【2023男子バレー日本代表】最強メンバーのメンタルタイプ分類考察(2)

前回は、男子バレー日本代表チームに多い「直感タイプ」について考察しました。
今回は「共感タイプ」を中心に考察してみます。「共感タイプ」は、仲間を思いやる気持ち・献身的行動力・サポート力・調整力 などを人一倍持っていて、笑顔でチームムードを和らげるのが特徴です。

◆共感タイプが活きる立ち位置

様々なチームスポーツで、共感タイプの選手が緊張感に押し潰されずのびのびとプレーできる時の共通点があります。それは
『チーム内で一番若手の立ち位置』でプレーしている時です。
「もし自分がミスをしても先輩方が取り返してくれる」という安心感と、「先頭に立ってチームを引っ張る重責は任されていないので、過度な緊張で硬くなる事なく自分らしいプレーができる」からだと推測できます。

過去に女子バレーで残念なエピソードがありました。アタッカーとして若手の頃から注目を集め、群を抜いたプレーを見せてエース的存在だった選手が、主将に選ばれた途端、その役割を重く受け止め過ぎた結果プレーにまで悪影響を及ぼし、スランプに陥った選手がいました。彼女は共感タイプでした。エースが全員主将に向いているとは限らないのです

◆共感タイプの不安感を補うもの

共感タイプの選手は、心技体の中で「心(メンタル)」が弱点になりがちです。
その繊細な心や不安感を補うのは

『誰にも負けない群を抜いた技術力や体力』

です。今回のメンバーで共感タイプのアタッカーは高橋藍選手。チーム内では若手の立ち位置です。そして海外(セリエA)を経験して技術力やパワーが格段にアップし自信をつけた事が、今回の活躍に繋がっているのでしょう。彼はアタックだけでなく、レシーブの技術力の高さでも評価されています。
これは「小学生の頃から兄とバレーをしていて、毎日兄のアタックを受けていたから」との事。なんと幼少期から「兄」という安心できる存在と一緒に練習してバレーの技術力を上げていたとは!高橋選手は、共感タイプがストレスなく成長できる環境で今の基礎を作り上げたようです。
高橋藍選手は、このまま日本代表チームで経験を積み上げ良い結果を残していけば、その事実が自信に繋がり、心の不安感を払拭してくれるのです。

◆共感タイプに適したポジション

バレーで共感タイプに向いているポジションNo.1は「リベロ」だと、私は考えています。
サービスやアタックなど華やかなプレーはスター選手にお任せし、「陰の功労者」として全力でボールを拾いまくる。そして「ナイスプレー!」と皆に笑顔で喜んでもらえる事でエネルギーチャージできる。まさに共感タイプのメンタル特性を活かして活躍できるポジションなのです。
今回選出されたリベロ選手は2名、

山本智大:共感希望×共感リスク

小川智大:独立リスク×独立希望

です。山本選手はまさに共感タイプの素質を活かした献身的なプレーで、今回のリーグでも「ベストリベロ」として活躍しています。
また、小川選手は独立タイプの素質をリベロとして活かすなら「自分は自分の得意なプレーに集中するのみ」と、リベロ職人?となって淡々とその役割を全うする事で好プレーに繋がると思われます。

◆まとめ

バレーボールでメンタルタイプごとの特性を活かすポイントは

★直感タイプ →
俯瞰的視点と瞬時の判断力を活かす。最適ポジションはセッター。若手で実績は少なくても、世界大会など大舞台で起用して「崖っぷちパワー」を発揮させる(最終セットでの起用など)。

★独立タイプ →
自分の得意なプレーで「自己記録」を伸ばす事に集中させる。乗っている時は大声が出るので、チームの士気を高められる。

★共感タイプ  →
献身的なプレーでチームメンバーに感謝される「陰の功労者」的役割を任せる。(ポジションならリベロ)

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直感タイプが多い今回の男子バレー日本代表メンバー。ポジション別に見てもメンタル適性がはまっているメンバーが多く選出されています。感覚的に察し合える直感タイプを中心に、独立タイプは自身の得意を発揮し、共感タイプはチームの調整役として働き、過去最高の結果を披露してもらいましょう!!

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