1月は春高バレーや高校サッカーなど、高校No.1を決める大会が続々と行われていました。私も春高バレーの観戦に行ってきましたが、予想以上の観客数にスポーツ観戦熱をあらためて体感できました!
昨年盛り上がったラグビーしかり、日本人はチームで一眼となって戦う団体競技に共感する人が多いように感じます。
しかし、指導者側からすると、レギュラー選手からベンチ入り選手、それ以外の選手まで、まんべんなく指導者の方針や思いを伝え切るのは至難の業でしょう。
高校サッカーでは、負けた直後の控え室の様子がTVに映し出されます。今回は、全国大会まで勝ち上がったチームの監督達が敗戦後にどんな言葉かけをしていたかに注目してみました。
◆選手への感謝
多くの監督から発せられるのは、選手達の頑張りを認める言葉と感謝の言葉です。
「最後までよく頑張ってくれた」
「めちゃ楽しいゲームだったな」
「〇〇校らしいプレーはできたな」
「俺をここまで連れてきてくれてありがとう」
「君達は素晴らしい」
「お前らは俺の誇りだ」
このように、選手を尊重し感謝を言葉で伝えられる、選手想いの監督の気持ちは、選手達にもしっかりと伝わっている事でしょう。そして「監督に恩返しするためにも頑張ろう!」という気持ちが自然と生まれる、よい流れができているだろう事がうかがい知れます。
◆勝ち負けより大切なこと
試合は50%の確率で負けるもの。そして、全国大会は負ければそこで終わりですから、負けた直後の選手達の悔しさと絶望感は計り知れません。
一方で、監督が指導で最も意識しているのも勝ち負けなのでしょうか?
敗戦後に名監督達が選手にかけた言葉は
「これで人生が終わりではない」
「これからも今までのように努力し続ければ、まだまだ成長していけるんだぞ」
「この景色をよく目に焼きつけておけ」
「また次に繋げようや」
「胸張って帰ろう」
「悔しかったら、もっとうまくなろうや」
これらの言葉から、名監督達が常に意識しているのは
★全ての選手が悔いなく全力を出し切れたか
★高みを目指すことで選手達が大きく成長できたか
なのだと確信できました。
◆青森山田高校 黒田監督の言葉
優勝候補筆頭の青森山田高校は、決勝戦まで勝ち上がりましたが、最後は静岡学園に逆転負けし、準優勝となりました。
決勝戦の直後、黒田監督が選手達にかけた言葉かけは
「この悔しい時間を迎えるのは耐えられない」
「しかし人生の中ではいいことも悪いこともある」
「優勝と準優勝がここまで違うのかという事もしっかり受け止めて、次のステップを踏み出していこう!」
そして最後は
「おめでとう」
の言葉で締めくくられました。
◆キングカズの高校生に対する姿勢
最後に、キングカズこと三浦知良選手が母校静岡学園の1回戦観戦後、控室で後輩達に取った態度に感銘を受けました。6対0で圧勝した後輩達に向けて
「いい試合を観せてもらいました。勉強になりました」
と言って頭を下げたのです。選手達は一瞬リアクションできずにいました。あのカズが自分達のプレーを観て勉強になったと言ってくれたのです!!
『こうべを垂れる稲穂かな』とはまさにこの事だと感じると共に、カズさんのような姿勢のアスリートにいつか高校サッカーの監督をしてほしい!!と願ってしまいました(^^)