日本人らしさと笑顔で楽しむマインドの重要性

私の大好きなオリンピックが終わってしまいました。東京での五輪開催が決定して以来、心の底から楽しみにしていた東京五輪。それがコロナ禍で無観客開催になってしまい、ガランとした国立競技場での小規模で静かで簡素な開会式を見ながら、無性に悲しくなっていました。しかしそれに反して、日本選手達が予想以上に大活躍してくれたおかげで、驚きと共に喜び、感動、尊敬、感謝、など様々な思いに包まれた記憶に残る五輪になりました。

日本選手陣の活躍ぶりを見て特に印象的だったのは、過去の五輪では見られなかった『笑顔で試合を楽しむ日本女子選手陣の姿』でした。それが特に際立っていた選手を何人かピックアップしてみます。

◆入江聖奈選手(女子ボクシング)

以前大学のコーチから試合直前に「笑顔でね」と言われて以来その約束を守り、本当は緊張しているけれど最高の笑顔で入場すると心に決めているという入江選手。東京五輪でも驚くほど満面の笑みで入場し、試合中もセコンドのアドバイスを聞きながら笑顔で頷いている姿が見えました。格闘技系の競技でこんなに笑顔を見せる選手は珍しいでしょう。

そして決勝戦終了後、判定結果が出た瞬間の入江選手のリアクションが下記の写真です。

喜びの感情がストレートに表れる選手は、応援している側にも大きなパワーを与えてくれます(^▽^)

 

◆四十住さくら選手(スケートボードパーク)

ブログでも以前から注目していた四十住さくら選手。五輪前のインタビューでは

「メダルが獲りたいとか優勝したいじゃなくて、練習した事を全部出し切れたらいいかな」

と答えていました。その言葉通り、東京五輪では予選から笑顔でのびのびと得意技を披露している姿がひじょうに印象的でした。メダルを第一目標に掲げてはいなかったものの、「毎日3時間以上かけて練習場まで車の送迎をしてくれていたお母さんに金メダルをかけてあげたい!」という思いは心に強く秘めていたそうです。脳科学的観点からみると「頭で具体的に強くイメージすると脳がそれを現実にするべく活発に動き出す」と言われています。四十住選手の場合、

☆練習した事を全て出し切った演技

☆お母さんに金メダルをかける

という2つの強いイメージングが実際の最高の演技に繋がったのでしょう!

◆開 心那選手(スケートボードパーク)

12歳の開心那選手に至っては、東京五輪の予選の後半で「練習していない技をやってみたらできた」という凄い本番強さを見せていました。解説者曰く「自分で「ゾーンに入った!」と感じる時はいつも以上の技が成功する」と話していました。そして銀メダル獲得後のインタビューでは「まったく緊張しなかったし本当に楽しかった!」と笑顔で言ってのけていました。若干12歳ですから、日本代表の重責を背負う感覚がないのが、自然体で演技できる理由のひとつなのかもしれません。

◆伊藤美誠選手(卓球)

卓球王国中国を倒すのが日本卓球界の長年の目標でしたが、水谷準選手と伊藤美誠選手の男女混合ダブルスで、とうとう日本が念願の金メダルを獲得しました。この試合(決勝戦)中に、伊藤選手が何度も笑みを浮かべる姿が見えました。彼女の場合、力が入り過ぎないようにあえて口角を上げて自分をリラックスさせているように感じました。しかし、試合後のインタビューでは「本当に楽しかったです!」とハイテンションで話していたので、自然に出たスマイルでもあったようです。

その後の個人戦では苦戦を強いられ本人も満足していない様子でしたが、水谷選手との試合ほどスマイルは見られませんでした。やはり笑顔を出せる精神状態の方が本領は発揮できるのかもしれません。

◆高田真希選手(バスケットボール)

女子バスケットボールヘッドコーチのトム・ホーバス監督が掲げた「強豪アメリカを倒して金メダル獲得」という目標を共に目指してきた主将の高田選手。始めは「五輪6連覇中のアメリカに勝つなんて」と感じていたそう。しかし、監督の指導の下200以上のフォーメーションを覚えながら過酷な練習を積み上げ、日本らしい戦い方を構築しながら、本気で金メダルを目指している監督を信じて、この目標を共に口にし続けてきたと言います。そしてとうとう東京五輪の決勝で強豪アメリカと戦える日が来たのです!本人も「言霊ってあるんだな」と話していましたが、常に言葉に発して目指す事がそれを現実に近づける道のひとつであると証明してくれました。

決勝戦ではアメリカとの点差をなかなか縮められないものの、好プレーが出ると高田選手を筆頭に全員が満面の笑みで反応し、最後まで諦めずに走り続けていました。そして試合後のインタビューでは

「力を出し切りました!」

「楽しかったです!」

と笑顔で答えていました。記念撮影では選手全員が清々しい笑顔で達成感を感じている事が感じ取れ、「これこそがスポーツの素晴らしさだ!」と感動しました。

◆日本人ならではの特性を伸ばす

各競技でメダルを獲得した選手達に注目してみると、共通して聞こえてくるのは『海外の選手では耐えられないほど厳しい練習を長年続けてきた』という点です。日本人らしい真面目さ、忍耐力、秘めた闘志を活かした練習を継続する事で「日本人でも勝てる!」という自信を備え、試合本番は思い切り楽しむという気持ちで臨むのが、日本人選手にとって最善の形なのでは?と強く感じた東京五輪でした。

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