字には本当の個性が表れる

ある書道の先生とのご縁により、昨年末から書道を習い始めました。
私が書道を初めて習ったのは幼稚園児の頃。まだ左利きは右に直すのが当たり前だった時代です。お箸も左利き、塗り絵も左利きだった私は、気がつけばいつの間にか書道教室に通い筆を持っていました。

 

◆幼少期の私

 

私の母は体が弱かったのですが、息子を2人授かった後も「どうしても女の子がほしい」という母の強い願いのもとに生まれた一人娘です。そんな背景もあり、母は私をそれはそれは大切に扱ってくれました。私が少しでも手間取っているとすぐに「ママがやってあげようか?」とサポートしてしまう、やや過干渉気味な環境で育ちました。

更に幼少期は(今とは違い)かなり引っ込み思案だったため、自分から友達の輪には入れず、じーっと皆を眺めているような子どもでした。そんな私の様子を見て心配した母が幼稚園の先生に相談したところ、先生は

「大丈夫です。輪に入らなくても、皆の遊んでいる様子を楽しそうに眺めていますから、そのうち入れますよ」

と笑顔で答えられたそうです。確かに私自身、幼稚園で寂しかった記憶はなく、皆の行動を観察するのが好きな子でした。そして先生のおっしゃった通り、その後自然に友達の輪に入れてもらっていたようです。

 

◆私の筆文字

 

小学校に入学しても本当に口数が少なく、人前で発表するのが苦手で手を上げることもない、おとなしい子でした。

しかし、書道教室でいざ筆を持つと、半紙からはみ出んばかりの太い大きな字を書いていました。と言うより、お手本のように繊細で整然とした細めの文字は書けなかったのです。

自分でも「なんで私が書くとこんなに大きくなっちゃうんだろう?」と不思議でした。

そんな私の筆文字を見て、書道の先生は小さく書くような指導はせず

「堂々としたいい字だねぇ!」

といつも褒めてくださいました。更に墨の香りと落ち着いた教室の雰囲気が好きだった私は、その後も書道の時間を存分に楽しみながら、のびのびと大きな筆文字を書き続けていました。

 

◆徐々に素質が表に

中学生の頃から徐々に、私の生まれ持った性分が表に出てきたように感じます。
控えめな校風の女子校に入った事で、私のような消極的なタイプの生徒にも人前に出る役割が回ってきたのも、自分の本質に気づく良いきっかけになったようです。

徐々に皆をまとめたり、自分から発言したり、大声でふざけ合ったりする楽しさを覚え、高校・大学では幼少期の話をすると信じてもらえないほど活動的な性格になっていました。

 

◆字を見れば本質が見えてくる

 

いま思うと、私に限らずおとなしめの子どもは、自分の本質に気づく前に、親に言われるがままに従ってしまい、本質を出すチャンスが遅くなっているように感じます。(自分の気持ちを強く出せる子どもは、早くから親に「いや!」と言えているように見受けられます)
しかし、字や絵には隠し切れない子どもの本質がはっきり表れてきます
今では人見知りゼロで誰とでも気軽に話せ、時には自分の意見もはっきり押し出す、私自身の素の性分に、幼少期は自分でも気づいていなかったわけですが、書道教室で書いた筆文字には、幼いころから素の性格がありありと表れていたのです。

 

◆字の大きい生徒

いま仕事のひとつとして英会話ホームティーチャーをしていますが、生徒の中に人一倍おとなしい5歳の男の子がいます。
皆の様子をじっくり観察しながら場の空気を読み、発言は積極的な子にお任せで、自分は最低限のアウトプットのみで満足している感じ。まさに幼少期の私そっくりです(^^)
しかし、英語を書かせると、これまた大きな字を書いてきてくれるのです!それを見て、私は「ふむふむ、、」と思いながら

「堂々としたいい字だねー!!」

と、書道の先生が私に言ってくださったのと同じように、私の心からの声として伝えると、彼の小鼻がフンッと嬉しそうに膨らみます。彼の本質がこれから徐々に表れてくるのかな?と想像すると、いまから楽しみで仕方ありません♡

 

◆人生後半の夢

私の人生後半の夢のひとつは 子ども向け書道教室の先生になることです。夢の実現にはまだまだ努力と時間が必要ですが、いつか子ども達の本質が垣間見える、個性的な筆文字をたくさん見る楽しみのためにも、筆を持つ時間を増やして夢に向かって頑張っていきたいと思っています!

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