2022年箱根駅伝に見る往路復路に適したメンタルタイプ

あけましておめでとうございます!!
今年のブログも毎年恒例となってきた箱根駅伝の考察から始めたいと思います。今年はいつになくメンタル傾向が歴然と表れていて、カウンセラー仲間と大盛り上がりしながら観戦できた大会でした。

◆今年の青学メンバーはプラス思考の集まり

原監督が決めた2022年の作戦名は「パワフル大作戦」。エントリー選手16名全員が1万メートルタイム28分台という過去最高の選手陣に対して命名した作戦名でしたが、これはメンタルタイプにもピッタリの作戦名でした。
今回走った青学大の選手10名のうち、物事をプラスに捉えやすい希望優先タイプが8名、マイナス予測が先に浮かぶリスク優先タイプが2名でした。そして、往路の5名は全員ポジティブな希望優先タイプだったのです。

3区を任された1年生の太田蒼生選手は、1位の選手を抜いて首位に立った後、溢れる気持ちを抑えられず笑顔を見せたまま走っていました。太田選手は勝負事には何としても勝ちたい、独立グループのコーラルで希望優先タイプ。山の神と言われた神野大地選手と近しいタイプです。神野選手は以前インタビューで「トップを走るより、目の前にライバルが走っている方がやる気スイッチが入る」と話していました。
また、走り終えた時に「楽しかった!」と次の選手に伝えながら襷を渡した8区の2年生佐藤一世選手は、本番に強い直感グループの希望優先タイプ。10日前に発熱していた上に、走っている途中に左臀部に力が入らなくなるアクシデントがあったにもかかわらず、沿道の拍手や原監督のポジティブな声かけで気分を上げて最高の走りをできるのは、さすが直感タイプの本番強さです!

また、今回は他校でも素晴らしい走りが目立ちました。
往路では1区でダントツの走りを見せた中央大の吉居大和選手も、3区で青学の太田選手と首位を争っていた東京国際大の丹所 健選手も同じく希望優先タイプでした。

◆リスク優先タイプは復路向き  

そして2日目の復路。往路では各区で抜きつ抜かれつの争いが多いのに対し、復路は試合によっては各校の差が大きく離れて順位変動が起こりにくいという特徴もあります。
そんな復路ではリスク優先タイプの実力が発揮しやすいように感じます。リスク優先タイプの選手が復路を走る場合、もちろん順位を上げるのが目標ですが、他校との距離が往路より離れているため、
「自分の考えてきたプランで走ってベストタイムを出そう」という計画通りの走りがしやすいのです。予定が狂った時にマイナス予測が浮かびやすいリスク優先タイプにとって、予定通りの行動が取れる事は何よりストレスが少なく実力が発揮しやすいと考えられます。

実際、今回の箱根駅伝復路で区間賞を取った
・6区 牧瀬圭斗選手(順天堂大)
・7区 岸本大紀選手(青学大)
・8区 津田将希選手(順天堂大)
・9区 中村唯翔選手(青学大)
・10区 中倉啓敦選手(青学大)
の5名のうち、最後の10区中倉選手を除く4名がなんと内面外面共にリスク優先タイプでした。
もしリスク優先タイプが往路1区2区の団子状態の中で走ると、自分のペースが保ちにくいため「このまま自分の走りが出来ないと順位を落とすかもしれない」という不安を感じながら走るケースが多いと思われます。
反対に希望タイプの選手は「団子状態ならうまく行けば抜け出して順位を上げられるかも♪」とプラスに捉えられるから不思議です(笑)。

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同じ状況でもメンタルタイプによって捉え方や感じ方は大きく違ってきます。日本中から注目される箱根駅伝では、選手の走りにメンタルが多大に影響します。
各選手が自分自身のメンタル特徴を理解し「自分はメンタル的にこの区の走りが向いている」と認識し、そこにトレーニングを合わせていく、という対策を取る大学が出てくると、青学一強の牙城が崩せる日が来るのでは?と感じてなりません。

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