどこからでもシュートを狙う意識を強く持つようになった」

この絶え間ない練習とシュートへの貪欲さは既に結果にも繋がっています。Jリーグでは初出場で見事初ゴールを決め、翌月には史上最年少(18歳59日)でハットトリックを決める等、展開志向ならではの舞台強さも見せています。

そして昨夜の目の覚めるような2連続シュート!大きな大会になればなる程モチベーションが上がる展開志向ですから、今後の更なるスーパープレーに期待がかかります。

◆展開志向キッズに対する親の対応

中島選手自身もインタビューで答えていますが、展開志向タイプが子どもの頃に親に取ってほしかった対応は『口うるさくアドバイスしない事』なのです。

展開志向は頭の回転が早いので自分が今何をすべきかは人に言われなくてもわかっています。但し集中力が長く持たなかったり気分の波が大きいため、毎日同じ量の練習をする等継続的な努力は基本的に苦手でなかなか実行できないのです。

しかし、中島選手のように「自分の夢実現のために日々の努力が不可欠だ」と自ら気づけば、親やコーチから言われなくても自発的にやるようになるのです。これに気づいた展開志向のアスリートは、キングカズこと三浦知良選手しかり、野球界ではイチロー選手や松井秀喜選手しかり、世界レベルの選手になり得る本質を持っているのです。

「まじめに練習さえすればもっと活躍できるのに・・・」とコーチから言われているタイプのお子さんは、中島選手と同じ展開志向タイプの可能性があります。親御さんは日々「まじめに練習をしなさい!」と口うるさく言う代わりに、偉大な選手のDVDや自伝本を見せたりトップアスリートの講演会に連れて行ったりして、本人の気づきに繋がるアクションをするのが賢明なようです。

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