やる気スイッチで子どもは変わる_気分屋男子の事例

以前、スポーツキッズのお母様からこんなご相談を受けました。

「息子が好きで始めたスポーツなのに最近練習に全く身が入らず、プロ選手になるという夢も忘れかけて困っています。またやる気にさせるにはどうしたら良いでしょうか?」というものでした。

◆オレ様タイプが陥りやすい『実力の過信』

このお子さん(男子)のi-colorは直感力やセンスに優れた展開志向タイプでした。このタイプの男子達からよく発せられる言葉は
「オレはいざとなったら凄いから!」「やる気になれば何でもできるし!」と言ったオレ様口調です。「でも今はやる気スイッチが入っていないからこの程度なんだよ」と言いたいのでしょう。

確かに勘やセンスに優れているので、人より努力しなくてもある程度のところまでは出来てしまう要領の良さを持っています。例えば、学校の定期試験でも「先生の授業を聞いてればどこを試験に出すか予測がつくから、そこしか勉強しない」と明言し、それが見事に当たって本当に高得点を取ってしまうのです。コツコツ努力するタイプの人からみると羨ましい能力です。

しかしこれが通用するのも『ある程度のレベル』まで。優秀な大学を受験する場合やスポーツの全国大会など強豪ひしめく舞台で勝ち上がるためには、持ち前のセンスだけでは通用しにくくなっていきます。

サッカー男子日本代表のハリルホジッチ監督も展開志向タイプです。
Halil&Eddy

彼はインタビューで「優秀な一流選手の条件は?」と聞かれ

★少しの才能がある事

★たくさんの練習ができる事

★(団体スポーツの場合)個人の才能を集団のために発揮できる事

だと答えています。

ラグビー男子日本代表のエディ監督も同意しつつ、

★場面に応じて自分が積極的に動くべきか、一歩引いて周りを生かすべきかを見極める力

が重要だと言っています。

やはり、冒頭のスポーツキッズのように自分の才能のみ信じていたのでは、トップアスリートへの道のりは遠いようです。では彼のようなタイプを本気にさせるのはどうすれば良いのでしょうか?

◆オレ様タイプへのアドバイス

1:彼のセンスの良さを認める 

彼のような志向タイプの人は、自分の能力を認めてくれている人や、尊敬できる面を持っている人の話しか聞かない傾向が強くあります。そこで、まずは彼の直感力やセンスの良さを言葉で褒め称えて認めている事を伝えます。それからでないと話に耳を貸してくれないからです。

2:彼が尊敬している有名選手を聞く

展開志向は「いつか世界的舞台で活躍したい」という思いを持っていますので、憧れの人がいるはずです。それを聞いた後は、練習中に良いプレーが見られた時は「○○選手のプレーみたいだな!」とその名前を出して褒めます。すると「○○選手のこんなプレーが好きなんです!」と話にも乗ってくるはず。そこですかさず「そんなプレーがしたいならこの練習が効果的だよ」とアドバイスすれば、練習嫌いな彼でもその練習をやるでしょう。憧れの選手に近づける!という気持ちが、彼のやる気スイッチを押すポイントの1つです。

3:褒める時は皆の前で

そして褒める時は人の大勢いる前で褒めちぎって下さい。多くの人に「すごいな~さすがだな~」と称賛されるのも、このタイプのもう1つのやる気スイッチです。

4:注意する時は誰もいないところで

逆にミスをした時や改善してほしい点をアドバイスする時は、必ず他の人がいないところで伝えます。常に皆から尊敬される立ち位置が好きな彼は、コーチから注意される姿なんて他の誰にも見られたくないのです。

◆実践結果

そしてこのアドバイスをもとに、ご両親とコーチ両方のアプローチ法を改善して3ヶ月。
彼は以前のように練習中にダラダラする事もほぼなくなり、あらためて憧れの選手のようになりたいという熱い気持ちを取り戻し、無事チームのレギュラーメンバーの位置を獲得し試合で活躍しているとの報告が入りました。

反抗期も始まる多感な年頃は、一生懸命やる事自体がカッコ悪く見えてやる気スイッチをあえてOFFにする子もいるでしょう。でも言葉のかけ方やアプローチの仕方をその子の志向にピッタリ合わせる事で、気分良く楽しくできるように運んで行けるのです。楽しい事なら当然継続するのも苦ではなくなります。
子どもにどれだけ気分良く本気で集中させられるか?ここがオレ様タイプのやる気スイッチを入れる最重要ポイントなのです♪

『チームワークの向上』『本番に強い選手育成』にご興味のある方へ

指導者や親御さんに向けて
★子どもの根本的な志向タイプについて
★子どもの特性を伸ばす関わり方
★モチベーション・自己肯定感の上げ方をテーマにしたセミナー

スポーツチームの「チームアドバイザー」として
★個々の選手に適したアプローチ法の具体的アドバイス
★選手向け研修の企画・実施
等を行っています。

ご興味のある方は、下記よりお気軽にご相談くださいませ。

ご質問・お問い合わせ