【女子バレー】中田ジャパンのメンタル傾向から見えてくるチームカラー

中田久美監督になって2年目を迎えたバレーボール女子日本代表。 中田監督も「2020年を最終目標とした時に、今年は大事なシーズンになる。世界選手権は絶対に表彰台に上がるべくチーム一丸となって全力で戦いたい」と、目標を明言しています。

今回選抜されたメンバーをメンタルタイプ分類したところ、傾向性がクッキリと見えてきました。

 

◆中田久美監督は自他共に厳しいクールなリーダー

中田久美と言えば、史上最年少の15歳で全日本代表に選出され、史上初の五輪3回出場を果たした日本を代表する名セッターです。そして、右膝前十字じん帯を断裂し一時は再起不能とまで言われながらも痛みに耐えながら復帰した、不屈の精神の持ち主でもあります。

引退後はイタリアプロリーグで指導者経験を積んで帰国。その後、国内チームの監督就任1年目から優勝と、選手・指導者どちらでも第一線で結果を残してきた、スーパーレジェンド選手と言えるでしょう。

 

◆今年の中田ジャパンは落ち着いたリスク管理集団

日本代表監督2年目を迎えた中田ジャパンの選抜選手をメンタルタイプ分類すると、下記のようになりました。

ここまで近しいタイプが集まったチーム構成はなかなか見られないものです。3つの志向タイプ(3色)のいずれを見ても、枠の下半分に選手が集まっています。下半分は、事前に対策方法を練ってから動く『リスク管理タイプ』。それに対して上半分は、策を練るよりまず行動してみる『希望優先タイプ』。つまり、今年の中田ジャパンは『リスク管理タイプ集団』だと言えるでしょう。
そして中田監督も同じくリスク管理タイプです。やはり、自分の指示を的確に理解し、どんな状況でも慌てず冷静に動ける選手が使いやすいのでしょう。
そして、色分けした3つの志向タイプで見ると、最も多いのは真ん中の独立タイプ。注目度の高い世界大会でも動じることなく、自分の役割を淡々と全うできる、強いメンタルを持った選手達です。

独立タイプ選手の中で今回最も注目なのは、十字じん帯断裂の大ケガから復帰した長岡望悠選手です。リオ五輪で最多得点を上げた点取り屋です!


彼女がケガをした後、中田監督から電話でかけられた言葉は

「平然と乗り越えろ」

同じ大ケガを克服して復帰した中田監督だからこそ言える、厳しくも気持ちを奮い立たせてくれる声かけです。直感タイプである中田監督は、努力や苦しんでいる姿を他人には決して見せずにクールに装うタイプ。そんな中田監督だからこそ「平然と」という言葉を選んだのでしょう。

この言葉を受けて長岡選手は「背中を押されたような気持ちになり、今できる事をやろうと気持ちが切り替わった」と言います。

 

◆セッターは直感タイプが適任

そして、セッターの田代佳奈美選手と冨永こよみ選手は、中田監督と同じ『直感タイプ』です。直感タイプは、瞬時の状況判断能力が高く、俯瞰的にポジションを把握できる傾向が強いため、サッカーではCB(センターバック)やストライカー、バレーボールではセッターやリベロなど、瞬発的な判断力を求められる重要なポジションでその実力を発揮している選手が数多くいます。

 

◆黒後選手が安心してプレーできるチーム環境

もうひとつの注目は、高校時代から話題を集めてきた黒後愛選手の世界選手権デビューです。

黒後選手のメンタルタイプは、チームワークを大切にする共感タイプ&リスク管理タイプ。そして、彼女が尊敬してやまない木村沙織選手も、同じく共感タイプです。フォームが似ていると言われていますが、メンタルタイプも近しいものでした。共感タイプは、自分がリーダーを務めるより、頼れる先輩がいる環境の方が安心してのびのびプレーできる傾向が強くあります。

今年からプロ野球選手となった清宮幸太郎選手も、黒後選手と同じ共感タイプ&リスク管理タイプです。早稲田実業時代は、3年で主将を務めていた時より1年時の方が笑顔が多く、先輩に可愛がられる中で思い切りプレーしていた姿は記憶に新しいところでしょう。

黒後選手に話を戻すと、先週迎えた世界選手権デビュー戦直前、同じ高校出身のベテラン荒木絵里香選手が彼女を気遣い「大丈夫?緊張してない?」と聞くと

「ヤバイくらい緊張してないです!」

と笑顔で答えたと言います。本質的には緊張しやすい面を持っていますが、精神的に安定感のある頼もしい先輩選手に囲まれていることで、彼女の不安感は払拭できているのでしょう。

 

◆真価が問われる第2ラウンド

今日から始まる第2ラウンドは、セルビア・ブラジルなど強豪国との対戦が始まります。ここからが中田ジャパンの実力が試される時。冷静なリスクタイプの選手達が、強豪チームに押されて追い込まれた時、どこまで気持ちをポジティブに切り替え、開き直ってプレーできるのか?新人の黒後選手も、厳しい流れの中で萎縮せずにいつも通りの強気のプレーができるのか?練習を積んできたサーブを決められるのか?
大きな期待を込めながら、中田ジャパンを応援したいと思います!!

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