【リオ五輪10】五輪の「涙」に見える志向の違い

最高の盛り上がりを見せたリオ五輪も終わってしまいました。五輪好きの私としては「あと1週間くらい見たい!」という気持ちですが、その思いはパラリンピックにぶつける事にします。

さて、今回の五輪は『仲間と心をひとつにして頑張る姿勢』『最後まで諦めずに果敢に攻める姿』など、日本人らしい底力が随所に見られ「私も頑張っていこう!!」と勇気づけられた人も多かったのではないでしょうか。

そんな中、様々な「涙」のシーンも見られました。今回は涙の裏にある思いについてi-colorをふまえながら考察してみました。

◆福原愛選手の「涙」

今回の五輪で「支えてあげなきゃ!」という思いで応援したのは、福原愛選手が一番多かったのではないでしょうか。2歳の時から泣きながらも諦めずに卓球をし続ける姿を見ている私は、親のような気持ちで見守ってしまいます。

福原愛選手のi-colorは、本質ブルー(直感志向)と外面イエロー(人志向)。生まれ持ったセンスの良さを活かして大きな世界を目指すi-colorブルーと、誰よりも人の気持ちを気遣える優しいi-colorイエローという違った2つの素質を持っています。そしてどちらのカラーも人をまとめる司令塔の立ち位置を得意としているため、キャプテンは適任だったと言えるでしょう。

「今回はキャプテンとして負けても勝っても私が動じたらダメだと毎日強く思っていたので『絶対に泣かない』って決めて頑張っていたんですけど、最後に勝って…泣いちゃいました」

福原選手の「涙」は、負けた試合後に我慢してきた「辛さ悲しさを表した涙」と、人一倍の責任感とプレッシャーに押し潰されそうになりながらも、耐え抜いて得たメダルに対する「安堵の涙」だったようです。「辛かったです」と本音をやっと発して涙する彼女に共感した人も数多くいるでしょう。

そしてもうひとつの涙の意味に「感謝」もあります。福原選手は、団体メンバーである石川佳純選手と伊藤美誠選手に対する「感謝」のコメントを繰り返し発していました。

金メダリストの金藤理絵選手(競泳)も同じくi-colorイエローです。彼女は試合直後、ここまで支えてくれた加藤コーチに対する感謝の言葉を繰り返し発言して、一時は「つき合っているのか?」と勘違いされる程でした。人志向のカラーを持った選手の涙には「支えてくれた人への感謝」の気持ちが多分に含まれているのです。

しかし、福原選手がアスリートとして勝利に貪欲になるためは、i-colorイエローの気遣いや優しさをもっと強く封印する必要があったようです。

福原選手が3位決定戦で対戦した相手は、1回戦で石川佳純選手を倒した北朝鮮の選手。過去の世界大会出場回数も少なく分析データのないダークホース的存在の選手です。直接戦ったチームメイトの石川選手から様々なアドバイスを受けて試合に臨んだのだろうと思っていました。
ところが、福原選手は

「(石川選手の)傷口をえぐるようで聞けなかった」

というのです。(引用http://www.nikkei.com/article/DGXMZO06331510R20C16A8000000/

自分のことよりも人の思いを優先するi-colorイエロー(人志向)の優しい面が出てしまったのは何とも残念です。とは言え、この優しさが多くの人を惹きつける福原選手の魅力のひとつであるのも確かなのです。

◆山口茜選手の「涙」

YamaguchiAkane2

リオ五輪で最も残念な試合の組み合わせは、バドミントン女子日本代表同士の奥原希望選手vs山口茜選手の対戦だったでしょう。

山口茜選手の本質カラーは自分志向のオレンジ。目標に向けて一歩一歩努力を続けられる長期戦を得意とするタイプです。その落ち着いた雰囲気から、若いのに年齢より上に見られる人も多いようです。i-colorオレンジのアスリートには、萩野公介選手(競泳)・羽生結弦選手(フィギュア)・高橋由伸監督(読売ジャイアンツ)等がいます。

過去6戦で奥原選手から1ゲームも取れていなかった山口選手は、この試合の第一セットを21-11で取りました。これは山口選手にとって大きな収穫だったことでしょう。試合後のインタビューでは

