大儀見優季が頼れる10番になるために必要なこと

(写真:(C) Getty Images)
いよいよリオ五輪出場をかけてアジア最終予選が始まりました。
澤穂希選手が引退した後10番を受け継いだ大儀見優季選手。澤選手という存在するだけで全選手に安心感を与えられるキーマンがいない今、エースストライカーとしてチームなでしこをどうやってリードしていくのか。彼女のi-colorタイプやサッカーに対する姿勢に触れつつ考えてみました。

◆弛まぬ努力を続け実績を積んでいくi-colorイエロー

大儀見選手のi-colorはイエロー。人志向タイプの中でも特に実績や経験を重視するタイプです。自分自身が納得のいくキャリアを積み上げるまでは、地道な努力を惜しまず寡黙に練習を継続していきます。
i-colorイエローのアスリートは、ラグビーの五郎丸歩選手、サッカーでは柴崎岳選手、なでしこでは川澄奈穂美選手、阪口夢穂選手、そして澤穂希選手もi-colorイエローなのです。
ゴールを決めた後もあまり表情を変えず黙々と誠実にプレーを続ける姿に共通性を感じます。

今季移籍先のフランクフルトで出場機会が少なめだと判断した大儀見選手は、1月のキャンプ時から早朝1人でランニングを行い、トレーニングや練習試合が終わった後もシュートやシャトルランの自主練習に取り組んできたと言います。また、
「これを乗り越えてこそ、また新たな成長した自分に出会える。そう信じて疑いません」
「アジア最終予選の10日間で5試合を戦い抜くためのコンディションをきちんと整えています」
と言い切っています。実績を積み上げないと自信が持てないi-colorイエローの彼女は、どこまでも自分を追い込み技術力やフィジカルを高める事で、なでしこのエースストライカーの役割を担おうとしているのでしょう。

◆不安感を補う策が必要

高校時代から注目されていた彼女は『期待の新星・女版釜本』と称されていました。しかし、まだ自分が納得する実績を残していないのに、日本一のプレーヤーである釜本さんの名前が付けられたのです。「嬉しい気持ち以前にその名前が大きなプレッシャーに感じられて嫌だった」と語っています。
最年少で日本代表に選出された試合でも光ったプレーは出来なかったと言います。
i-colorイエローは過度のプレッシャーがかかると委縮しやすいという面も持っています。本人もそれを自覚し自分なりに不安感を消せるメンタルコントロール法を見つけると良いのでしょう。
同じi-colorイエローの澤穂希選手は
「大事な試合の前夜は、翌日の試合で全ての選手が大活躍し皆で笑顔で抱き合っているシーンをリアルに想像しワクワクしながら布団に入る」
と話されていました。こうする事で心にある不安感を払拭していたのでしょう。大儀見選手にも是非マネてほしいところです!

◆合わせる技術より突き進む強さを

彼女が先週発売した本のタイトルは『結果を出すための「合わせる」技術』。自分独自のやり方で突き進み周りに追従させるのではなく、自ら相手に合わせるという発想は人志向タイプらしい考え方です。
ただし、今のなでしこには『メンバーに合わせるストライカー』より『圧倒的な決定力でメンバーを引っ張るストライカー』としての大儀見選手を期待してしまいます。
澤穂希選手が抜けた新生なでしこの初戦(オーストラリア戦)は黒星スタートとなりました。しかし前半終了間際のアディショナルタイムで大儀見選手は見事にゴールを決めています。
『大切な場面での決定力』
これは本人にとってだけでなく、なでしこメンバーにとって何より心強い支えになると思うのです。

◆ピンチの時こそ笑顔の声かけを

大儀見選手には孤高でクールな印象があります。プレー中も仲間に強く指示出しするシーンはあまり見られません。
以前のブログでも何度か書きましたが、なでしこメンバーは大半が人志向タイプという心優しい選手達の集まりです。お互いを思いやれる団結力の強さは他のどのチームにも負けないものがあります。しかし先取点を取られピンチになると、表情もこわばりプレーが委縮しやすいという事実も否めません。
そんな時、澤選手は誰よりも大きな声を出しメンバーの肩を叩きながら皆を鼓舞していました。少なくとも今のなでしこメンバーの間は、大儀見選手にも同じようにピンチの時こそムードメーカーとして皆の不安感を取り去るアクションを起こしてほしいと願ってしまいます。

◆まとめ

澤穂希選手が試合中になでしこメンバーにかけた「辛い時は私の背中を見て」という名言。控えめな大儀見選手がこのセリフを発するにはかなりの時間と勇気が必要でしょう。
それならば、大切なところで確実にゴールを決める事、そして常に他の選手達にも目を配りピンチでも前を向かせるアクションを取る事を実践して、皆の気持ちを率先してまとめ、なでしこの10番の役割を担ってほしいと願っています。
澤選手と同じメンタル特性を持った大儀見選手なら、きっとその役割を果たしてくれると期待してやみません!!頑張れ大儀見優季!!

(参考記事:http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201602250003-spnavi)

<関連ブログ>表彰シーンが物語るなでしこメンバーの共通点
http://makokouno.main.jp/wp/190/

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