四大大会を連覇し世界ランク１位になった大坂なおみ選手。その後サーシャコーチとの契約解除の発表。これには世界中の多くの人が驚きと共に「なぜ今？」という疑問を持ったことでしょう。大坂選手の試合中のモチベーションを献身的に支えてきたサーシャコーチと離れるのはあまりにも早過ぎる感が否めませんが、決定した以上新体制で前を向いて進んでいくしかないでしょう。
◆今の思いをＳＮＳにアップ
そんな中、彼女は下記の文章を英語と日本語の両方でＳＮＳにアップしています。
「自分の考えの整理や感じている事を言葉にしようと今書いてます」
と書き出した今の思い。
「最近多くの親御さん達から自分の子供が私を見習っていると言われ、その言葉にひたすらビックリしました。正直凄く驚いて大きな責任も感じました。
何故ならお手本である人がどのくらい大切かという事を分かっているからです。親の方達からその様な言葉を貰えるのは承認されてるという事ですよね。（～中略～）
私を見て凄く嬉しそうにしている沢山の子供達から写真やサインを頼まれたり…正直言って涙が出そうです、こういう時私の気持ちは充実感で一杯、」
と、周囲の反応に対する驚きと喜びを綴った後、大切な気づきについて触れています。
「それで気づきました。テニスの事だけじゃないんだって。次の時代の為に何か感化するっていう事。この子達（マイベイビー）を見て思い始めたのは、私が子供の時に、夢は大きく、自分の夢に向かって進め、と励ましてくれた人達の事でした。
実際今こうして私が子供達を励ませる立場である事は本当に凄い光栄です。」
◆大きな夢に向かってワクワクするのがポイント
統計心理分析でみると大坂選手は、大きな世界に向かって自由に羽ばたき未来に影響を与えたいターコイズ（直感タイプ）と、大切な人達のためなら茨の道をも突き進んでいくオリーブ（共感タイプ）という２つの面を持っています。そしてどちらも、ワクワクする気持ちを維持するのが力を発揮するポイントになります。世界ランク１位になったからと言って「常に勝ち続けなければ・・」という思いに縛られてしまうと、彼女のパワーは発揮しにくいのです。
「大事な場面でベストショットが決まった♪」
「ファンの皆が笑顔で応援してくれている♪」
「未来を築いていく子供達に夢と勇気を与えられた！」
こんな喜びを実感できた時、彼女は計り知れない最高のプレーを見せてくれるでしょう！
◆試合での気持ちの切り替え法
３月６日から開幕するＢＮＰパリバ・オープン直前にＳＮＳにメッセージをアップしたのは、優勝を期待される大舞台を前に自分の思いを文章にまとめる事で、不安と緊張からネガティブになりがちな自分の気持ちを良い状態に維持しておきたかったのではないでしょうか。
しかし今大会からは、ミスショットが続いてイラついたりメンタルが沈んだりしても、すぐにコートサイドに駆けつけて励まし続けてくれたサーシャコーチはいません。こんな時はベンチタイムの際に、たくさんの子ども達に囲まれて笑っている自分の写真やファンからの応援メッセージなどを見返しながら深い呼吸を繰り返すと、ポジティブな気持ちを取り戻しやすいでしょう。
また、サーシャコーチにかわる新コーチがベンチ横まで来てくれるならば、サーシャコーチのやり方を踏襲し、アドバイスする前にまず今の彼女の気持ちを吐き出させ聴き入れる姿勢を取ってほしいものです。
◆大坂選手の魅力
彼女を見ていると、フィギュアスケートの浅田真央さんが思い出されます。常にグンを抜いた成績を出し続ける天才的なスター選手とは違い、ふいに壊れてしまいそうな不安定さと、少女のような純粋さを持っている点が似ているように感じます。
バンクーバー冬季五輪で自己最高得点を出しながらも銀メダルに終わった後、大粒の涙を流しながらコメントしていた浅田真央さんと、決勝でセリーナ・ウィリアムズに勝って優勝したにもかかわらずブーイングを受けた後「ごめんなさい」と言いながら涙を拭っていた大坂なおみ選手の姿がリンクしてしまいます。こんな姿を見たら「応援して支えてあげたい！」と思うファンが世界中に増えるのも当然です。こうして多くのファンを実の親のような気持ちにさせてしまうのが、彼女達の魅力なのでしょう。
予想より早くサーシャコーチから『卒業』した大坂選手。しばらくは精神的にきつい経験を強いられる試合もあると思われますが、今回ＳＮＳにアップした純粋な感動と感謝の思いを常に忘れないでいてほしいのです。そして、自分には多くのファンがいて世界中から見守ってくれている事を思い出しながら不安やイライラを払拭し、最高のプレーで子ども達に大きな夢を見せ続けてほしいと願っています。頑張れ、なおみ！！
