12日にフィギュアスケートのグランプリシリーズ第4戦(フランス杯)が行われ、女子では浅田真央選手が自己最低の9位に終わり、残念ながらグランプリファイナル進出を逃しました。左ひざの不調による練習不足が原因かと報道されていますが、今まで飛べていたジャンプも飛べない状況を見ていると、フィギュアスケートの繊細さと難しさを痛感させられます。
それに対し、15歳の樋口新葉選手はショート5位から追い上げ、総合3位でグランプリデビュー戦を華々しく飾り、新旧の明暗がはっきり分かれた試合となりました。
◆スピードのある滑りが印象的な樋口新葉選手
彼女の一番の強みは『スピード』です。「スケート靴にジェット噴射が付いているよう」と評される程スピードに乗ったスケーティングが印象的です。陸上の短距離走も得意と言いますから、強靭な脚力を持っているのでしょう。試合でも後半に体力が切れる事はなく、最後まで勢いのある滑りを見せてくれます。
◆負けん気の強さは演技にも好影響
もう1つの彼女の個性は『人一倍の負けず嫌いな性格』。今回の試合でも、ほぼ完璧なフリー演技の中、1度だけ連続ジャンプをミスして1回転のシングルジャンプになったものの、その後動揺するどころか、残りの2-2-2の3連続ジャンプを、2-3-2にレベルアップしてきました。グランプリデビュー戦にしてこのような挑戦ができるところにも、持って生まれた負けん気の強さを感じます。
試合直前の滑走練習でも、他の選手より先に一番にリンクに入る事を信条にしているとか。どこまでも、人より先んじていたいという思いが強いようです。
◆樋口新葉選手のi-color
樋口選手のi-colorはイエローとオレンジ。年々実績を積む事で不安を自信に変え、掲げた大きな目標に向かって諦めずに1歩1歩前進していく粘り強さを持っています。
以前は試合でミスをした後に涙を流すシーンもよく見られましたが、演技が安定してきた最近はそんな姿も見せなくなっています。
目標は「五輪で金メダルを獲ること」。世界選手権は?と聞かれれば、「世界選手権でも金メダルを獲りたい」と答え、更に「今シーズンはこの選手に勝ちたい」と他の選手の名前を挙げた発言もしています。
i-colorオレンジはじめ【独立タイプ】は、思った事をストレートに発言してしまう傾向があります。そして彼女は若干15歳。多少の失言は多めに見守ってあげたいところです。
本人は「目標をはっきり言った方がそこから逃げずに頑張れるから」ともコメントしています。どんな状況下でも気持ちで負けずに挑戦できるように、自分を追い込むための発言でもあるのです。
i-colorイエローとオレンジはどちらもマイペースで、子どもの頃からドンと構えた落ち着いた雰囲気を持っている人が多いです。
現在注目の若手フィギュア選手は、性格的に控えめな印象の選手が多く、彼女達と比べてしまうと、樋口選手の言動が強すぎると批判されがちですが、世界大会でも動じずにいつもの演技ができるこの精神力は、世界で通用するアスリートになるには必須なのです。
◆まとめ
どのスポーツにおいてもアスリートは、多くのファンに支えられて心身共に成長していくタイプと、ややヒール的な存在でアンチファンもいるものの、素晴らしい結果を残せる実力派タイプに二分するように感じます。朝青龍さん(相撲)・落合博満さん・江川卓さん(野球)などが後者の代表的アスリートでしょう。
フィギュアの新星、樋口新葉選手が「キム・ヨナ選手を目指したい」というのには頷けます。若い頃から何事にも動じないような風格があり、本番でもスケーティング・ジャンプ・表現、全て完璧にこなすキム・ヨナ選手と樋口選手は、どこか似た雰囲気を感じます。アスリートとしては頼もしく見守っていられるタイプの樋口選手に、是非とも日本の代表的フィギュアスケーターとなるべく、周りの雑音は気にせず大きく成長していってほしいです。
そして、彼女とは対照的に、日本中のファンがわが娘を見守るかのように、気持ちを込めて応援し支えたくなる雰囲気を持っている浅田真央選手。彼女が今のスランプを乗り切って、もう1度多くのファンの前で、浅田選手らしい輝きを放った演技を見せてくれる事も心から期待しています!
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