フィギュアグランプリ大会のシーズンがやってきました。現在フィギュア日本女子は若手選手の成長が著しく、日本代表候補が多数競い合っている状況です。エースの宮原知子選手を筆頭に、平昌五輪で実力を発揮した坂本花織選手、トリプルアクセルを完璧に決めてくる紀平梨花選手、平昌五輪枠を惜しくも逃した樋口新葉選手、ジャンプミスが少なく繊細な演技で魅了する三原舞依選手・・と、名前を挙げ切れないほどです。
そんな中、メンタル面で期待を持てる若手選手がもう1人現れました!山下真瑚選手です。
◆愛知出身の真央二世
山下選手は、フィギュア選手を多く輩出している愛知県出身。7才からフィギュアスケートを始め、今春浅田真央さんと同じ中京大学附属中京高校に入学したばかりの高校1年生です。
そしてコーチは、伊藤みどりさんや浅田真央さんなど数々の日本代表選手を育て上げた山田満知子コーチと、宇野昌磨選手のコーチでもある樋口美穂子コーチの指導を受けている山下選手。
山田満知子コーチ曰く
「真瑚はフィギュアの技術をバランス良く持っている選手。私は真瑚のジャンプは好き」
と山田コーチのお墨付きの技術力を持っているようです。ジャンプの高さは、伊藤みどりさんを彷彿させるものがあります。
◆年齢以上の落ち着きとメンタルの強さ
そして、山下選手のもうひとつの魅力は、メンタルの力です。今回のグランプリ大会は人生初のシニアデビュー戦。それにもかかわらず彼女は
「リンクサイドに入った時にお客さんがたくさんいるのを見て、頑張れるなと思った」
「滑っている時からずっと楽しかった」
と緊張から来る硬さなど全く感じず、大舞台を楽しんで演技していたのです。楽しそうに滑り切り、最後に審査員に向け満面の笑顔を振りまいた彼女の姿は、浅田真央さんのデビュー戦での演技を思い出させてくれました。
本番での緊張度合は、生まれ持った素質の違いが大きく出やすいところ。山下選手のi-color(統計心理分析タイプ)は、独立タイプのオレンジ。浅田真央さんのi-colorゴールドは、同じ独立タイプでも子どもっぽい素朴さを持っていますが、i-colorオレンジは精神年齢が高めで、子どもの頃からどっしり構えた安定感と落ち着きを持っています。フィギュアで山下選手と同じi-colorオレンジの著名な選手は、羽生結弦選手とキム・ヨナ選手です。この2人を見ればイメージがつきやすいでしょう。
今大会演技後のキス&クライでもその素質が垣間見えました。
デビュー戦でパーソナルベストの好成績が出た直後の写真です。樋口コーチが喜んで手を叩いている隣で、山下選手は口を一文字に閉じたまま何度もうんうんと頷いていたのです。自分でも納得できる演技ができ、それに点数が見合っていた事をじっくり味わっているかのようでした。それはまるでベテラン選手の様相(笑)で、デビュー戦とは思えない落ち着きっぷりでした。
技術面・精神面どちらも個人選手向きの山下真瑚選手。彼女の今後の成長と活躍から目が離せなくなりそうです!