「笑って終わることは難しかったけれど、最後まで自分らしく戦えたんじゃないかなと思う」

次につながる試合になったと思うし、この経験は絶対次に生かしてもっと強くなりたい

と淡々と語り、静かに悔し涙を流していました。

自分志向(オレンジ・ゴールド・コーラル・グリーン)が流す涙の多くは「悔し涙」です。自分らしく出来なかったこと、そして目標に至らなかった自分自身に対する悔しい思いが涙になるようです。

今回メダルを獲った自分志向の選手は、萩野公介選手(競泳)・体操男子団体の4選手(内村・白井・加藤・田中4選手)・錦織圭選手(テニス)・伊藤美誠選手(卓球)・丹羽孝希選手(卓球)等がいます。自分の目標であったメダルを手にした彼らの表情は達成感に満ちた表情で、喜びの涙を流す人は少なかったのです。

発言からもわかる通り、山口選手は自分志向ですから、どんな辛い経験も自分の人生には必要不可欠なものと捉え、それを無駄にしないで生かしていこうと考えています。i-colorオレンジは特に負けず嫌いで、自分らしく勝つまでは歩みを止めない「ウサギとカメ」のカメのような底力を持っています。

4年後の東京五輪では、この悔しい経験をバネに必ずや自分の満足のいく結果を残してくれるでしょう!!

◆吉田沙保里選手の「涙」

最後は、五輪4連覇を果たせなかった吉田沙保里選手の「涙」です。試合直後にあそこまで号泣する姿を誰が想像したでしょうか。

吉田沙保里選手のi-colorは、本質カラーも外面カラーもブルー生粋の直感志向です。i-colorブルーは世界を舞台に第一線で活躍できる天性の素質を持った志向タイプです。i-colorブルーのアスリートには、谷亮子さん(柔道)・三宅宏実選手(重量挙げ)・バドミントンのタカマツペア・伊藤みどりさん(フィギュア)等がいます。

また、自分の立ち位置や周りの状況を察する能力にもひじょうに長けています。吉田選手は、レスリングの一代表選手としてではなく、日本代表選手を牽引するリーダーとして、国民からの期待を察して全てに応えようとしたのでしょう。日本の主将を務め、マイナスのジンクスがある旗手を2大会連続で引き受け、事前に個人の壮行会も開いています。どれも自ら望んだものではなく、周りの要望に応えての対応だったと思われます。頼まれると「できません」とは言えないのが、直感志向のプライドなのです。

直感志向は、先々まで見据えながら大きな世界に挑んでいますが、心の奥底に得もいわれぬ不安感を隠し持っていると言われています。その不安感を払拭するために、過酷な練習を続けて来られるのでしょう。

そして『家族の支え』もその不安を取り除く大切なものだったのです。子どもの頃からずっと自分に指導してくれ、前回のロンドン五輪ではセコンドを務めて近くで見守ってくれた父栄勝さんは今回はいませんでした。日々の練習と実績だけでは、彼女の心の不安を埋められなかったのでしょう。

試合直後に彼女は

「たくさんの方に応援していただいたのに銀メダルに終わってしまって申し訳ないです」

「主将として金メダルを獲らないといけないところだったのに、ごめんなさい」

と涙ながらに謝っていました。金メダルを獲れなかったことを残念がって喜ばない選手は見た事がありますが、こんなに心からの謝罪を述べたメダリストがいたでしょうか。どれだけ多くの人の期待を1人で背負っていたのかと思うと見ていて辛いものがありました。

彼女は表彰式後のインタビューでこう話していました。

「父がいないオリンピックは初めてだったので。助けてくれるかなってどっかで思ったのが間違いかなって…」

他人には決して弱みを見せずに、常に完璧を装う直感志向のi-colorブルー。直感志向の選手が流す「心の奥底に隠し持った不安」と「期待に応えられなかったショック」があらわになった涙を初めて見たように感じました。

◆まとめ

数々のアスリートの涙にも様々な理由があります。そしてどの涙も人の心に響くものがあります。志向タイプが同じ人の涙には特に共感できるのではないでしょうか。

自分のi-colorを知っていると、同じカラーの著名人の発言から励まされることも多いものです。ご自身のi-colorを知って、ブログ内の同じカラーの著名人を「検索」してみると何か新たな気づきがある事も。
ご自分のi-colorを知りたい方はこちらをご覧ください。

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