『ドイツとスペインに勝ってグループ１位でベスト16へ進出！』こんな夢のような結果を誰が予想したでしょうか。そしてどちらの試合も、前半では日本の良さが出ず相手ペースの試合運びになるものの、後半でメンバーもシステムも変更し、全く違うチームのように躍動させる様子は、森保監督の采配の素晴らしさという他ないでしょう。
【今回のメンバーの心理タイプ傾向】
今回の日本代表メンバーは、過去のＷ杯メンバーよりも心理分析タイプでは大きな偏りが見られます。
心理分析タイプは大きく分けると
①皆で力を合わせて頑張りたい『共感タイプ』
②自分1人の力で目標達成したい『独立タイプ』
③大舞台で力をＭＡＸに発揮し称賛を浴びたい『直感タイプ』
の３タイプに分けられます。
過去のＷ杯日本代表メンバーは、主力選手が３タイプそれぞれに存在していました。
しかし今回は『独立タイプ』がほとんど選ばれていません。そして代表メンバーの約７割が『共感タイプ』なのです。このメンバーが発表された時、私が感じたのは「え？このメンバーで大丈夫？」という思いでした。どんなチームにも３タイプがそれぞれいる事が大切で、場面ごとに適した選手を起用するのがベストだと感じている私から見ると、どんな場面にも動じない強いメンタルを持った独立タイプがいないメンバー選びには「？」と感じざるを得ませんでした。
【森保監督の意図を実践できるメンバー構成】
このメンバー構成になった一番の理由は、森保監督自身のタイプが大きく影響しているように感じます。森保監督のタイプは多くのメンバーと同じ『共感タイプ』。そして、先頭に立って皆を引っ張るより『縁の下の力持ち』的役割が適している、慎重派で優しいイエロータイプです。独断でガツガツ前に出て行く『独立タイプ』とは真逆のタイプと言えます。
『チームの和』を大切にして全員で勝ちに行きたい森保監督にとって、うまく行かない時にチームムードを悪くするような言動をして、チームの和を乱しがちな独立タイプの選手は『選ぶべき選手』に値しなかったのかもしれません。
しかし、選手選びにここまではっきり心理分析タイプの傾向が出るとは正直驚きでした。
【共感タイプと直感タイプの特徴と起用タイミング】
有名アスリートに多い独立タイプがほぼいない今回の日本代表チーム。では共感タイプと直感タイプの強みを生かすにはどんな起用方法がよいのでしょうか。
あらためて２つのタイプの特徴を見てみます。
◆共感タイプの特徴
・注目される大舞台では緊張して力が入り過ぎ、立ち上がりはベストな動きが出にくい
・「できるところまで全力で頑張って。あとは他のメンバーに託すから」と言われると、プレッシャーが減って動きやすい
・自分１人で頑張るより、信頼できる仲間と一眼となって頑張る雰囲気の方が実力が発揮しやすい
◆直感タイプの特徴
・注目される大舞台が大好き。逆に注目されていない練習試合ではスイッチが入らない。
・長時間ずっとＭＡＸの力は出せないので、短期集中で大事な場面で使ってほしいと思っている。
・「おまえしかいない。あとは頼んだ！」の言葉でスイッチが入る
・直感的に「ここにボールが来る」と直前に予測して動ける勘の鋭さがある
この特徴を見ればわかる通り
共感タイプは前半での起用、直感タイプは大事な場面での交代起用
が適しています。
そして今回のワールドカップで得点を獲った３人の選手（堂安選手・浅野選手・田中碧選手）は全員『直感タイプ』です。そして後半から交代で投入された選手でもあります。
また、スペイン戦で三苫選手がラインギリギリで蹴り戻したボールの先にいたのが田中碧選手。
彼は、プロデビュー戦で途中出場後に初ゴールを決めています。そして今回のＷ杯予選でも初出場戦で代表初ゴールを決めました。彼をよく知る人達から見れば「やっぱり決勝打は碧が決めたか」と思っている事でしょう。『持っている』という言葉でも表現できますが、やはり『大事な場面で直感が効くタイプ』とも言えるのではないでしょうか。
【クロアチア戦もこの流れで勝ち切って】
今日本代表チームのムードは最高潮でしょう。皆の気持ちがひとつになっているこの状況下では、共感タイプ選手も力を発揮しやすいはず。
そして、森保監督も発言しているように今回の日本代表は「全員で戦って勝ち切るチーム」になってきています。選手交代人数が増えた事もありますが、過去と比べても出場選手とベンチ選手の格差が少なく「誰もが出場チャンスのあるチーム」で、試合出場を通して選手が成長しているように感じます。
最後のヒーローは直感タイプ選手に任せ、そこまでは共感タイプの選手達がチームのために完璧に守り切り、力の限り走り続ける。これができればクロアチア戦にも勝利できると感じます！
日本中の応援の声がエネルギーになるのが共感タイプです。初のベスト８進出を目指して、皆で応援しましょう！！
