3月も前半が終わり、子ども達は春休みを指折り数えて楽しみにしている事でしょう。学年が変わるこの時期は習い事を見直す時期でもあります。最近の子ども達を見ていると1日に2つの習い事をハシゴする子も珍しくなく、様々な習い事を手がけているようです。
そこで新年度に向けて習い事の選び方について考えてみました。
◆子どもはその習い事が本当にやりたいのか
これは当たり前のように感じますが、実は親の方が習わせたくて始めるパターンも多いのです。(例:お父さんがサッカーを習わせたい、お母さんが体操を習わせたい等)もちろんきっかけは親御さんの意向でも良いのですが、いざ始めてみてお子さんが通うのを嫌がった場合は時期を見直した方が良いでしょう。まず教室に入れるより前に、サッカーなら公園で一緒にサッカーボールで遊んだり、体操ならオリンピック選手が出ている大会をTV観戦したり、その分野に親子で一緒に関わり面白さを伝える方が先決です。
株式会社脳の学校 代表の加藤俊徳医学博士によれば、
☆脳は子ども自身が「やりたい!」と思った事をやっている時にひじょうに活発に働く
☆脳を成長させる一番の方法は「本気で全力で取り組む事」
だと言います。(参考:http://dual.nikkei.co.jp/article.aspx?id=5262&page=1)
親が喜ぶから、親の期待に応えなきゃ…という気持ちで習っていても、本人の気持ちの高揚度・本気度が低くては上達にも限界があるようです。
◆初めての場に溶け込むのが得意か苦手か
初めての場で緊張しやすい人見知りのお子さんは、いざ1人で教室に入っても既に出来上がっている友達の輪にすぐには溶け込めません。お世話好きの子がいてくれれば良いのですが、いなかった場合なかなか気の合う友達が出来ず、習い事に行く事自体がストレスになってしまう場合もあるのです。
そんな人見知りさんは、まず仲の良い友達と一緒に体験レッスンから始めると良いでしょう。友達と一緒なら緊張感も半減しのびのびレッスンを楽しめます。「そんなの甘やかしだ」という方もいるでしょうが、人見知りは大人でもなかなか克服できないものです。また子どもの世界独特の「仲間意識」が強く出る年代もあります。わが子が初対面の場が得意か否かに合わせて、習い事のスタートの仕方も工夫してあげましょう。
◆子どもと先生の相性は良さそうか
自分から「やりたい!」と言って始めた習い事でも、先生との相性が悪いと全く楽しめなくなるタイプの子もいます。i-color(統計心理分析)でいう仲間と共感する事に喜びを感じる人志向タイプの子ども達です。彼らにとって先生との相性は最重要ポイントなのです。自分が上手くなった事を大好きな先生が喜んでくれると「次はもっと先生を喜ばせよう!」という思いから一生懸命練習をするのです。
これがもし先生との相性が悪く怒られてばかりで萎縮していると「先生が嫌い」→「こんな習い事も嫌い」に繋がり、例え技術的能力が高くてもその分野を二度とやらなくなってしまう事もあるのです。こんなもったいない事はありません。このタイプのお子さんは必ず体験レッスンを受けてこの先生の元で習いたいか本人の気持ちを確認してから始める事が大切です。
◆子どものやる気ポイントは何か
習い事を行う目的はスタート時点から親子で食い違っている場合が多々あります。目的は大きく分けると4つ。
①資格や級を取りたい(スイミング・柔道・習字・英検など)
②体力や思考力を育てたい
③友達と一緒に習い事そのものを楽しみたい
④他の友達より上手に出来る姿を褒めてほしい
親に多いのは①と②、子どもに多いのは③と④でしょう。時々遭遇するのは、親子共に楽しむ目的で始めたのに、周りの子達が進級を目指して頑張っている様子を見て、わが子にも同じように進級させようと必死になり出す親御さんです。お子さんからしたら「えっ、話が違うよね?」という感じでしょう。
まず習い事を始める際に、習い事を通してどんな事を得たいのか、1年後2年後にどんな風になっていたいのかを親子で話す時間を取る事をオススメします。そしてお子さんが自ら「○級を取りたい」「上手くなりたい」という意志を見せた時、親御さんは応援スイッチを入れて全力でサポートしてあげてください。子どもがやる気になっていないのに親だけが躍起になり、思い通りにならない時に「また進級できなかったね」「どうして上手に出来ないんだろうね」等のマイナスな言葉かけをしたりガッカリした表情を見せないでほしいのです。
◆まとめ
オリンピック選手や世界的アスリートを育てた親御さんから共通して聞かれるのは
『子どもの意志に任せて好きな事を自由にやらせただけです』
という言葉です。
習い事を始める際はこれらのポイントをおさえて、子どもの気持ち主導で本人がのびのび楽しめる事を最優先に考えて選んであげてほしいのです。