進学校の最後の選択権は親?子ども?

中学受験は終盤を迎え、各自進路が決まってきた頃でしょう。
第一希望校に合格した子、友達は合格したのに自分は不合格だった子、本番で実力を発揮し切れなかった子など様々なドラマがあったと思われます。
この時期を迎えると思い出すのはわが娘2人の受験当時の様子です。「なるようにしかならない。とりあえずできる限りの力を出してくるわ」と比較的落ち着いて本番に向かった長女。それとは真逆で、本番直前に緊張がMAXになり、学校入口で私のもとを離れるタイミングが掴めず、何度も呼吸を整えたり私と握手したりしながら時間を取り、ようやく気持ちが整ったところで受験会場に入って行った次女。同じ娘でも、本番での気持ちの持ちようは大きく違いました。

◆進学校の決定権は本人に

中学受験の場合、受験生がまだ12才という事もあり、つい親主導で進路を決めがちです。しかし、無事複数の学校に合格した場合、どの学校に通うかは是非とも本人の意志を第一優先にしてあげてほしいのです。

わが家は娘2人だけでなく私も含めると3人共に、合格した中学複数校から1校を選ぶ際、親の意向ではなく自分自身の希望を通して学校を選んでいます。

まず私の場合。大人になってから考えると「選ばなかったもう1校の方が私には合っていたかも」と思うことは何度もありました。しかし、「自分で選んだ」という事実があるため、そこは納得せざるを得ません。もしあの時親の意向で学校を選択していたら、その後何度となく後悔し、親に対しても「なんでこの学校を選んだの?」と不毛な問いをぶつけていた事でしょう。しかしこれは隣の芝が青く見えるのと同じこと。通っていない学校は実際の姿以上に良い点ばかりが目につくもの。いざその学校に通ってみれば、外からは見えない嫌な面も見えて来るのでしょう。こればかりは1人1校しか経験できないのですから、「住めば都」と考えるしかないのでしょう。

次に長女の場合。彼女は堅実な思考とリスク対策的視点から「中学から大学まで繋がっている付属校がよい」と考え、合格校の中から付属校を選びました。おかげで大学受験はせずに済んだわけですが、それ以上に中高6年間でのクラブ活動やバイト、ボランティア活動等、大学受験生には時間が足りずに経験できないような中身の濃い時間を過ごしていたように感じます。

最後に次女の場合。彼女は今になって「この中学校を自分で選んで本当によかった!」と実感する日々が続いています。彼女は合格した学校の中からチャレンジ校(偏差値が実力より高い憧れの学校)をあえて選ばず、実力に即した学校を選んだのです。
詳細は下記URLの過去ブログに詳しく書いていますが(http://makokouno.main.jp/wp/1772/)かいつまんでお伝えすると、彼女が自分で選んだ学校には下記のような利点が揃っていたのです。

・プライドが高い次女の性格上、チャレンジ校に進学していたら、校内成績が振るわず勉強する意欲をなくしていたと思われる
・自分で選んだ学校内では学年上位の成績を狙えるため、それがモチベーションになり、受験当時より勉強意欲が増した
・面倒みがよい性格のため、友達に勉強を教えられ感謝されることがこの上なく嬉しい
・友達に勉強を教えることで自分の勉強の定着率アップにも繋がっている
・人前で話をするのが大の苦手だったが、プレゼン発表や討論会の機会が多い学校を選んだため、回数を重ねることで緊張せずに話せるようになってきた
・勉強以外の時間を割く余裕があるため、クラブ活動や友達との時間も十分に楽しめている

等、ざっと上げてもこれだけの利点があったのです。若干12才ながら冷静に自分の性格を分析し、プライドが高くストレスに弱い自分が心地よく過ごせそうな学校を自分で選択できたのは凄いことです。そして、親がまだまだ未熟だと思っている子どもも、いざとなればしっかり考える力を既に備えていることに気づいてあげてほしいと思います。

今になって改めてよかったと母娘で実感しつつ、この時期、12才の『小さな大人』達が、自分の頭を精一杯使って自分の進むべき道を選び出すことを心から願っています。

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