清宮選手を大きく飛躍させる球団監督は?

高校通算111HRという歴代最多記録を残した清宮幸太郎選手。彼の進路希望が注目されていましたが、先日記者会見を行いプロ野球選手の道を選択したと発表しました。

技術面では申し分のない清宮選手。しかしアスリートには精神面も重要な要素のひとつになります。彼のメンタル特性を上手に引き出し、プロ野球界でも名を残せるように大きく飛躍させてくれる監督は誰でしょうか。

◆清宮選手のi-color

i-color(統計心理分析による価値観傾向)を見てみると、清宮選手の本質カラーは【共感タイプ】のバイオレット、外面カラーは【独立タイプ】のゴールドでした。

役割を与えられると【独立タイプ】面が発動して1人で頑張ろうと努力しますが、本質的には仲間と信頼関係を深め皆で心をひとつにして戦いたい【共感タイプ】志向の持ち主です。

これだけの大記録を残しても、高校やWBCでキャプテンになっても、自ら山の上に立たはだかる事なくどこか控えめで、つねに精一杯声出ししてチームメンバーをサポートしている清宮選手。そして優勝を逃した時は責任感から涙を流してしまう、心優しい一面を持った選手なのです。
インタビューでも、自分の事よりチームの仲間や監督・親への感謝の言葉を繰り返し話すという共感タイプの特徴がいつも見られます。

◆i-colorバイオレットのアスリート

「共感タイプはメンタルが優し過ぎてアスリート向きではないのでは?」と聞かれる事もありますが、必ずしもそうとは言い切れません。第一線で活躍しているアスリートの中にも清宮選手と同じ i-colorバイオレットは存在します。

柔道日本代表監督の井上康生さん、レスリングの登坂絵莉選手、競泳の入江陵介選手
野球界では、古田敦也さん・阿部慎之助選手・小林誠司選手・石原慶幸選手・會澤翼選手など、ピッチャーを支えるキャッチャーに多くみられます。また、投手ではダルビッシュ有選手・大谷翔平選手も同じバイオレットです。

◆現在のセパ監督陣のi-colorタイプ

では、清宮選手を指導する可能性のある各球団監督のi-colorタイプはどうでしょうか。
辞任を発表された2名(真中満監督・伊藤勤監督)を除いて調べてみると、10球団中7球団の監督は【独立タイプ】でした。自分のやり方に確固たる自信を持ち、頑なに押し通す芯の強さがある人達。ベンチでも寡黙に厳しい表情を見せている方々が多いようです。
そして、頭の回転が速く自分の直感を活かした采配をする【直感タイプ】は0名、残る3名が清宮選手と同じ【共感タイプ】でした。その3名とは、

栗山英樹監督(日ハム)・辻発彦監督(西武)・A・ラミレス監督(DeNA)

です。

3名の監督の共通点は、個々の選手のメンタル(気持ち)と丁寧に向き合っている事でしょう。

栗山監督(日ハム)

選手に話をする時は、相手がどう受け止めるか細かく意識して、一言一言慎重に言葉を選んでいる。言葉の取り違いでこちらの気持ちが正しく伝わらない事があってはならない

という発言からも、常に選手側の気持ちを考えながら慎重に事を進めている姿勢が感じ取れます。バッターが不振で打てない時もすぐに降ろさず粘り強く起用し続ける戦術も、選手との信頼関係を深める要因になっているのでしょう。

ラミレス監督(DeNA)

プロ野球選手として活躍できる選手とできない選手がいます。その差を生むのは間違いなくメンタル面の強さです。ですから私はフィジカル面を向上させる努力は当然しますが、それ以上にメンタルを強く保つための努力を大切にしています

と話しています。

辻監督(西武)の現役時代の印象深いシーンは、1987年 西武vs巨人の日本シリーズ最終戦です。あと1アウトで西武が日本一決定という場面で、巨人に対する様々な思いがこみ上げた清原選手が守備中にもかかわらず一塁上で涙を流し始めたのです。その時一番にかけ寄って清原選手の肩を叩いて声をかけたのが辻選手でした。

今回の監督就任会見では

僕としては『選手を見てあげる』のが一番大事だと思います。選手は監督やコーチから見られているのは嬉しいし、期待されていると思って頑張れる。監督・コーチ・選手間のコミュニケーションを最重要視していきたい

と力説されています。

また、【共感タイプ】には指導者として大成された方が数多くいます。

前述の柔道の井上康生監督始め、なでしこを世界一にした佐々木則夫元監督、シンクロの井村雅代コーチ、競泳日本代表の平井伯昌コーチ、青学陸上部の原晋監督、テニスの松岡修造さん等々。
自分が一番目立つ事よりも、手塩にかけて育て上げた選手達に光が当たる事を自分事のように喜べる志向の持ち主ですから、指導者はまさに天職なのでしょう。

◆i-color で見たオススメ球団

球児の人生を決めるドラフト会議。『複数チームから指名があった場合クジで決める』というルールもそろそろ改善できないものかと思いますが、今は通らねばならない道です。

統計心理分析的観点から見ると、清宮選手は日ハム・西武・DeNAのいずれかに入団するのが、監督との相性が良くメンタル面でストレスなく成長していけると考えられます

もし【独立タイプ】監督の球団に入団が決まった場合は、清宮選手のメンタルサポートができる【共感タイプ】の打撃コーチや先輩バッターが教育担当になるのが最善策でしょう。

とにもかくにも、清宮選手がプロ野球選手として大成できるか否かは、10月26日のドラフト会議が大きなカギになりそうです。

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