わが子の心に残る言葉を伝えていますか

今年もおひな様とお内裏様を飾りました。と言っても娘のではなく私のです。飾り続けて約半世紀と言ったところでしょうか(笑)

 

◆祖父が選んでくれたおひな様

母から何度も聞かされた、このおひな様とお内裏様の話。それは老舗デパートに勤務していた祖父のことです。

「おじいちゃんは、あなたに一番素敵なお顔のおひな様を贈ろうと思って、何日もコーナーに行ってはお顔を眺めて見比べて、沢山ある中から一番綺麗で品のあるお顔のおひな様を選んでくれたのよ」

と。そう話す母も、3人目にやっと生まれた女の子(私)とおひな様を眺めて幸せそうな顔をしていた事を覚えています。そして私は毎年自分のおひな様を眺めては
「うん。やっぱり私のおひな様が一番綺麗でステキ!」
と満足気な気分に浸っていました。それは未だに変わっていません。

毎春この話を思い出す度に、祖父の優しい笑顔とおひな様に込められた想いが消えずに残っている事が嬉しくて、心が温かくなります。

 

◆わが子に発する言葉数の多さ

皆さんは親から言われた言葉で心に残っているものはいくつありますか?

私の父は仕事で毎日帰りが遅く子育ては母に任せっきりでしたから、幼少期は父とゆっくり過ごした記憶がほぼありません。だからこそ、珍しく父から「もうやっちゃダメだぞ」とたった一言注意されただけでも心に深く響き、すぐに涙を流して反省したものです。子どもながらに「母に同じ口調で言われても全然響かないのに・・」という自覚もありました。そして「これだけは覚えておきなさい」と話された内容は未だに覚えています。

子育てセミナーをしていると「子どもについ口うるさく細々注意してしまう」というお母さん方の声をよく聞きますが、これが度を過ぎると子ども達は親の話をほぼ聞かずスルーするようになります。これでは大切な話をした時でさえ全く心に留めてくれないのですから残念な限りです。
よかれと思ってわが子にこと細かく注意している親の気持ちになると、日々頑張っているのに報われないな・・とも感じますが、やはり耳障りの悪い話をいくつも聞かされるのは大人でも敬遠するものです。

 

◆マイナスワードを減らすポイント

それならば、親の言葉をわが子の心に響かせるためにも細かい事には目をつむり口うるさく言わないのが賢明なのですが、実践するのは難しいものです。
そこで日々簡単にできることを2つご紹介します。

1つめは、子どもに言葉を発する前に鏡で自分の顔を見ること。そして今から言おうと思っている言葉を鏡の自分に向かって(心の中で)言ってみてください。すると、「ここまで言われたら気分が悪くなるだけで、かえって反抗したくなるな」と子どもの気持ちが感じ取れるようになります。これを習慣づけると、今までならもう一言二言畳みかけていた感情的な声かけを封印できるようになります。
私は冷蔵庫に鏡を貼って活用しています。時折子どもに怒っている顔を鏡で見ると、それはそれは怖い表情になっていて驚きますよ(笑) 子どもはいつでも母親に笑顔で見守っていてほしいもの。怖い顔はできるだけ減らしてあげたいものです。

2つめのポイントは、親が話すより子どもの話に耳を傾けること。学校であった嫌なことも、家で全部吐き出して親に聞いてもらえれば、気分はかなり軽くなるようです。そして子どもの話を聞くときは「サ行」で相槌を打つこと
すが!!」「らなかった!!」「ごいね!!」「れであなたはどう思ったの?」
れは 大変だったね(辛かったね・嬉しかったね等、共感する言葉)」
特に最後の共感する相槌は、子どもが自分の考えを受け入れてもらえたと感じ安心できる聴き方です。
忙しいとつい気持ちのこもっていない「へぇ~」「ふ~ん」という、話し手の気分を下げる相槌をしがちですが、サ行の相槌なら何倍も聞いている感が相手に伝わります。
まず話を聴いて共感してくれる親になれれば、子どもはこちらの話にも聴く耳を持ってくれるでしょう。わが子を褒めるのが苦手という親御さんは、まずは相槌から改善して話を真剣に聴いてあげてください。

 

◆言葉が残ると思い出も残る

先日、1年前に急逝した先輩を想い仲間で集って偲ぶ会をしたばかりなのですが、人は他界しても皆の話題に上がり思い出話を語り合ってもらえればずっと心に生き続けると思うのです。

「私がいなくなった後、娘達は私が話した言葉をどれだけ思い出してくれるのだろう?」

おひな様を眺めながら、そんな事を考えたひとときでした。

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