皆さんは今までに競技系のスポーツをした経験がありますか?そのスポーツを始めたきっかけは何でしたか? 大半の人は
「やってみたら楽しかったから」
「親や兄弟姉妹がやっていたから」
「選手がカッコよかったから」
等が理由だったのではないでしょうか。もし、これから新たに競技スポーツを始める(またはお子さん等が始める予定)ならば、その際には
「性格的にそのスポーツが自分に適しているか」
も大切な指標のひとつに加えてほしいと感じています。
◆陸上リレー100m×4の場合
2016年リオ五輪で4×100mリレーに出場し銀メダルを獲得した 飯塚翔太選手は某トーク番組で「リレーの走る順番には、性格的な走順適性がある」と話されていました。
★第1走者:最も注目が集まる中でスタートダッシュがカギになる
→ 緊張感のある中でも最高のダッシュを切れる、マイペースで動じないタイプの選手が適している
★第2走者:選手が順番に入ってくる中でバトンを受け取り、直線コースを走り、バトンを渡す
→ バトンパスで混乱せずに冷静に対応できる選手が適している
★第3走者:選手が順番に入ってくる中で、コーナリングしながら走り、バトンを渡す
→「ここで抜かしてやる!」という勝ち気の選手が適している
★第4走者:バトンを受け取り、ラスト100mを走り切って結果が決まる注目の最終コース
→ ゴールをカッコよく決めたい、目立ちたがり屋の選手が適している
というメンタル面での適性の違いがある、と感じているそうです。五輪や世界選手権で 4×100mリレーを経験している飯塚選手からこのような話が出るのは、メンタルタイプ分析をもとにチームサポートしている私としても嬉しい話題でした。
◆個人競技かチーム競技か
数あるスポーツの中でまず考えてほしいのは、自分の性格が個人競技向きか チーム競技向きか という点です。
個人競技向きの性格は
- 自分1人で黙々と頑張りたい
- 自分の名前(個人)の成績や表彰状がほしい
- 1対1で競い合うのが好き
- 自分1人に対して多くの人から注目され称賛されたい
- 他人と協力したり話し合って進めるのが苦手・面倒に感じる
などが挙げられます。
それに対して、チーム競技向きの性格は
- 仲間と共に目標を目指したい
- 良い結果が出た時は仲間と皆で喜び合いたい
- 1対1で競い合う事にストレスを感じる
- 仲間と話し合い協力しながら進めるのが好き
- 仲間を励ましたりサポートするのが好き
などでしょう。
もちろん、適性より先に「そのスポーツが好き」という第一条件は外せませんが、もし自分のメンタル適性と合わない競技を選んでしまったらどうなるでしょうか。
仲間と一緒に戦う方が安心感がある人が個人競技の選手になった場合、試合のたびに過度の緊張やストレスに襲われ、なかなか実力を発揮できない可能性があります。逆のパターンで、自分独自のペースで行動したい人がチーム競技の選手になった場合は、試合で我を通したプレーをしてチームの流れを崩してしまったり、仲間のミスにイライラが募りつい失言を発してしまったり、、など、精神衛生上よくない状況に陥るケースもあるでしょう。
では「好きな競技が自分のメンタル特性に適さないかも・・」と感じる場合はどうすればよいでしょうか。工夫の仕方はあります。
例えば、走る事が好きでも1人で戦う緊張感がどうにも苦手なタイプならば、駅伝やリレーを選択したり、サッカーのように俊足を活かせるチーム競技を選ぶことで、個人競技の過度なプレッシャーからは免れることができます。
また、新体操が好きでも皆と合わせて演技する事にストレスを感じる場合は、個人の体操競技に変更することができます。
さらに、同じ競技でもシングルとダブルスがある競技であれば、自分のメンタル適性に合った方を選べます。
このようなちょっとした選択の違いが、その後のやる気やストレス度合いに大きく影響するのです。
◆メンタル適性を考慮する大切さ
人は何をする時でも、精神状態がベストでなければ力は出しにくいものです。好きな仕事をしていても人間関係が最悪であれば、仕事に対するモチベーションが上がらず最高のパフォーマンスは発揮できないでしょう。スポーツにおいても『メンタル適性』を考慮した方が、精神的に無駄な負荷がかからないため、モチベーションを高く維持したままその競技を長く継続でき、本番でも実力を発揮しやすいのは明白です。そして選手自身が「実力を出し切れた!」という納得感を得ることで、自己肯定感も高められ、自信を持ってまた新たな事に挑戦できる人間に成長していけると思うのです。
何事も楽しみながらストレスのない環境で努力を重ねて成長できるのが一番です!新しいスポーツ競技を始める際には、メンタル適性をぜひとも考慮してみてください。