子どものちょっとした特性を伸ばしまくろう!

3月も残りあと1週間。終業式や卒業式の時期になりました。我が家の高校生と小学生の娘達も成績表を持ち帰ります。長女の高校では、12科目中3科目が規定の点数に達していないと進級できず留年になります。日本はまだまだ「全ての教科がバランス良くできる事」を良しとする傾向が強いようです。

しかし、もし苦手な3科目の成績が規定未満の生徒が、数学の成績だけは10段階の10だとしたらどうでしょうか?私は1科目でもトップクラスの成績であれば進級させて、学校側もその分野を伸ばす方向の指導をすべきだと思うのです。広く浅く無難な成績を取る事より、1つの得意を伸ばした方が大人になってからも活かせると思うのです。

◆仕事で特性を活かした事例

パソナハートフルという会社を知っていますか?パソナの子会社でグループ会社のオフィス業務を請け負っている会社です。先日TVで紹介されてその企業の取り組みを始めて知りました。一部障がいを持った人達の活用を意識した企業で、社員の9割が何らかの障がいを持った成人です。この会社の素晴らしい点は個々の社員の特性を見極めそれを仕事に活かしている点。例えば自閉症スペクトラム症の場合、人とのコミュニケーションが苦手という傾向がありますが、ある特定の分野において秀でた特性や能力を持っている事が大いにあるのです。

ある社員さんは映像認識能力に優れていて、まとまった硬貨を見て瞬時に金額を正確に把握できるため、それをリストに記載する業務を任されていました。優れた特性を業務に存分に活かしているのです。自分の得意分野を任されれば、本人も自信を持って楽しくできる上、人に頼られる事で自己肯定感も得られるという一石二鳥の効果です。

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更に自分達で製造したパンを毎日社内販売する事で、人とのコミュニケーションの頻度を増やしコミュニケーションの苦手意識を克服する工夫もなされていました。

人とのコミュニケーションが苦手な子どもは年々増加していると言われています。こういう取り組みがもっともっと増えていってほしいものです。

◆子どもの特性をみつける

この企業の働きかけは子ども達にも大いに有効だと感じました。パソナハートフルで生き生き働いている社員の方々を見れば、その有効性は説明するまでもありません。
親が子どもにすべき事は
わが子をよく観察して、ちょっとした特性をみつけて伸ばす事
これに限る気がします。

特に勉強やスポーツ以外でみつけてほしいのです。人の気持ちを汲み取る力、言葉で言わなくても察する力、話し合いで意見が対立した時に調整する力、手先の器用さ、空想妄想の壮大さ、好きな事への集中力の高さ、空気を明るく変えるセンス・・等々。実は勉強やスポーツ以上にこのような特性の方が社会に出てから活きてくる気がするのです。

そして、これらの特性を持っていても本人はそれを認識していず「みんなも普通に出来ることでしょ?」と勘違いしている事が多々あります。なぜならこれらは成績表に点数が付いて評価された事もなければ、大人から言葉で伝えられ褒められる事も少ないからでしょう。自分の優れた点を褒められて嬉しくない子はいません。そして自然と「また褒められたい!」と思い一層頑張るものです。

◆まとめ

お子さんが学期末の通知表を持ち帰ったら、成績が低い科目を探し出して口うるさく注意するよりも、この1年でわが子が成長した点やわが子ならではの優れた点を振り返り本人に言葉で伝え、新年度に向けた自信とやる気に替えてほしいと願います♪

『チームワークの向上』『本番に強い選手育成』にご興味のある方へ

指導者や親御さんに向けて
★子どもの根本的な志向タイプについて
★子どもの特性を伸ばす関わり方
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スポーツチームの「チームアドバイザー」として
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