【平昌五輪3】スキージャンプ高梨沙羅選手とライバル選手のメンタルタイプの違い

平昌五輪開催に向け、北朝鮮の参加方法など直前に慌ただしくなっていますが、観戦する私達は各競技に集中してアスリート達を思いっきり応援して楽しみたいものです!
今回は第3弾、女子スキージャンプ。メダル候補選手の行動心理タイプ(i-color)の違いから、試合をより楽しく観戦していただければ幸いです。
◆高梨選手のライバルは
女子スキージャンプといえば、海外の人達でも高梨沙羅選手の名前を一番に挙げるでしょう。
しかし、今シーズンは海外の2人の選手が実力を伸ばし、高梨選手の連勝を阻止しています。それは、マーレン・ルンビ選手(ノルウェー)カタリナ・アルトハウス選手(ドイツ)です。

今シーズンの現在までの総合順位は、ルンビ選手が1位、アルトハウス選手が2位。高梨選手は3位に甘んじる結果になっています。4年に1度の五輪にピークを合わせる難しさを感じます。ピーキングが上手い選手といえば、ソチ五輪金メダリストのカリーナ・フォクト選手(ドイツ)も有力ライバルの1人です。

4年前も、シーズン中の優勝回数ゼロでありながらソチ五輪で金メダルを獲得しています。本業が警察官のフォクト選手は、昨シーズンは練習量を抑えて警察官昇進試験の勉学に注力し見事合格。そして今シーズンは表彰台に上がる数は少ないものの、平昌五輪直前のノルディックスキー世界選手権で優勝を飾っています。五輪に向けて徐々に調子を上げてくるのはさすがです。

◆ライバル選手のメンタルの強さ
技術的な面は専門ではありませんので、ここでは選手が生まれ持った志向タイプ(i-color)で大会での本番強さなどを比較してみます。
今シーズン最も調子のよいマーレン・ルンビ選手のi-colorは、生粋のオレンジ
オレンジとは「太陽を目指して向かっていく」イメージからついたカラーです。一度自分の目標が決まれば、それに向かって集中力を切らさず、時間をかけて一人で一歩一歩前進していけるタイプです。よく私は「童話ウサギとカメのカメタイプ」だと説明しています。
そして、大きな大会でも過度に緊張することはなく、淡々と実力を出し切るメンタルの強さを持っています。オレンジのアスリートには、羽生結弦選手、キム・ヨナ選手、北島康介選手、萩野公介選手など、個人競技のメダリストに多いのもこの特性から頷けます。
ちなみに、日本代表選手の一人で、昨シーズン世界選手権で優勝した伊藤有希選手の本質カラーもオレンジです。今シーズンは、同じ下川町出身のレジェンド葛西紀明選手の元で厳しいトレーニングを積んできた伊藤選手。是非ともここまでの努力を結果に繋げてほしいものです!
カタリナ・アルトハウス選手は、本質面が直感力とセンスを持ち冷静なブルー(直感タイプ)外面が負けず嫌い度No.1のコーラル(独立タイプ)です。ルンビ選手ほど日々の努力を継続するのは得意ではないと思われますが、負けず嫌いのコーラル面を出し「試合で勝つためには苦手な練習もやるしかない」とスイッチを入れてトレーニングを続けてきたのではないでしょうか。

カリーナ・フォクト選手は、本質面が直感力と集中力に長けたレッド(直感タイプ)、外面が一点集中派のゴールド(独立タイプ)。アルトハウス選手と同じ『直感タイプと独立タイプの2つを持ち合わせたタイプ』です。

直感タイプの最大の特徴は、大舞台で必ず決めてくる点です。前述の通り、フォクト選手は4年前のシーズン中、世界大会では無冠でありながらもソチ五輪で金メダルを獲得しています。五輪は世界中の人達が最も注目する大会ですから、直感タイプのこの2選手はいつも以上に集中力を高めて、大ジャンプを見せる可能性も大きいのではないでしょうか。
ただし、直感タイプのモチベーションを下げる要因の1つに悪天候があります。大雪が降っていたり、予想以上の悪天候になった場合「これでは最高のジャンプが披露できない」とテンションが下がりやすいのです。天候も合わせて観戦するのも面白いのではないでしょうか。

◆高梨沙羅選手のi-color

そして、女王高梨沙羅選手のi-colorは、本質面がポジティブで負けず嫌い度No.1のコーラル、外面が控えめで超慎重派のバイオレットと、かなり真逆な二面性を持っています。高梨選手を見ていると、幼少期からソチ五輪前までは、無邪気でポジティブなコーラルらしく、大好きなジャンプを楽しみながら練習に励み、優勝し続けていたように感じます。
しかしソチ五輪で、今まで見せたことのない程こわばった高梨選手の表情がTV画面に映し出された時、超慎重派でマイナスな予想をしがちなバイオレットの面が露呈してしまったように感じました。そして「失敗したらどうしよう」「皆の期待に応えられなかったらどうしよう」という思いが頭の中で繰り返されるままジャンプ台の上にいたように見えました。
「幼少期は、大好きな山田コーチに抱っこしてもらうのが優勝のご褒美でした」
と思い出話を笑顔で語っていた高梨選手。
しかし、平昌五輪が近づくにつれて笑顔も少なくなり、
「日本の皆様に感動していただけるようなジャンプができるように頑張ります」
という内容のコメントが多く聞かれます。この目標自体が自分自身に大きなプレッシャーを与え、緊張感を増大させているように感じてなりません。
平昌五輪では、優等生の沙羅ちゃんを封印し、楽しんでジャンプしていた幼少期の気持ちを思い起こして
「大好きなジャンプを悔いのないように思いっきり飛ぶだけ!!」
くらいの気持ちに切り替えてほしいと願っています。笑顔で頑張れ、沙羅ちゃん!!

“【平昌五輪3】スキージャンプ高梨沙羅選手とライバル選手のメンタルタイプの違い” への 1 件のフィードバック

コメントは受け付けていません。

『チームワークの向上』『本番に強い選手育成』にご興味のある方へ

指導者や親御さんに向けて
★子どもの根本的な志向タイプについて
★子どもの特性を伸ばす関わり方
★モチベーション・自己肯定感の上げ方をテーマにしたセミナー

スポーツチームの「チームアドバイザー」として
★個々の選手に適したアプローチ法の具体的アドバイス
★選手向け研修の企画・実施
等を行っています。

ご興味のある方は、下記よりお気軽にご相談くださいませ。

ご質問・お問い合わせ