新学期の習い事_兄弟は同じクラスでよいの?

4月に入り新学年のスタートと共に、習い事も新クラスがスタートします。弟や妹が小学校に入学するタイミングで、兄や姉と同じ習い事に一緒に通い始めるケースも多く見られます。同じ時間に兄弟同時に通えると、送迎がまとめてできるメリットがあるため親としては助かりますが、子ども達はどう思っているのでしょうか?

私の教室での実例と子どもの心理タイプをもとに、兄弟一緒に通わせるのがプラスになるタイプと、マイナスになるタイプに分けてまとめてみました。

 

◆兄弟同じクラスに通わせた方がよいタイプ

【人見知りで緊張しやすい子】

統計心理分析では【共感タイプ】に多く、お初の場所に1人で入るのがひじょうに苦手な子達です。慣れ親しんだ友達が1人もいない場所では、普段と様子が一変して急におとなしくなってしまうこのタイプのお子さんは、年齢の上下に関係なく兄弟・姉妹と同じ教室に入った方が、緊張が溶けて素の自分を出しやすくストレスなく通う事ができます。

私の教室でも、今まで一番おとなしくて声も小さかった生徒さんが、弟が同じクラスに入るやいなや急に甲斐甲斐しく弟の世話を焼きながら、弟の見本になるべく大きな声で返答してくれるようになりました。幸いにも弟も同じ共感タイプだったため、毎回2人隣に並んでピッタリくっつきながらレッスンを楽しそうに受けています。

 

【負けず嫌いな弟・妹】

統計心理分析では【独立タイプの弟・妹】に多く見られます。アスリート(日本代表選手)でも、このタイプが最も多いように感じます。独立タイプの弟・妹は「いつか兄・姉より上手くなってやる!」という思いを強く持ち、それを目標に努力し続けます。そして気がつけば、マイペースな兄・姉より早く昇段したり、レギュラーに選抜されたりするのです。

ここで、兄・姉がプライドの高い直感タイプの場合、表面的には見せずとも、弟・妹に越された事で内心かなり傷ついています。親御さんはそんな兄・姉に対し、場を移して兄・姉が得意な事に話題を切り替えたり、気分転換できるようなサポートをしてあげてください。

兄・姉が心優しい共感タイプの場合、大好きな弟や妹が活躍する事自体は『自分の家族の活躍』と捉えるのでさほど問題はありません。それよりも、両親の注目が弟・妹に取られることを最も嫌うため、弟・妹が活躍しても兄・姉の前では大げさに喜ばず、兄・姉の隣に座ってスキンシップを取ったり、いつも以上に優しく接するように心がけてください。

 

◆兄弟別のクラスに通わせた方がよいタイプ

【負けず嫌いな兄・姉 × おとなしい弟・妹】

統計心理分析では【独立タイプの兄・姉 × 別タイプの弟・妹】に多く見られます。兄弟(姉妹)で同じクラスにいると、普通であれば年上の兄・姉の方が上手にできてしまうもの。そして独立タイプの兄・姉は遠慮なく思ったことを発言しがちです。うまくできない弟や妹に対しても
「こんなこともできないの?カッコわるー!」
なんて辛辣な言葉を発してしまう事がよくあるのです。

ここで弟・妹も人一倍負けず嫌いな独立タイプだと
「二度とあんな事言わせないぞ!」
と闘志を燃やして頑張るのですが、違うタイプの弟・妹の場合、モチベーションは下がりまくりです。さらにこのまま一緒に通い続けると、弟・妹は毎週イヤな思いを重ねていき、その習い事自体が嫌いになってしまう可能性がありますので注意が必要です。
下のお子さんが習い事の後いつも浮かない表情をしていたら、親御さんはしっかり話を聴いて、違う曜日に変更する等の対応をとってほしいところです。

 

【完璧主義な弟・妹】

統計心理分析では【直感タイプの弟・妹】に見られる傾向です。学校では比較的何でも標準以上にできてしまうこのタイプの妹が、私の教室に兄と一緒に入ってきたことがあります。すると、妹は理解していそうなのに全く答えず黙ってしまう事が多々ありました。そこで親御さんとも話し合い、兄妹別のクラスに分けたところ、妹が今までとは別人のように生き生きと元気に答えているのです!
「以前のクラスではどうして今みたいに答えなかったの?」と聞くと
「お兄ちゃんみたいに上手に言えないから・・」
と恥ずかしそうに答えてくれました。常に正解を答えて周りからも「すごい!」と言われたいこだわりを持っているタイプなので、兄より上手に言えない自分を他の生徒達に見せたくなかったのでしょう。

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新年度スタートのこの時期は、兄弟姉妹の様子にいつも以上に目を向け、本人の気持ちを聴く時間を取って、不要なストレスをなくすようにサポートしてあげてくださいね。

※お子さんの統計心理タイプは下記著書の巻末表で調べられます ↓

 

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