試合で違反タックルをして相手選手にケガを負わせてしまった日大アメフト部の選手が、勇気を持って真摯な態度で謝罪会見を行ってくれました。淡々と事実を伝えながらも他人を責めず、あくまで「正しい判断ができなかった弱い自分の責任」だと言い続けました。
それとは真逆に、責任者である日大アメフト部の内田 元監督と井上 元コーチの会見は悲惨そのもの。質問に対して自己防衛に走り、論点のずれた返答を繰り返し、自分達の非を認めない上に、アメフトを辞める状況にまで追い込まれている選手の気持ちを全く理解しようとしない、自分第一主義の姿勢が露呈したものでした。
今回の問題は、勝つ事だけを目的にした絶対君主的指導者と、彼の指示に決してNOと言えない選手達という、古き悪しき体制が生み出した最も残念な結果と言えるでしょう。
タックルしてしまった選手は悩みに悩み抜いた結果、勇気を出して心からの誠意を持った謝罪をしてくれました。この問題に対して私たちは、彼に同情したり陰ながら応援するだけで終わらせてよいのでしょうか?
◆スポーツチームアドバイザーになったきっかけ
私は、Jr.アスリート分析アドバイザーとして、学生スポーツ指導者に対し、選手一人ひとりのメンタル的特徴や伸ばすべき特性をお伝えし、選手全員が個々の強みを出し切って勝つための育成アドバイスをしています。
私がこの仕事を志そうと思ったきっかけは、某ドキュメンタリー番組で、鬼監督が優しいタイプの新キャプテンのメンタルを強く鍛え上げようと、あえて厳しい言葉を浴びせ続けても、新キャプテンは逆にどんどん萎縮して試合でミスを連発する
というシーンを見たことです。その対応に激しい理不尽さと憤りを感じたのと同時に
「優しいタイプの選手でも、育て方次第では心身ともに強い選手に成長させられるのに!!」
と強く叫びたい気持ちになったのでした。
◆選手思いの監督達の存在
今サポートさせていただいているチームの監督さん達に共通するのは
★選手一人ひとりをどうやれば心身共に成長させられるのか?
★選手それぞれが持つ長所に本人が気づき、自信を持ってプレーさせるにはどうサポートすればよいのか?
を毎日必死に考えている方々ばかりです。
まさに今回問題になった指導者とは、目指す方向が大きく違う方々です。
◆周りから声を上げていく時
スポーツチーム所属のお子さんを持つ親御さんから、チーム事情について生の声を聞かせていただく機会もあります。すると
「監督の言動が明らかに強引で間違っていると感じる時があるが、それを誰も注意できない雰囲気がある」
『「私の指導に文句があるなら遠慮なく辞めてください」と言われているが、怖くて辞めたいなんて言えない』
という声が、未だに聞かれるのが実状です。日本の学生スポーツ界には昔から『根性論』や『監督は神』と言った風土を持ったチームが多数存在しました。そして、未だその古き悪しき体制が根深く残っている部活やクラブチームは少なくないのです。
日大アメフト部はその最たるケースでしょうが、被害がここまでに至らなくても
・選手達が明らかに萎縮して楽しめていない
・指導者のコマのように扱われ、自分で考える力を付けられていない
・勝つことだけが目的になっている
こんな状況ならば、是非周りの人達と協力して、指導者を管轄している先に現状を報告してください。それがどうしても難しいのであれば、一日も早くわが子を他のチームに移してあげてください。
今回のアメフト選手のように、大好きなスポーツをやるのが辛くなる経験なんて、誰一人としてさせてはいけないのです。
指導者に意見できずに多大なストレスを抱えて活動している学生を救えるのは、最も身近にいる親御さんですから!
そして、少し目を外に向ければ、私がサポートしているような選手の心の成長を第一に考えた、素晴らしい指導者の方々は沢山いて日々頑張っていらっしゃるのですから!