東京五輪は、日本選手陣の素晴らしい活躍により過去最多のメダル数を獲得して終わりました。
今回もアスリート達の心理タイプを調べて考察していましたが、その中でも特に特徴的だったのは女子バスケット日本代表チームでした。
◆女子バスケット日本代表チームのメンタルタイプ傾向
女子バスケット日本代表選手の統計心理タイプを調べてみたところ、ひじょうに共通点の多い選手の集まりでした。i-color（統計心理タイプ分析）では、その人が生まれ持った素質タイプに加えて、人と接する時に見せる傾向や、決断時に重要視するポイント等の傾向性も調べられます。女子バスケット日本代表選手のi-colorをまとめたのが下記の図です。
ひとつひとつのカラーの説明は省略しますが、選手が持っているタイプカラーで多いのは『レッド・ターコイズ・ゴールド』でした。この３つのカラーを持ったアスリートの特徴は
☆ポジティブ＆アグレッシブ
☆臨機応変な対応能力が高い
☆短期的集中力が高い
☆怒られても引きずらないサバサバタイプ
☆明確な大目標に向かって頑張れる
☆世界大会などの大舞台で力を発揮できる
などがあります。
精神年齢で言えば、明るさとパワーに満ち溢れた無邪気な子どものようなタイプが全体の７割以上。そのメンバーをまとめている主将高田真希選手は、冷静にチームの状況やその場の空気感を読んで大人な対応を取れる面（＝ブルー）と、大半のメンバーと同じく明るくパワフルな面（＝ゴールド・レッド）を合わせ持っていました。
◆トム・ホーバス監督の愛ある厳しい指導
東京五輪の試合をＴＶ観戦した方はおわかりの通り、ホーバス監督は丁寧な日本語を使うものの大声で厳しい指示を出す監督です。眉間に深いしわを寄せながらかなり怖い表情を見せていました。
しかし、前述の通りアグレッシブでサバサバしたタイプの選手達は、必要以上にビビる事もなくプレーしているように見えました。五輪後のインタビューで真瓜エブリン選手が「とにかく監督が怖いんです！！」と笑って話していましたが、そんな風に明るく話せてしまう点からも、選手達が監督を心底恐れていない様子が垣間見えました。
ホーバス監督は、現役時代アメリカで目立った成績を残せない中、日本企業（トヨタ自動車）のバスケットチームに入団。日本で４年連続の得点王・２年連続の３ポイント王として大活躍し、その後ＮＢＡからお声がかかったという経歴の持ち主です。日本に対する感謝の思いは人一倍強く持っているのでしょう。
ホーバス監督の素質タイプは、大切な人や大好きな人のために行動できる共感タイプのピンク。また、仕事面で見せる外面タイプも同じく共感タイプで、司令塔として指示出しし全体をまとめるのが得意なイエローです。「お世話になった日本のために、日本のバスケットを強くして恩返ししたい」という思いを持った上での厳しい指導だったのでしょう。
また、海外の監督でありながら全て日本語で指導するのはひじょうに稀です。「多少間違えていても日本語で伝えた方がインパクトがある」という発言からも、選手達と心から理解し合いたい思いが感じられます。そして練習の合間に日本語学習アプリを使って勉強したり、代表合宿では練習後に選手と個別に話す時間を増やす等の努力を積み重ねた結果、今のように流暢な日本語で指示できるようになったのですから凄いものです。
◆監督とメンバー間をうまくまとめた高田真希主将
ポジティブ志向で元気いっぱいの選手達と、熱い思いで厳しく指導するホーバス監督。その間の空気感を読み取りながら双方の思いを伝える役割を果たしたのが主将の高田真希選手です。チームメンバーのノリにも溶け込みながら、冷静な判断力でチームをひとつにまとめていったのでしょう。全てがうまく噛み合って完成した上昇志向チームのパワーが東京五輪の大舞台で存分に花開いたのです！
ホーバス監督が掲げ続けた『アメリカを倒して金メダルを獲る』という目標を共に口にし続け、とうとうアメリカと決勝戦で戦う夢を叶えた高田選手は、銀メダル獲得後「言霊って本当にあるんだなと思いました」としみじみと話していました。諦めずに大きな目標を目指す大切さを実感した、心からの言葉のように聞こえました。
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アメリカ始め海外のチームからも称賛された日本女子バスケットチーム。今後は様々な対策を取られるでしょうが、厳しい練習の上に成り立った正確な３ポイントシュートや、予想を超えた数多くのフォーメーションを駆使して最後まで走り続ける運動量は、他国にはマネできない大きな強みです。それに加えて、彼女達の持つ明るさとアグレッシブさを今後もキープしたまま、より一層強く成長していってほしいと願っています！
