7月30日から始まる世界バドミントン選手権に、桃田賢斗選手が出場します。
リオ五輪の金メダル有力候補だったバドミントン界のエース桃田選手。2016年にカジノ賭博行為が発覚し、大会無期限出場停止処分となり、リオ五輪出場の夢も絶たれた彼が、バドミントン界に戻ってきました。
◆若きエースに欠けていた大人の助言
2015年のスーパーシリーズ・ファイナルで優勝し、賞金8万ドルを手にした桃田選手。ブランド品で身を包み、誰から見ても派手な生活をしていたようです。
とはいえ、試合で結果を残して大金を手にした若干20歳の若者です。お金の使い道や生活態度に間違いがあってもおかしくない年齢でしょう。賭博を行った時も、後ろめたい気持ちさえ感じていなかったと言います。
当時は
「派手な生活をしたい。それに“ガキんちょ”が憧れてバドミントンを頑張るように」
と発言していました。
日本は、世界一やメダリストになると、彼らの言動全てをプラスに捉えてサクセスストーリーとして広める傾向があるように感じます。この頃、賞金を糸目なく使う彼の行動を戒めた大人がいたでしょうか?その事自体が大きな問題だったと感じずにはいられません。
◆自粛期間に感じたバドミントンへの思い
社会奉仕活動の一つとして、自粛期間中にバドミントン教室で子ども達に指導しながら全国を回っていた時。彼は、純粋にバドミントンを楽しむ気持ちを久々に思い出せたと言います。
世界ランクが上がり大会が続く日々を送っていると、試合で勝つ事だけでいっぱいいっぱいになり、バドミントンに対する熱い思いを確認する間もなかったのでしょう。この社会奉仕活動は彼にとって、自分の気持ちと向き合い再確認する貴重な時間になったようです。
◆苦手な基礎トレーニングの成果
統計心理学(i-color)のタイプ分析で見てみると、桃田選手のi-colorは、直感タイプのターコイズ。ルールやスケジュールで細かく管理されるのが嫌いで、気分が乗った時に集中して一気に行い、ずば抜けた結果を出して称賛されたいと考える、まさにセンスと感覚で生きていく自由人です。
桃田選手はまさにその素質通り、ランニングや基礎トレーニングなどきつい練習から逃げてきたと話しています。今までは、天性のセンスと集中力で挑んで勝ち上がってきていたようです。
しかし、選手登録を外されて試合に出場できなかった自粛期間、あり余る時間の中で必要に迫られ、初めて体幹トレーニングやウェイトトレーニングに真剣に取り組み、それを継続してきたのです。
これにより持久力と体幹力が大きくパワーアップし、今まではラリーが続くと、徐々に姿勢が崩れていき、最後はミスショットで失点するという彼の弱点が克服されたのです!
◆復帰後の進化した姿
そして、いざ迎えた昨年の国内復帰戦では、見事優勝!その後の海外戦は、282位からの再スタートという過酷なものでしたが、継続してきたトレーニングは彼を裏切りませんでした。今まで苦手としていたラリー戦でも、集中力とスタミナが切れる事なく最後まで粘り切り、強力なスマッシュで点数を獲れるように進化していたのです!
そして、とうとう元世界ランク1位(現在2位)の選手との試合にも勝利したのです!!
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ギリギリの崖っぷちまで追い込まれないと実力を出さない直感タイプ。桃田選手の場合、甘い道に誘われて崖を途中まで落ちかけましたが、今思えば彼にとっては必要なアクシデントだったのかもしれません。
アスリート人生はまだまだこれから!進化した桃田選手に注目していきましょう!!