【サッカー日本代表】コメントに垣間見える選手のメンタルタイプ

サッカーワールドカップの一次リーグ戦が終了し、日本代表が薄氷の差で決勝トーナメント進出を決めてくれました!!

4年に1度の大事な大会に臨むこんな場面では、選手一人ひとりの想いが言葉にも表れやすいものです。特に今回の日本代表選手の中で、『独立タイプ』と『共感タイプ』の選手のコメントに大きな違いが見て取れました。いくつかピックアップして比較してみましょう。

◆独立タイプ選手のコメント

「人は人、自分は自分。各自が全力を出せばよい」と考える傾向が強い独立タイプぶれない独自の考えを持ち、自分なりの目標に向かって1人黙々と進んでいく、ぶれないメンタルの持ち主です。この特性を生かして、個人競技で活躍している独立タイプの選手が数多くいるのも納得できます。

今回のワールドカップ日本代表選手を見てみると、一次リーグに出場した独立タイプの選手は

本田圭佑・香川真司・乾貴士・宇佐美貴史・原口元気  (敬称略)

と、攻撃力を持ったストライカーばかりです。

独立タイプは「チャンスがあれば自分で得点を取って結果に繋げたい!」と考える傾向が強いため、メンタル面だけで言えばFDが向いていると言えるでしょう。

そして上記選手5人のうち4人が、どんなピンチの場面でも「何とかなる!」と考えられる逆境に強いポジティブ思考だったのです。彼らのワールドカップに向けたコメントと試合後のコメントを聞いてみると下記の通りでした。

「自分を信じて戦えば、必ず結果はついてくる」(原口)

「過去の試合での悔しさは自分の力で打破するしかないし、結果で見せるしかない」(香川)

「相手チーム(コロンビア)の応援の方が多かったが、かえって燃えた」(香川)

「(交代したタイミングは)最悪の状況だったが、もうやるしかないと思った」(本田)

(ポーランド戦の最後のボールキープ戦略について聞かれ)
「結果を出すためには最高の采配だったと思う」(本田)

まさに独立タイプの口グセでもある『自分』『結果』というワードが多く出てきます。また「逆境に立ち向かう強い思い」も感じられます。

本田選手が常日頃言っている

「あらゆる大会で結果を残すことが目標。それを実現するために、一日一日努力を積み重ねて準備するだけ」

というのが、まさに独立タイプの信条そのものなのです。

 

◆共感タイプのコメント

共感タイプは、自分一人の活躍よりも、チーム全体で気持ちをひとつにして戦い、共に喜び合いたいと考える傾向があります。

この特徴が最も顕著に表れていたチームは、澤穂希キャプテンのもと世界一になったサッカー女子日本代表のなでしこチームです。世界一になった時のなでしこチームは、佐々木監督はじめ、主要メンバーの大半が共感タイプでした。

澤選手を慕うメンバー達の仲の良さは有名な話です。厚い信頼関係を築き、強固なチームワーク力を発揮していました。(なでしこについては下記ブログをご参照ください)

ブログ|【サッカー日本代表のi-color分析】表彰シーンが物語るなでしこメンバーの共通点http://makokouno.main.jp/wp/190/

 

では、サッカー男子日本代表の共感タイプは誰でしょうか?一次リーグに出場した選手の中で共感タイプの選手は

川島永嗣・長友佑都・大迫勇也・武藤嘉紀・柴崎岳・山口蛍・酒井宏樹・酒井高徳 (敬称略)

と、独立タイプより多めで、ポジションも多岐に渡っています。チームの勝利に貢献するべく、献身的にプレーする姿が印象的な選手陣です。そして、今回大役を任された西野監督も共感タイプです。

西野監督について聞かれた柴崎選手は

「西野監督は試合前に勇気づける言葉かけをしてくれました」

「一体感を大切にしている監督だと思います」

と答えています。

共感タイプ選手のコメントを聞いてみると

「日本のファンの声援を背に戦いました」(柴崎)

「選手だけでなく、スタッフやサポーターと共に次の試合に臨みたいです」(柴崎)

「勝ち切れず申し訳ないです」(初出場後にインタビューを受けた武藤)

また、前半2試合であり得ないミスを連発したGK川島選手は、ポーランド戦前の記者会見で

「ここまで仲間に助けられてきたので、今度は自分がチームを助けられるようにプレーする」

と宣言し、ポーランド戦では見事スーパーセーブを連発してくれました。そして、決勝トーナメント進出を決めた後には

「選手1人1人の気持ちが結果に繋がったと思います」

「もう一度気持ちをひとつにして次に向かっていきたい」

と話しています。

このように、共感タイプのコメントからは『気持ち』『ファンやスタッフ』『仲間』というワードが多く聞かれます。

ワールドカップという短期戦で2試合連続でミスプレーをしてしまった川島選手を、あえて記者会見場に出させた西野監督。そこには

「おまえを信じている。ポーランド戦も頼んだぞ」

と暗に伝えているかのように感じました。こうして、西野監督が各選手の気持ちを考えながらコミュニケーションを取り信頼関係を深めていった結果、今回のように短期間でも選手達の気持ちをひとつにまとめることができたのではないでしょうか。

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決勝トーナメントの相手は、ヨーロッパ予選から負け知らずで絶好調のベルギーです。しかし、世界ランクの差が勝敗に比例するとは限らないのがサッカーの面白いところでしょう。コロンビア戦のように、日本代表選手のベストプレーが数多く見られることを期待して応援しましょう!!

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