ライバルがモチベーションになる選手ストレスになる選手

今年は12月直前になっても暖かい日が続いていますが、氷上の戦いは既に始まっています!
羽入結弦選手の引退後も、日本男子フィギュアスケート界には世界で戦える選手が存在します。
まず、世界のトップ争いをしているのは宇野昌磨選手。そして彼に続き、ケガ明け後の完全復活を期待されているのが、北京五輪で銀メダルを獲得した鍵山優馬選手です。

◆昨シーズンはケガで離脱

鍵山優馬選手は、昨シーズン左足疲労骨折により、国際大会への出場は見送っていました。
今年は夏から元イタリア代表のカロリーナ・コストナーさんにコーチを依頼し『表現力の強化』を図っています。
そして復帰戦となる先日のNHK杯では、ショートで今季世界最高得点(105.51点)、総合でも宇野選手を僅差で上回り優勝という最高の結果を出しました。演技を見てみると、ジャンプの復活だけでなく、曲に合わせて緩急をつけた表現力が昨シーズンより格段にアップし、コストナーコーチの効果を感じました!

◆海外強豪選手 イリア・マリニン選手
ただし、今回の優勝を迂闊に喜んでもいられません。今男子フィギュア界は「若手選手の成長」が各国で著しいのです。
今シーズンの期待値No.1がアメリカ代表のイリア・マリニン選手。両親は、母(タチアア・マリニナ)と父(ロマン・スコルニアコフ)共にフィギュアスケート五輪出場選手で現在フィギュアコーチという、最強のDNAを持った選手です。
羽生選手が最後まで果敢に挑戦した4回転アクセル(4回転半ジャンプ)を完璧に決められるのは現在彼1人でしょう。20歳という若さで『4回転の神』の異名を持っている彼が、宇野選手・鍵山選手にとって一番のライバルと言えるでしょう。
統計心理タイプで見てみると、イリア・マリニン選手は、内面外面共に『直感・リスク優先タイプ』。不安点があると慎重にはなるものの、世界大会のような大舞台で実力を発揮できる本番強さを持っています。
まさに世界で戦うメンタルも兼ね備えた強豪選手なのです。

◆ライバルの演技でスイッチが入った鍵山選手

今シーズンのフランス杯で、鍵山選手は3位に留まりました。1位は4回転を成功させたアダム・フャオイムファ選手(フランス)、2位はイリア・マリニン選手(アメリカ)。2人はジャンプで点数を伸ばし、300点超えという驚異的な点数を叩き出しました。
いつも穏やかでニコニコしている印象の鍵山選手ですが、フランス杯の表彰台で3位の位置に立った時の彼の表情は硬く、2人の選手を真顔で凝視していました。そんな鍵山選手の統計心理タイプは、コーラル(独立・希望優先タイプ)。このタイプは負けず嫌い度No.1で「目の前に自分より少し勝ったライバルがいた方が燃えるタイプ」です。

フランス杯後のインタビューで「やる気のボルテージは一段階上がりましたか?」と聞かれると、鍵山選手は
「10段階くらい上がりました」
と笑顔で答えていました。更に
「2人と比べた時に自分の課題がたくさん出てきた」
「まだまだ伸ばせる部分はあったので、そこを突き詰めていけば300点は見えてくる」
と目を輝かせながら話していました。

フィギュアスケートのように、個人スポーツで自分1人で黙々と技を磨き上げメダルという明確な目標を目指す競技には、独立タイプのメンタルがピッタリはまります。日本を代表するフィギュアスケート選手の中でも独立タイプの選手は、浅田真央さん・羽生結弦さん・宇野昌磨選手・坂本香織選手・島田麻央選手と、好成績を残している選手の大半が独立タイプです。

現段階で、ジャンプはマリニン選手の方が抜きん出ているものの、表現力は鍵山選手の方が勝っているように感じます。そして今「明確なライバル」が目の前にいる鍵山選手は完全にスイッチオン状態になっています。
コストナーコーチの力を借りて表現力に更に磨きをかけ、グランプリシリーズでライバルへの闘志を爆発した最高の演技が見られることを期待しています!!

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