子ども達に聞いてほしいイチロー選手のメッセージ

とうとうこの日が来てしまいました。『50歳まで現役』を目指していたイチロー選手が第一線を退く決断をし、東京ドームで現役最後の試合を終えました。10年連続200本安打・3000本安打達成など大リーグの大記録を塗り替え、当初は受け入れてくれなかったアメリカの野球ファンの気持ちをも動かしたイチロー選手。

最終試合直後の記者会見では、1時間20分もの時間をかけて記者の質問に丁寧に答え続けていました。そして、時折ふざけつつも心に響くメッセージを残してくれたのです。その中には未来を担う子ども達に是非とも聞いてほしい言葉がいくつもありましたので、それらを抜粋してまとめました。

 

◆向き不向きより夢中になれるか

子ども達に向けたメッセージを求められたイチロー選手は下記のように答えています。

熱中できるもの夢中になれるものを見つけられれば、それに向けてエネルギーを注げる。それを早く見つけてほしい。それが見つかれば、自分の前に立ちはだかる壁に向かって行けると思う。いろんなことにトライして、自分に向くか向かないかよりも、自分の好きなものを見つけてほしい

また、こうも言っています。

成功するかどうかではない。やりたいと思えば挑戦すればいい。それならどんな結果でも後悔はないと思う

イチロー選手自身「野球を愛する事は変わらなかった」と言い切っていました。この思いがあったからこそ、どんなに辛い時でも孤独を感じた時でも耐えながら現役を続けてこられたのでしょう。

 

◆目標を言葉にする大切さ

最低50歳までと本当に思っていた。それが叶わず有言不実行の男になってしまったが、その表現をして来なかったらここまで出来なかったと思う。言葉にして表現することが目標に近づくひとつの方法だと思う。

最近子ども達と接していて気になるのは、大きい目標や夢を語りたがらない子が多いことです。それは心のどこかに
「そんな事を言って達成できなかったらカッコ悪い」
「できない自分を見たくない」
という気持ちがあるように感じます。
しかし、イチロー選手本人が有言不実行と言った彼の姿にはカッコ悪さなんて微塵もなく、やり切った清々しさが感じられました。この姿を1人でも多くの子ども達が目の当たりにして、「自分も堂々と大きな目標を掲げて目指していこう!」と決心してほしいです。

 

◆少しずつの積み重ねで今の自分を超えていく

「小さいことを積み重ねることが、とんでもない所へ行く唯一の道」と常々話してきたイチロー選手。今回の会見では、こうも言っています。

人より頑張ることはできない。自分なりのはかりで限界を見ながらちょっと超えていく、を繰り返す。その少しずつの積み重ねでしか今の自分を超えていけない

一気に高みに行こうとすると、今の自分とのギャップがあり過ぎて続けられない。地道に自分を信じて進むしかない。遠回りすることでしか本当の自分に出会えない。

昨年5月以降、会長補佐となり試合に出る権利を失った中それでも試合前に球場での練習を積み重ねてきた日々。「これだけは誇りです」と胸を張って語っていました。この継続し続けた努力があったからこそ、大リーグ選手として開幕戦を日本で迎え、日本のファンの前で有終の美を飾れたのです。
大きい夢や目標を掲げつつも、それを成し遂げる術は地道に一歩一歩前進する行動を継続することなのですね。

 

◆苦しい時の乗り越え方

これだけの大記録を残していながらも、苦難がなかったわけはありません。

孤独を感じて苦しんだことも多々あったけれど、未来の自分にとって大きな支えになるんだろうと今は思う。辛いこと、しんどいことから逃げたいと思うのは当然。でもエネルギーのある元気な時に、それに立ち向かっていくことが、人として重要なことではないかと感じている

そして苦しい時に常にそばで支えてくれたのは、妻の弓子さんと愛犬の一弓くんです。

妻と一弓(犬)には感謝の思いしかない

と話していました。

 

◆ファンの喜びが自分の喜びに

ある時までは自分のためにプレーすることがチームのためになるし、応援してくれる人も喜んでくれると思っていた。(しかし)ニューヨークに行った後くらいから、人に喜んでもらえることが一番の喜びに変わってきた。ファンの方々の存在がなければ、自分のエネルギーは生まれなかった。

野球はチームスポーツでありながらも、個人個人の成績にスポットが当たるスポーツです。常に寡黙に1人で戦っているように見えたイチロー選手の気持ちにこんな変化があった事には驚きました。このメッセージは、1人っきりで頑張りがちな独立タイプの子ども達に特に聞いてほしいメッセージです。1人で頑張る事ももちろん大切ですが、自分を応援してくれる人達の喜ぶ姿をイメージして自分のパワーに替えられたら、今以上の力を発揮できると思うのです。

◆子ども達の指導者に

今後について「監督は絶対にない」と言った後「子ども達の指導には興味がある」と発言したイチロー選手。日米の野球を熟知したイチロー選手が精神面も含めて指導すれば、日本球児から次世代のスーパースターが生まれるのではないでしょうか?
イチロー選手には、第二の人生でも好きな野球に没頭して思い切り楽しんでほしいと願ってやみません!イチロー選手、長い現役生活本当にお疲れ様でした。そして素晴らしいプレーをありがとうございました!!

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