優れた女子ゴルフ選手達が台頭する中、また新たな選手が快挙を成し遂げました。笹生優花選手が全米女子オープンゴルフでプレーオフを制して優勝。19歳11ヶ月での優勝は最年少記録です!ニュースを通して見えた、笹生優花選手とお父さんの関係性についてまとめてみました。
◆本人の意思でプロゴルファーを目指す
女子ゴルファーの場合、ゴルフを始めたきっかけは大きく2つに分かれます。
お父さんがゴルフ好きで、それを見ていた子どもが自然とゴルフに興味を持つパターンと、「我が子をプロゴルファーにしたい!」というゴルフ好きの親の夢として我が子に指導を始めるパターンがありますが、笹生優花選手は前者でした。
日本人の父とフィリピン人の母のもとフィリピンで生まれ、その後4歳で日本へ移住。しかし、言葉の壁や引っ込み思案な性格からなかなか友達ができず、父が通うゴルフ練習場に着いて行く事が多くなったそう。
そしてある日、本人の意思で「プロゴルファーになりたい!」と言ってきたのです。最初はお父さんは反対したそうですが、プロになりたいと泣いて騒いだ優花さん。そこでお父さんは
本気でプロゴルファーを目指すなら
★他のことを全て諦めなくてはいけないこと
★厳しいトレーニングを毎日続けなければいけないこと
を伝えたと言います。それでもやると言って彼女の決心が揺るがない様子を見て、お父さんも全力でサポートする事を決められたそうです。
◆父と娘の誓約書
優花さんが中学生になった頃、「もっと強くなりたい!」と言う優花さんに対して、お父さんは『誓約書』を作り、優花さんと約束を誓ったそうです。その内容は
★厳しく練習するが、親を憎まない嫌わないこと
★娘としての笑顔を忘れないこと
2番目の約束から、お父さんの優花さんへの深い愛情を感じます。娘がプロゴルファーという厳しい道を目指さなければ、もっと父娘で笑顔でのんびり楽しく過ごしていたかったのでしょう。しかし、我が子の目指すものが決まったその時、お父さんは全力で我が子の背中を押す役に立場を切り替えたのでしょう。
それ以降は、柔道の経験から下半身を強化するべく足首に重りをつけたトレーニングを継続させたり、バットの素振りを左右両方させたり、と独自の方法で娘の身体を鍛え上げていったのです。
◆優花選手のメンタルタイプ
統計心理分析で調べてみると、優花選手は、リスク対策を取りながら大きな世界に挑戦する直感タイプの要素を2つ持っていました(ブルー&ロイヤルブルー)。
直感タイプの特徴と言えば
☆大きな舞台で力を発揮できる
☆その場の空気を読み取る力がある
☆瞬時の直感的判断力に優れている
などがあります。しかし、その反面
★一度マイナス予測をし出すと止まらず、強大な不安感に襲われる事がある
★気持ちの後ろ盾がないと自信を持ちにくい
等のひじょうに繊細な面も持ち合わせています。
優花選手の場合、お父さんという絶対に裏切らず心から安心できるサポーターの存在が彼女の不安感を払拭してきたのでしょう。全米女子オープン優勝直後のインタビューでは、家族への感謝を涙ながらに繰り返し語っていました。
現在はジャンボ尾崎さんの門下生として指導を仰いでいるので、お父さんが直接アドバイスをする量は減ってきているでしょう。しかし、これからも『優花選手の心のサポート役』『自信をなくした時に帰っていく場所』は今と変わらずお父さんに担っていってほしいです。そして、世界的プロゴルファーの一人に成長しても、お父さんと約束した笑顔は忘れずに、大きな世界で感じる不安感ともうまく対峙しながら、のびのびと成長していくことを願っています!