「あなたの愛が重い」なぜ母と娘の関係はこじれやすいのか?

こんにちは。スポーツキッズコミュニケーターのMAKOです。

普段子育てのご相談に乗っていると、親と子の関係性には本当に様々なパターンがあります。特に「母と娘の関係性」は根が深く、母との関係が噛み合わないまま育った女性は、大人になり自身が母になった今でも心のどこかに母親の暗い影を宿したままの方が多いように感じます。そして先日、統計心理学を学ぶ仲間の1人がグループメールで母親に関する悩みを投げかけました。

母との関係性に悩む彼女

メールの冒頭は「母の束縛から逃れられないで困っています」という言葉でした。

彼女は20代後半。もう立派な大人の女性ですが母上は未だそれを認めていない様子。何か新しい事に挑戦しようとすると決まり文句で言われるのは「あなたには無理」という一言。大学生時代彼女が挑戦したい仕事(転勤の可能性もある総合職)の話をした時も「そんなのあなたには無理。転勤なんてあり得ない。恨まれてもいいから家に残って。これはあなたのためを思って言ってるのよ。」と真っ向から反対。その後1人暮らしを始める時も、毎日必ず自宅に電話を入れる事が条件になったそう。しかし2年が経ち「もう毎日の連絡はやめたい」と話すと「お母さんがどんなに心配しているのかわからないの?親がしてほしい事位もうわかる歳でしょ?」と自分中心な意見で反論・・・。

こんな風に彼女の母はあの手この手で自分の要望を娘に押しつけ続けてきたのです。そして彼女はいつからか「自分を育ててくれた恩義のある母に満足してもらうためには、私の意思は通さない方がいいんだ」と考えるようになり、自分が最も希望する道を諦めるようになったと言うのです。

このメールを読み「これはもうメールで話している場合ではない!」と思った仲間達は多く、皆で会って話しながら彼女の解決の糸口を見つける事になりました。

母の影響を引きずる女性は多い

そして集まって話してみると、自分の母の束縛話や強要話が出るわ出るわ。1人1人の話を語るととても書き切れませんが、それぞれの母娘関係の中から共通点がいくつか見えて来ましたので、それをまとめてみました。

こじれた母娘関係に見られる共通点

その1:第一子長女が母親の影響を最もダイレクトに受けている

今回話を聞いた女性陣でも、特に強烈に母親の影響を受けていたのは第一子長女が大半でした。

親にとって初めて授かった第一子は何にも代えがたい存在です。それが女の子となれば、一層大切に丁寧に育てられるケースが多いです。そして初めての育児で母親も常に緊張しながら子どもに接するため、第一子は几帳面で神経質なタイプが多いとも言われています。また、第一子は大切に育ててくれた母親への感謝の気持ちが第二子以降より強いため「親を裏切るような事はできない」「母の期待には全て応えなければいけない」という思いを強く持っているようです。それにより母親に反抗したい気持ちにも自然とブレーキがかかり、ひどい言葉かけをされても言い返せず自分の気持ちを飲み込みそれを受け入れてしまうのです。

今回、第一子長女が過去の言動を振り返り話している時「なんでそこで母親に反抗しなかったの??」と驚いた様子で問いかけるのは第二子以降の女性達でした。どうやら第二子以降は自由に(半ば放置状態で)育てられたため、自分の気持ちのままに素直に行動し、母親の言動に納得がいかない時はその場で反抗できていたのです。この違いはあまりに大きく、生まれ順の運命を感じざるを得ませんでした。

その2:母親のマイナスな言葉かけが娘の自己肯定感を下げまくっている

これは逆に捉えると、母の言葉かけが絶妙であれば、娘に非常に良い影響を与えられるとも言えます。娘が失敗して凹んだ時は優しく励まし、意思表示した時はそれを受け入れ、成果が出た時は誰よりも褒め共に喜ぶ事で、娘は自然とやる気や自信を身につけ、自己肯定感を持った大人に育つ事でしょう。

しかし母からマイナスな言葉を浴びせ続けられた場合、娘はいつしかその言葉を事実と捉えてしまい、自分の存在意義も自信も持てず、最悪の場合「自分は世の中に必要とされていない人間」とさえ思い込んでしまうのです。日々共に生活して言われ続けるがゆえの洗脳力の強さ。そしてどんな言葉でも「自分を産んでくれた母親、そして同じ女性として自分の先を生きてきた母親が言うのだから本当だろう」と信じてしまう未熟な娘の純粋さ。

自分が母になった今、娘への言葉かけの責任の重さと影響力の強さに計り知れない恐ろしさを感じました。

その3:父親が全く介入していない

その4:娘が母親に自分の率直な気持ちを伝えていない

今回集まった仲間の中に、過干渉母の元で育ったにも関わらず1人暮らしを始め母親の束縛から逃れた女性が1名いました。彼女が母親の束縛から抜け出せたポイントは2つ。
①父親が介入してくれた

彼女の父親は、妻と娘の両方の立場を理解し、妻には娘の独り立ちを応援するように促し、娘へは「おまえの好きな道を進ませてやるから、まずはお母さんを傷つけた言動を謝ってこい」と母親の立場も潰さないよう娘に行動を促していました。う~ん父親としてベストな対応☆☆☆全てのお父さん達がこうあってほしいものです!

一方、他の女性達の父親の対応を聞くと、母娘関係がこじれているほど父親の関わりが薄い事がわかりました。母娘関係が平行線のままになるか否かはお父さんの対応にもかかっているようです。

②母親に「あなた(母)の事は大切に思っているが、自分(娘)はもう大人で母から離れて自分の足で進み出す時期に来ている」と直接伝えた

過去のブログでも何度か触れていますが、親子であっても言葉で伝えなければ理解し合えない事って本当に多いのです。彼女の場合父上のフォローがあったからこそ勇気を持って本心を伝えられたのだと思います。

 まとめ

長年に渡り深い溝が出来てしまった母娘関係。簡単に解決できる問題ではない事を改めて突きつけられたトーク会でした。

彼女達の率直な気持ちを母親に伝えるのはかなり高いハードルです。そして母親が聞く態勢になっていなければ、いくら娘が勇気を振り絞って本音を語っても全く響かないでしょう。それどころか更に娘を傷つける言葉を返してくるかもしれません。
ここはタイミングと娘自身の覚悟が必須です。「どんな言葉を返されようと今の私なら受け止められる。大丈夫!」と腹落ちできた時が本音を打ち明けるタイミングであり、母親の呪縛を脱ぎ捨てる時なのだと思います。

母と娘、女同士だからこそ難しい間柄。傷が深くなる前に、娘は本音を溜め込まず早い段階から母親に率直にぶつけてほしい。そして母親も娘の本音をしっかり受け止め、自分が娘に行ってきた言動の重責に1日も早く気づいてほしいと切に願っています。

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